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「感染9億人」でも混乱は起きていないが、それでも中国には残念なことがあるという話

こんなニュースが流れてきました。

中国でのコロナの感染者が、すでに9億人を上回っているのではないかという話です。一見して、ものすごい数字です。

最初のニュース元とされている経済観察網の記事がなぜかネット上では読めない(404になっている)うえ、僕が調べた限りではそのニュースで引用されていたという「北京大学国家発展研究院」という機関のレポートも見つからなかったので、その内容は2次引用の記事などからしか知ることができません。

いちおう中国語圏に出ているそれらのニュースの内容によると、現在公開されている感染数をベースに、医療資源の利用率や全国へのアンケート調査などを通して数字を出した結果、すでに9億人が感染を経験しているのではという結論に至ったということです。アンケート調査では、回答者の80%が直近で高熱の症状を経験したという回答があったそうです。

1次情報にあたることができていないので、これらの結果がどれほど信用に足るものかという判断は、僕にはできません。

ただ、9億人が既に感染済みというのは、体感に一致します。9億人といえば、仮に中国の人口を14億人だとすればおよそ65%ということになりますが、それぐらいの人が感染済みであってもまったく不思議はありません。

いま僕の周囲の人々の間では、まだ感染していない人を探す方が難しいくらい、ほとんどの人が感染を経たか、いまも症状を抱えているというような状況です。半分以上が感染を経験というのは、それほど現実とかけ離れてはいないのではないかと思います。

仮にこの「9億人」がそれなりの精度で正しいと考えた場合、見えてくることがあります。

それは、感染がそれだけ広がっていても、中国の社会は大きな混乱なく過ごせている、ということです。

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