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中国の楽譜を見て、長く住んでても知らないことばっかりだなと思った話

先頃の日本では、習近平国家主席の思想を学校で学ぶことが義務化されたというニュースが話題になっていました。そのための教科書までできているということです。

といわけで、せっかくだから読んでみたいと思い買ってきました。写真は小学校低学年向けですが、この他に小学校高学年向け、中学生向け、高校生向けがあり、ぜんぶ買いました。

これらの内容についてはじっくり読んでからまたnoteに書こうと思うのですが、僕がまず目を奪われてしまったのは、この小学生向け教科書の3ページ目にあった中国国歌(義勇軍行進曲)の楽譜らしきものです。

「らしきもの」というのは、一見して楽譜であるということは何となくわかったものの、それがどういう法則で書かれており、どう読めばいいのかさっぱりわからなかったということです。こちらをご覧ください。

歌詞の上にもれなく数字がついていることから、数字が音階を表しているのであろうことはなんとなく想像がつきましたが、それがドなのかレなのか、どの音階なのかがわかりません。あと、数字の周囲についている線や点、記号などの意味もさっぱりです。

Twitterに投げかけたり、自分で調べてみると、これは数字譜という楽譜の表記法であることを知りました。中国語では「簡譜jian pu」というそうです。

この百度百科やTwitterなどでいただいた情報を総合すると、音階については左上の1=〇が音階の基準になるようです。上の楽譜の場合は1=Gと書かれているので1がソ、その後は2=ラ、3=シ、4=ドと続きます。0は休符です。

そのほか数字の上下につく点は音の高低(下の点はオクターブ下、上の点はオクターブ上)、下線は音の長さ(一本線は8分音符、二重線は16分音符)、数字の横についている点は付点を表すということです。

これらを踏まえて、楽譜を見ながら中国の国歌を改めて聞いてみると「おお、確かにこの通りになってる!」と感動してしまいました。

聞けばこの数字譜は明治時代くらいまでは日本でも普通に使われていたものであり、現代でも二胡や古琴などの楽器を学んでいる人は目にする機会があるそうです。恥ずかしながら全然知りませんでした。

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さらに、嫁に聞いてみたところ、小学校の頃の音楽の教科書にはやはりこの数字符が使われていたということです。嫁は苦もなくスラスラと読んでいました。おそらく、義務教育を学んだ中国の人にとっては常識の範疇に入ることなのでしょう。

僕は中国に来て5、6年ほど過ごし、中国人と結婚したことによってだいぶ中国人の生活のことや習慣、常識について知るようになったという自覚だったのですが、しかしふと考えてみると中国に来てから楽譜を1枚でも見たことがあっただろうか、と思い至りました。たぶん、一回もありません。盲点というか、こんなところにも違いがあるのだな、と驚かされます。

滞在年数だけはいっちょまえに重ねていても、やっぱりまだまだ知らないことの方がいっぱいあるんだな、と思い知らされるような出来事でした。

とりあえず学んだばかりの数字譜をもとに中国国家を高らかに歌い上げ、これからも謙虚に中国のことを学んでいこうと思います。嫁はうるさいと怒っていますが知りません。

今日はそんな感じです。ではまた明日。

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