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恒星シリウス、それはひとの道しるべ(詩歌)


それはそれは昔のこと

古代エジプトではナイルの星と呼ばれていました

夏至のころに、かの星が姿を現すと

ナイルの川が氾濫し、土地に恵みをもたらしたからです


それはそれは昔のこと

フィジー諸島をはじめとしたポリネシアのひとびとは

大きな鳥を表す「マヌ」という星座のひとつの星として

かの星を方位を知るコンパスにして

小さなカヌーで島々を旅していったと言います


それはそれは昔のこと

ニュージーランドの先住民、マオリは

かの星を「冬」と呼び

その季節を告げるしるしとしました


それはそれは昔のこと

ハワイのひとびとは

かの星を「天国の女王」と呼び

冬至の日に星をお祝いしました


ギリシア神話では、狩人オリオンの猟犬として

おおいぬ座のひとつの星として

英語でも「dog star」

中国でも「天狼星」

人を先導する犬の名前がついて

輝くのは

古代に狩人たちも

かの星を方位の目印としていたからかもしれません


シリウス


ギリシアの言葉で「光輝くもの」

太陽系の星以外では、暗い空に一番明るく輝く星

古来より、季節を告げ、方位を告げ

今でも

地球と人との営みを見守り

宇宙から、私たちを導き続けているのかもしれません

(了)


※見出しの画像は、みんなのフォトギャラリーからフレネルさんの作品をお借りしました。ありがとうございます。


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