姉が結婚した
2022年10月22日
姉が結婚した。
昔から不器用ながらも、器用に人生を生きているような姉だったから、27歳という結婚適齢期に結婚をするのにも何の違和感もなかった。
相手は大学時代から付き合っている彼氏で、長い年月をかけてしっかりと愛を育んだ結果だと思う。
結婚式の乾杯の挨拶を任された父は、赤ん坊の姉を初めて見た時、天使を見つけたような気分だったと言っていた。
これを機会に、自分も姉との思い出を振り返ってみようと思う。
2つ上の姉は、僕たちの家族の長女として生まれた。
物心ついた時から面倒見が良くて、しっかりとした姉だった。
幼稚園も小学校も中学校も高校も、入学する時には同じ学校に2学年上の先輩として姉がいたから、何をするにも安心だったし、顔が広い姉の弟として沢山の先輩に可愛がってもらった。
お互いが高校生になるまでは、家でよく喧嘩していた気がする。
面倒見が良い姉と、それを鬱陶しがってしまう俺と。性別の違いによる感性の違いもあって、意見が行き違う事も多々あった。今では何で喧嘩してたのかも思い出せないけど
結婚式の時に渡してくれた手紙にも、沢山喧嘩したよねと書いてあった。今では仲良くなれて嬉しいとも。
大学時代も、僕も姉もたまたま同じ神戸に進学したから、同じような安心感があった。
僕が風邪をひいてどうしようもない時とか、食あたりで入院した時、がんが見つかって入院した時にも一番近くで看病してくれたのが姉だった。
本当に感謝している。
そんな姉が結婚する。
目に見える何かが変わる訳じゃない
でも、不可逆な変化が起こった実感もある。
この春から横浜に引っ越したのもあって、物理的な距離と共に、会う機会も減って心理的な距離も徐々に広がった。
今までみたいに風邪をひいても、すぐにかけつけてくれることはない。
新しくできた家族のことで付きっきりにもなるだろう。
そういう事を考えると
自分がどれほど姉を頼りにしていたのかを思い知る。
とっくに姉の手なんか借りずに生きていたつもりだったけど、弟はいつまで経っても弟のままで。
今まで助けてもらった分のお返しを、どれほどできたのかも分からない。
だから、これからは、
自分が姉に頼ってもらえるようになりたいと思う。
新しい家族のもとで始まる新生活。
不安になったり、困ったりする事も沢山あるだろう。
そんな時にふらっと帰って来れる家族でいよう。変わらざるを得ない姉のためにも、変わらない関係でいられる家族でいよう。
そんな事を結婚式を泣きながら見て、思った。
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