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中国・西安のロックダウン経験者にいろいろ聞いてみた

先日、去年の12月から続いていた陝西省・西安市でのロックダウンが解除されました。市単位の大規模なロックダウンはパンデミック初期の武漢以来で、約1300万人が影響を受けました。

ちょうど西安に住んでいる知り合いがいたので、ロックダウン中の生活は実際どんなものだったか、話を聞いてみました。中国におけるロックダウンの実態の一部や、それを住民がどう捉えているのかを知る手がかりになるのではないかと思います。

その人は李さん(仮名)という女性で、もともと夫とお子さんとの三人で暮らしていましたが、夫の出張中にロックダウンが始まり、お子さんと二人でのロックダウン生活となったそうです。

さて、その生活はどんなものだったのでしょうか。以下、ご覧ください。

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——ロックダウンが始まることをどうやって知りましたか。知った時は、どう思いましたか。

スマートフォンのニュースで、政府によるロックダウンの発表を読んで知りました。

でも、その前から毎日感染者が増えていて、幼稚園が休園になったり、大規模PCR検査もしょっちゅう行われたりしていたので、そろそろロックダウンになるんじゃないかと薄々感じてはいました。だからニュースを見た時は、「ああ、やっぱり」と思いました。

——ロックダウンが始まってからは外出制限があったと思うのですが、それはどのようなものだったのでしょうか。

私の住む小区では各家庭ごとに、1日おきに一人だけ買い物のための外出が許可されていました。

政府の指示で小区の管理会社から許可証が発行され、それが各戸に配られて管理されました。外出の際にはその許可証が必要です。小区の出入り口の管理人員によって部屋番号、外出者の氏名、出た時間と戻ってきた時間が記録されます。仕事などで外出することはできませんでした。

——買い物などは大丈夫でしたか。

私は小さい子どもと二人だったので、外出許可証があってもなかなか外に行くことができませんでした。

でも、ロックダウンになりそうだと予測して少しずつ食料を買い溜めしておいたので、ほとんど不便はありませんでした。ほしいものがある時は、同じ小区の知り合いが買い物に行く時に、ついでに買ってもらったりもしました。

あと、オンラインで注文したものも担当者が玄関まで配達してくれたので、必要なものは普通に手に入りました。買い物に大きな影響はなかったですね。

——お子さんのことで、ロックダウン中に困ったことはありますか。

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