マガジンのカバー画像

足下から考える仕事術

41
世の中にはいろいろな仕事術があふれていますが、その実践のためには、まったく新しいことを始めるとか、なんらかのツールが必要になるというものも多いですよね。そうではなく、もっと身近な…
運営しているクリエイター

2019年5月の記事一覧

「沼にハマる」ことから生まれる余裕

NHKで「沼にハマってきいてみた」という番組がやっている。 1月に放送された「星・天体沼」の回では、自分が昔住んでいたところの高校の天文部が出ていて、それがきっかけで知った番組。 自分は全然テレビを見ないので放送自体は見ていないけど、番組ウェブを見るだけでも、いろんな「沼にハマる」経験をしている人が面白い。NHKだから、さすがに選んでる感じはあるけど、それでも濃い世界がいろいろあるんだなと思う。 こういうのを見て、はたと自分の周りとか、お客さまのところに行っていろいろな

「明確な意図を持った努力」が生み出すもの

NBAのロサンゼルス・レイカーズにコービー・ブライアントという名プレイヤーがいた。 バスケットボールに興味がない人には、その名プレイヤーぶりが伝わりにくいかもしれないが、NBAチャンピオン5回、ファイナルMVP2回などなど、彼が獲得した記録をあげればキリがないほど。 YouTubeなんかで彼のことを調べてみると、マイケル・ジョーダンと比較されている動画があったりすることからも、彼がどういう存在だったのかわかるかもしれない。(Wikipediaにも「コービーとジョーダン」と

自分の視点に自覚的になるためのストック

先日、あるお客さんとシナリオプランニングの導入の話しをしているとき、プロジェクトマネジメントの話しになった。 曰く、「シナリオプランニングの取り組みを上司に説明するというのを考えた時、彼は結構うるさい人なんですけど、いろいろ反論されたら、どうすれば良いですかね?」というものだった。 世の中にはそういう課題(厄介な上司対策)に対処するための本がたくさん出ている。だから、そういう状況に対処するためには、そういう本を手に取れば良い。 たしかにそれも一理ある。 ただ、せっかく

不確実な時代の学び方

シナリオプランニングに関する文献を読んでいると「不確実性」という言葉を目にすることが多い。 それもそのはず、シナリオプランニングは「不確実性」に対処するための手法だからだ。 しかし、そのような手法を知り、身につけたから安心というわけにはいかない。 単に道具としての手法を身につけて安心するのではなく、その道具を使う、私たち自身の頭の使い方も変えていかなければいけない。 中でも、これだけ世の中が不確実になってきている今、「学ぶ」ことの意味が変わっていることに目を向けること

まるごと学ぶことと思考の粘り強さ

今月の始めに書いたエントリーでジェラルド・M・ワインバーグの本を取り上げたことがきっかけで、手持ちのワインバーグの本すべてを引っ張り出してきて手元において、他の本を読む合間に読み返している。 これまで読んでわかったつもりだった部分だったり、これまではそこまで刺さらなかった部分が、いま読むと大ヒットだったりして、やっぱり、本は読み返すものだなと思う。 自分がその時々で持っている知識や経験、問題意識とかによって、引っかかる箇所が変わってくるのが読み返す醍醐味だ。 同じ著者の

そのスカーフはだれが喜ぶのか?

学生時代、その時発行していた英語学習系のメールマガジンのつながりで、勉強会をやっていた。 その勉強会は、自分以外、ほとんどの参加者が社会人という場で、学生だった自分には、とっても刺激的な場だった。 その勉強会からいろんなことが派生して、ある時、講演会のようなイベントをやろうということになった。 そして、その企画を進めていくために「企画チーム」なるものができあがり、社会人メンバー数人と自分という構成になった。 そのチームにいたのがMさんだ。 Mさんはメーカー勤務。勉強

流れに乗り、最後は顧客に目を向ける

今日Twitterを眺めていたら『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』の吉田さんのこんなツイートが流れてきた。 これはICT関連のリサーチをやっていたシンクタンク時代に何度も見聞きしたものだ。たぶん、自分が最初にこの手のものを聞いたのは「ASPなんかじゃなくて、SaaSがいいんだよ!」だった気がする…。 同じようなことをこの記事でも目にした。 わかりやすいのは冒頭のこの部分。 日本企業の間でAI(人工知能)の理解が一向に進んでいない。中身はいわゆるIT(情報技

それは「作業」か。あるいは「仕事」か?

