【実録】史上最大の逆転劇(セミファイナル編)

前書き

ミスサークルコンテスト2023というイベントがある。いや、あったかな。

いわゆるミスコンという括りに分類されるわけだが、このコンテストがなかなか大規模なものなのだ。半年以上に渡って繰り広げられるサバイバルシステムで、1次審査→2次審査→3次審査→4次審査→セミファイナル(以下SF)審査→ファイナル(以下F)審査と進んでいくものだ。
(年により審査の回数や審査内容は変わるが、概ね上記の通り)

審査内容は
「Web投票」「SHOWROOM審査」「mysta審査」
の3つが基本で、総合的なポイントにより次の審査への通過者が選別される。

今回、ひょんなことからある出場者を応援することになったのだが、その過程を記録にまとめようと思う。あくまで筆者目線での記載であり、認識に対する異論反論の類は受け付けない。一リスナーによる感想文の様なものだと捉えていただければありがたいが、ケーススタディの一助となれば幸いである。

この様な記事にまとめようと思った理由は、
1.今回応援することとなった出場者のチームが非常に素晴らしいものだった
2.困難な挑戦であったが、達成できた成功事例として最適なものだった
3.戦略論的な思考の爪痕を整理しておきたかった
が主なところである。

SF振り返り、の前に

それでは10月のSFから振り返ろうと思うが、その前に各審査においてSFが最も盛り上がるように思える。4次審査まではほぼ「足切り」であり、Fに残るような出場者はまず4次審査までで落ちる可能性はないためだ。

つまり、サバイバルが生じるのはSFであるということ。Fは逆に次がないし、表彰式という晴れの舞台に立てることは確定しているのだ。そして、グランプリ、準グランプリ、審査員特別賞の三賞を受賞できなくても、スポンサー企業による賞を受賞できる可能性はあるのだ。それがゆえにギリギリでFに進出したとしても、ファイナルに残るという大目標を既に達成できているし、ファイナルでの審査が奮わなくてもスポンサー各賞を受賞できる可能性も残っているのだ。Fになる頃には上位と下位との差も非常に大きなものに広がっているのが常なので、言ってみれば「参加することに意義がある」という状況になる事も多い。

だからこそFに残る、というのがまず出場者の目標であり、Fに残れるか否かが運命の分かれ道だと言っても過言ではないのだ。Fに残れずに大きく落ち込む出場者、号泣する出場者は毎年数多く見るのはこのためだ。悲喜交々、だからこそSFが一番面白いし、残酷であり、美しいのだ。

SF振り返り

上記事情を理解しているため、筆者はSFにおいてはメインで応援している出場者より「ボーダー付近にいるけどFに残したい出場者」を優先して応援することにしている。特に、メインで応援している出場者はSFで応援しなくてもFに残ることが確定的であることが多い。応援に順位付けをするつもりはないが、一番手の人が全体でも上位でFに残るのがほぼ確定的であれば、ボーダー付近の二番手三番手の出場者の方をSFでは優先する、ということだ。
濃淡あれど応援しているなるべく全員をFに残したい、からである。

そこで、SFにおいてはF進出のボーダー付近にいると考えられる出場者2人をメインで応援しようと決めたのだ。もちろんその2人はそれ以前から配信を見ていたし、それまで全く存在すら意識していなかったわけではない。先に結果から書いてしまうと、その2人は明暗を分けることとなった。1人はFに進出し、もう1人は残念ながらSFで、という結果になった。少々意外だったのは、SFで涙を飲んだ出場者の方が明らかにFに残りそうだったことだった。

よって、ここからはFに進出した出場者との関わりについて書いていくことになる。実際のところ、かなり前からその出場者の事は知っていたし、配信も観ていた。「この人はもっと人気が出ても良いのに…」などと思いつつ、草葉の陰から見守るような立ち位置でいたのだ。もちろんある程度見ていて、トップ層の人達ほどに人気が出ない要因も自分なりに理解はできていた。

1.すべてにおいて80点を取るような優等生タイプ
2.ネットワークの弱さ
3.営業力の弱さ

1.については、配信においても対応からやさしさが垣間見えるし、丁寧な対応にも好感は持てたのだが、全体的なお行儀の良さと突出した特徴がないが故に、印象に残りにくかった、という感想を抱いていた。もう少し、ある方向で突き抜けていても良かったのではないか、と。それが素材の良さの割に今一つ人気が伸びなかった理由ではないか、と。
2.と3.については、このコンテストの本質だと言えるのだが、「ネットワーク構築」と「営業力」が大きなウエイトを占める。もちろん、ごく一部の人はSNSで投稿して、配信しているだけで応援してくれる人が増える場合もある。ところがそれ以外の大多数はそういった待ちの姿勢だけではなく、自分で応援してくれる人を掴みに行かなくてはならない。彼女にはそれが欠けているように見えたのだ。

