「#細かすぎて伝わらない中国あるある」を考えました

Twitterのハッシュタグで「#細かすぎて伝わらない中国あるある」をひとり孤独に考えていました。自分としてはわりといいのが思いついたと思っているのですが、「これ、中国に詳しくない人にはなんのこっちゃわからないだろうな」と思ったので、ここにいくつか解説を書いておきたいと思います。

①計り売りのおばちゃんとの連携

中国のスーパーや市場などでは、パックや袋に詰められた野菜や果物はそれほど多くなく、バラで積まれているものを自分の好きな量だけ取り、その重量を計ってもらって買う形式が中心です。肉や野菜なども同様です。値段は通常1斤(jīn)=500gいくら、で計算します。

スーパーには専用の計量所があり、従業員に野菜なり果物を渡すと重量計に乗せて重さを計ってくれるのですが、この時にスムーズに計量を済ませるためにはその従業員(おばちゃんが多い)との連携が非常に重要になります。

まずカートに入っている野菜を整理しておき、計量すべきものを一箇所にまとめておきます。一つのモノの計量が終わったらすぐさま受け取り、次のモノを渡していきます。左から渡し右から受け取る、という流れを作ることがポイントです。受け取ったものをカートに戻すときに未計量のものと混ざらないようにする、たまにある量る必要のないもの(個数計算になってる)を渡しておばちゃんをイラっとさせないように事前に把握しておく、などの工夫も必要です。

これがうまく行ったら、流れるように大量の計量を捌くことができ、脳内麻薬的なものが大量に出ます。快感です。おばちゃんとの距離も心なしか縮まったような感覚が得られますが、たぶん気のせいです。

②超難読単語「出租车」

「出租车」(chūzūchē)はタクシーやレンタカーを指す言葉ですが、発音が異常に難しい単語として知られています。以下のような、こと日本人にとって難しい要素が詰まっているからです。

・そり舌音(ch)とそうでない音(z)を行ったり来たりしなければならない
・有気音(ch)と無気音(z)を行ったり来たりしなければならない

・アクセントが全て一声で、力をこめて話さないと意外とブレる
・最後の「e」が日本語にない母音で、うまく発音できない

そのため、駅でタクシー乗り場の場所を聞こうと「出租车站在哪里?」などと言おうとしても「つーつーちぇーちゃんざいなーりー?」と小慣れない発音になってしまい、「は?」という顔をされてしまうのです。

とはいえ今時は便利になったもので、わざわざ聞かなくても案内板はそこかしこにありますし、そもそもタクシーを使わなくてもスマホから滴滴(シェアライドサービス)で車を呼ぶことができます。そのため「出租车」が言えなくても困ることはそんなにありません。テクノロジーの勝利です。

③理想の生き様、保安のおっちゃん

中国では多くのマンションや会社、工場の入り口などに「保安」(bǎo’ān)と言われる警備員が常駐しており、人の出入りを管理しています。

この保安ですが、中には本当にちゃんと人の出入りを見ているのかどうか怪しいような人もいます。ザルやんけ……というぐらいに好き勝手に人を通していたり、全く仕事をせずにスマホに熱中していることも珍しくありません。

思わずマンションの管理会社などにクレームを入れたくなりますが、もしクレームを受けたとしても保安のおっさんは全く意に解さないかもしれません。なぜなら、保安の仕事は不動産や投資などで大幅に儲けた人が暇つぶしや社会保険を目当てにやっていることが多々あり、その辺の勤め人よりもよっぽど多額の資産を持っているケースが珍しくないからです。当然、怒られようがクビになろうが痛くも痒くもないでしょう。遊んでいるように見えるスマホの画面をよく見ると、デイトレードに興じていたりします。

社畜根性が抜けない日本人ワイからすると腹が立つやら、羨ましいやらです。

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以上、中国に詳しくない人のために、細かな中国あるあるについて解説してみました。またネタが溜まったら書こうと思います。

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