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「不給国家添麻煩」(国に迷惑をかけてはいけません)に思うこと

新型コロナウイルスによるパンデミックが始まって、まだそれほど経たない頃。街中で見かけたある文言が、とても印象に残っています。写真があったのでご覧ください。

それは、とある幼稚園の門の電光掲示板に流れる、ウイルス感染への警戒を呼びかける標語のうちのひとつでした。「不給国家添麻煩」とあります。意訳すれば、「国に迷惑をかけてはいけません」というような意味になるでしょうか。

今日はこれについて考えてみます。

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この「不給国家添麻煩」は、その後も「頻繁に見られる」というほどのレベルではないにしろ、感染対策の徹底を呼びかける際のフレーズとして、しばしば出現しています。

これはパンデミック開始直後の人民日報の記事タイトルです(リンク自体は転載ですが。大元の記事はネット上では発見できませんでした)。

そのほか、用例集のようなものもありました。すべて、パンデミックにおける感染対策に関する文脈で用いられています。そのほかにもこのフレーズで検索すれば、コロナ対策の文脈でこれが用いられているのを数多く見つけることができます。

僕にとってこれらのフレーズが印象に残っているのは、やはりそこに感じた違和感が理由です。

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