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「塾禁止・宿題削減」で中国の教育はどう変わったのか? 子育て中の中国人に聞いてみた

少し前ですが、野本響子さんが中国の教育改革について書いていました。

去年、中国では教育費の高騰などを背景に、学習塾に対する大幅な規制と、学校が過剰な量の宿題を課すことへの制限が入るようになりました。同時に、芸術やスポーツなどを含む全人格的な部分が教育において重視されるようになってきたらしい、という流れがあります。

教育規制が始まった当時は、日本でも大きなニュースとして扱われました。

改革が始まって1年あまりが経ち、実際に中国の教育現場はどのように変わったのでしょうか。

……とはいいつつ、僕は子育てをしているわけでもなく、教育関係の仕事をしているわけでもないので、実情がいまいちわかりません。そこで、タイトルにもあるように当事者に聞いてみることにしました。

このnoteでは、中国の教育の現場がいまどうなっているのかについて、実際に子育てをしている中国人の友人から得た話をインタビュー形式でまとめてみたいと思います(複数の人から聞いたことを、一人へのインタビューとして再編集しています)。

よろしければ、中国の教育の現場の一端を知る手がかりとしてお読みください。

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——まず、例の政策後に大きく変わったことはありますか?

宿題が減ったというのは本当です。学校の先生は仕事が減って楽になったそうですが、親と子どもの負担はあまり変わっていないか、むしろ増えたような気がします。

——宿題が減ったのに、なぜ楽にならないんですか?

やっぱり、みんな高考(大学入試試験)の対策をしなければならないという気持ちが強いんです。むしろ学校や宿題で勉強する時間が減ったので、自分で勉強するか、課外で勉強を教えてもらうしかありません。だから大変なんです。

——そうなんですね。しかし「課外」とは言っても、例の政策後には学習塾も規制されてしまったと思うんですが、どうやって勉強してるんですか?

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