戦力分析

元々、特に昼間の配信はほぼ見ていたので、状況についてはある程度把握しているつもりだったが、SF前に改めて戦力分析をしたところ、おそらくこのままでは(Fに残れるのが12名だとしたら)残れないだろうと見ていた。もし16名がFに残れるなら、ギリギリ圏内だと思っていたが。

X(Twitter)のフォロワーは比較的多い方だが、様々なアクティビティでの稼働を期待できるSHOWROOMのフォロワー数は上から15~20番目の範囲、SHOWROOMのファン数(レベル10以上)となると60~70人程度と上位陣の半分程度だった。

SF前半戦

そんな状態でSF審査が始まり、概ね審査前に予想した通りの展開となった。
SHOWROOM審査は全体で12~15位あたり
途中で始まったmysta審査は8位~10位あたり
で推移していったのである。
Web投票の順位は非公開なので分からなかったが、SHOWROOM審査とmysta審査の間くらい(つまり10位~12位程度)だったのではないかと思う。一応の根拠としては、X(旧Twitter)のフォロワー数、SHOWROOMのフォロワー数、SHOWROOMのファン数で見てもそのあたりだったので。

最終的にSHOWROOM審査の前半戦は以下の通り、14位で終えることとなった。

SF SHOWROOM審査前半戦


SF後半戦を迎えるにあたって

ここで問題となるのが、SF→Fの通過人数である。例年通り12名だとするとSHOWROOM審査では圏外、mysta審査はSHOWROOM審査よりは上という程度、Web投票もSHOWROOM審査より上だとは思うが、他の審査項目を大きく引き上げる程でもない、つまり3つの審査項目全てにおいてボーダー付近であった。今年の通過人数は12名もしくは16名と予想していたが、こういう時に希望的見地に立って目標順位を設定する意味はないので、12名に入る事を考える必要があった。また、mystaの1位特典はF進出である。これは例年の特典なのだが、これまでは上位陣がこの特典を得ていたわけだが、万が一下位の出場者がこの特典を得た場合、実質的にF進出者は11名となってしまう。つまり、ただでさえ狭き門が余計に狭くなってしまうのである。

ここで、SHOWROOM審査は最低でも12位、できれば11位にする必要がある、と判断した。mystaも状況を見つつ、12位を下回らないようにする必要がある。

SF後半戦

とはいえ、短期間で急に戦力強化を図れるわけはないので、やはり前半戦と同じような順位で推移していくことになる。最終的な貢献ポイントは
前半戦:133,147pt
後半戦:478,820pt
だったので、後半戦は最後にタワー×10の30万ポイントを追加したので、それまではほぼ同じ様なペースで投げていたことになる。

そして迎えたのがSHOWROOM最終枠、最終枠前のポイントは以下の通り。

SF SHOWROOM審査後半戦最終枠前

この時点で前半戦との合算でも14位であった。この時点ではこれが「地力」と言える戦力だったのだろう。となると、これを12位まで引き上げるのが仕事だ、と改めて認識した。他陣営においても、最後に積んでくる可能性は当然ある。そこまで見越して12位で着地させることを考えていた。

実は、時系列が前後するのだが、mystaの審査は前日に終了していた。その結果、SHOWROOMやWeb投票において上位ではない(と推測される)出場者がmysta1位特典でF進出権を獲得していたのだった。その可能性も想定はしていたものの、あまりなって欲しくはなかった展開であった。それにより、F進出者は残り11名となり、SHOWROOM順位が上の出場者と残りの椅子を争うことになっていたのである。従って、実は12位でSHOWROOM審査を終えたとしても圏内であるとは言えなかった。あとはWeb投票の結果次第、といったところであった。

SHOWROOM審査の最終枠では、ほとんどの出場者がイベント終了まで配信を行う。そこで、全出場者のポイントを1分単位で取得し、推移を観察していた。終了5分前において、前後半合算で13位だったので、全体順位を12位で終えられるよう、残り10秒のタイミングで30万ポイントを追加した。

SF審査結果

SHOWROOM審査の結果は、前後半合算で以下となった。

SF SHOWROOM審査結果

また、先に終了していたmysta審査の結果は以下である。

mysta審査 結果

SHOWROOM審査もmysta審査も12位で終了、Web投票の順位は非公表なので、投票でどこまで総合ポイントを上げられるか、といったところだった。
実質的には残りの11名に入れるかどうか、まさにボーダーギリギリといったところであった。数日後の通過発表で「富谷陽菜」の名前を発見した時にはまさに「してやったり!」であった。


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