新しい目をもつためのwhat ifという呪文
ゴールデンウィークが明けて、通常営業がスタート。
休み明け早々、なんだか重い話しがドカッときたり、しっかりした打合せがあったりして、ぼやっとしてられない毎日に舞い戻る。
今日の打合せでは、次にやるワークショップの内容を詰めた。今回はシナリオプランニングそのものをやるのではなく、シナリオプランニングのエッセンスを抜き出して、いわば「シナリオプランニング思考」を体験して、事業開発につなげてもらうことを目指している。
じゃあ、「シナリオプランニング思考」って何?となった時に思い出すのが、以前にも紹介した『ワインバーグの文章読本』にのっていたプルーストのこの言葉。
真の発見の旅は、新しい景色を求めることではなく、新しい目をもつことにある。
シナリオプランニングに限らず、未来を考えるための手法に取り組んでいる人や未来予測っぽい本を読んでいる人の中には、未来を見ることだけに意識がいってしまっている人がいる。
しかし、シナリオプランニングで本当に大事なことは、未来の可能性をいろいろ考えることをとおして、「今」を新しい視点から見られるようになることだ。
プルーストの言葉のとおり、未来という新しい景色を求めるのではなく、今までに考えたことがない未来の景色を見ることを通して今を新しい目で見ることが、シナリオプランニングに取り組む意義だ。
What if ...?を唱えつづける
そうはいっても、じゃあ、「シナリオプランニング思考」とやらを、日々、どうやって実践すればいいんだ?という話しになる。
毎日毎日シナリオプランニングのワークショップをやるわけにもいかないだろう。
そんな時に唱えるのが What if ...? という言葉だ。
『ジーニアス英和辞典(第4版)』をひくと、What if ...? には3つの意味がのっていて、そのうち2番目はこうなっている。
(2) [問いかけ・不安](主に好ましくないことが)…したらどうなるだろうか、…したらどうするの|What if it rains? 雨が降ったらどうするの.
このWhat if ...?という表現は、英語でシナリオプランニングを解説している文章を読むと、毎回と言っていいくらい目にする。
だからといって、そんな高尚な表現というわけでもない。上に引用したジーニアスの記述の中にある例文を見ればわかるだろう。大人だけでなく、子どもでも口にする言葉だ。
さまざまな可能性を想定する
10日間も休んだあとでもなければ、私たちはついつい毎日を惰性で過ごしてしまいがちになる。
平日は平日なりの、休日は休日なりの「想定内」の範囲の中で過ごすことを当たり前だと思ってしまう。仕事でも、日常でも。
そんな時、その「想定内」の中にWhat if ...?という問いを差し挟んでみると、どうだろう?
What if ...?を唱え続けることで、頭の中にいろいろな想定を入れ込むことができる。
そうすると、普段なら考えなかったその想定がきっかけとなって、今までなら見過ごしていたことをたくさん見つけることができる。もしかすると、これまでなら見逃していた良くない出来事の兆候に気づくこともできるかもしれない。
それこそがシナリオプランニングをとおして「新しい目をもつ」ということだ。
(文中で紹介した過去に投稿した『ワインバーグの文章読本』に関するエントリーはこれ↓)
■最後まで読んでいただき、ありがとうございました■シナリオプランニングを学びたい・試してみたいという方は株式会社スタイリッシュ・アイデアのウェブサイトをぜひご覧ください。
Photo by Steven Coffeyon Unsplash
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