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シナリオプランニングの現場から

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起こり得る未来の可能性を考えて、それを元により善い未来を創るためのシナリオプランニングという手法。まだまだ十分には知られていないこの手法について、いろいろな角度から紹介していきま…
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2019年6月の記事一覧

ネガティブな世界を想像するからこそ浮かび上がってくること

シナリオプランニングという手法では、普段なら考えない先の未来(例えば10年後)の可能性を複数描く。 具体的にどういうアウトプットになるのかについては、以前に書いた「2030年の世界の食糧システムシナリオ」を見ていただくと、イメージしやすいかもしれない。 先ほど「アウトプット」と書いたが、シナリオプランニングでは、食糧システムシナリオで見たような複数の未来を作成したら終わりではない。 作成して終わりではなく、作成したシナリオを元に対応策を考える。 対応策を考えるためには

「未来のことを考える」を仕事にしている理由

昨日Twitterでこういうことをつぶやいた。 ここに書いたような問題意識に取り組むために、いまはシナリオプランニングを使って「未来のことを考える」ことをしている。 会社としては、どうしてもシナリオプランニングというツールを前面に出しているので、周りからするとツール推しみたいなイメージが強くなってるかもしれないけど、大事なのは、組織などで「未来のことを考える」ことの方だ。 なぜ、未来のことを考えることが必要なのか?Twitterに書いたような問題意識に取り組むために、な

「起業家的」と「伝統的」というマネジメントの違い

シナリオプランニングからの戦略実行時に遭遇する課題シナリオプランニングに取り組んでいる企業が、せっかく時間をかけてシナリオを作成し、それを元に戦略を策定したにもかかわらず、いざ戦略を実行する段階になって、シナリオでやったことが活かせなくなってしまうことがある。 それにはいろいろな原因があるが、そのひとつとしてマネジメントスタイルを意識していないことがある。 シナリオプランニングに取り組んだ結果、不確実なテーマに対応できるような事業に取り組んでいくことを決めて動き出した。し

意思決定者の「小宇宙」に影響を与える

シナリオプランニングについて話しをするときに、もう何年も言い続けてきたのは、 ・シナリオを作って終わりではダメなんです ・シナリオはアウトプットではなくインプットです ということ。 シナリオプランニングでつくったシナリオ(未来について表した複数の世界)は、完成したら終わり(アウトプット)ではなく、完成したものを元(インプット)にして、戦略や事業を検討するところまでを考える必要性を伝えている。 自社のメールマガジンや公開セミナーでそう言い続けてきたのもあり、「シナリオを

意思決定の視座を増やす

組織でシナリオプランニングのプロジェクトに取り組んだあと、参加者から出てくる感想として多いのが「社長が危機感を持て、と言っていた理由がよくわかった」というもの。 それもそのはず、現場を中心に動いている社員と社長とでは、自社を見る視座が違う。 もちろん、現場にいる自分としては、何よりもその範囲での成果を上げなければいけないので、いくら社長が持っているような長期的な視座がすばらしいからといって、自分の視座を捨て去るわけにもいかない。 そのように「自分の視座(短期)」か「社長

10年後、50年後、100年後の世界をつくっていく仲間さがし

昔から、寝ているときにみる夢はリアリティがあるものばかり。 たとえ気色悪い内容でなくても、リアルすぎて目が覚めてしまうこともよくある。普段、体験したことがリアルな夢として出てくるのはわかるけど、まったく体験したことがないようなことをリアルな夢としてみることも多い。 夢の中での演説今朝方の夢も、そんな夢。 ひなびた温泉街のような町並みにいる。雰囲気は明治時代くらいの感じではあるけど、よくはわからない。 その町で自分が親しくしている(でも現実には知らない)人に、会合のよう