自分の会社を立ち上げてしばらく経った頃。 事前にクライアントもつかまえず、その前の会社でやっていた仕事をそのまま引き継ぐということもしないまま独立してしまったので、「さて、どうしたものか」と思いながら日々過ごしていた。 ちょっとした話しがあっても「自分はそういうことをやるために独立したわけじゃない」とか言って断りつつも、じゃあ、どうすれば、やろうと思っていることをできるようになるのか見当がつかなかった。 そんな時、以前に一度だけ会った人から連絡がきた。人を紹介してくれる

アイデアを出すコンテキストを見極める

仕事をしていると、他の人からアイデア(コメントや意見と置き換えてもいい)を出してくれと言われたことがあるだろう。 せっかく声をかけられたんだからと思い、いろいろと考え、意気揚々と自分のアイデアを伝えたところ、例えば仕事の場面だと「これは使えない」と一蹴された経験はあるだろうか? あるいは、お客さまから「新しいことに取り組みたいから、自由に提案してほしい」と言われ、想像力の限りを尽くして持っていった提案に対して、「いやぁ、こういうのじゃないんだよね…」と言われて気まずい空気

個人の救済は勉強だ

豊田章男氏が日本自動車工業会会長としての立場で、日本の終身雇用を守っていくのが難しいと発言し、Twitterなどでも話題になっています。 経団連の中西氏の発言もインパクトがありましたが、日本経済の中で規模的にも、心理的にも影響が大きい「自動車」関連の要人の発言ということで、より大きなインパクトがあるのかもしれません。 そんなニュースを見たあとだからか、たまたま見つけた学ぶことの大切さを切々と訴えるこの記事を思わず読み込んでしまいました。 忙しい人ほど学んでいる記事の冒頭

チャールズおじさんがつないだもの

社会人になった頃、実力もないのに自信だけはあって、我ながら本当にイヤなヤツだったなと思う。 生意気で、横柄な態度で新人研修を受けていたような気がする。 いまの仕事を始めて、たまに研修の依頼がきても、自分がそうだったことを思い出したりして、新人研修の仕事だけは断り続けてきた。 今年もいくつか来た新人研修の話しは断っていたけれど、ひとつ、長年お世話になっている方からの依頼で、しかもシナリオプランニングの考え方も盛り込んでほしいという話しをいただき、初めて新人研修を担当した。

「あらかじめご了承ください」から考える顧客体験

ゴールデンウィークが終わって、普段の仕事のペースに戻ったと思ったら、あっという間に今週も終わり。 自分の場合、普段の仕事のペースに戻るというのは、移動の日々に舞い戻るということになる。少なくとも週1程度で新幹線に乗ってはあちこち移動することになる。 新幹線の移動では、こだまに乗ることが多い。もちろん、場所によっては、時間との兼ね合いで他の選択肢も考えるけど、30分くらいの差であれば、空いてるし、その分、本を読み進めたりもできるので、まったく問題ない。 そんなこだまでは車

「わからない」という軽やかさ

今日は移動して、いろいろなテーマでの打合せ3件。 その中には今月から始まるプロジェクトの打合せも。特にプロジェクト中で実施するワークショップについて、いろいろな可能性を丁寧に話した(それこそ昨日書いたwhat ifを念頭に置きながら)。 ただ、どれだけいろいろな想定をしたとしても、ワークショップでは想定していないことが起きる。 今でこそ悟ったように、こんなことを言っているけど、この仕事を始めた頃は、毎度毎度、ワークショップ前は気が気でない感じでそわそわしていた。 実際

「石」を集められるような毎日を送っているか?

noteで本格的に書き始めて3日目。 いま、こうして書き始めていることで、なんとか3日坊主にはならないで済みそうなものの、今日のネタをあれこれ考えている時に、すでに他人の反応を意識してしまっている自分を発見。思考の癖を修正していくのって、日々訓練ですね。 ということで、奇をてらわず、昨日書いたワインバーグの「文章読本」からのネタの続編として、この本を読んで参考にしている文章を書くことについての話しを。 文章を書くために石(ネタ)を集めるこの本、タイトルは『ワインバーグの