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甥の世話にかかる雑感

諸事情あって、嫁の実家に来ています。

毎回こうやって帰省をするたびになんというかその、気を揉むというか、大変というか、文化の違いとは大変なものであるなあと実感させられることしきりです。婉曲的に表現していますが、つまり端的に言ってしんどいのです。

なかでもしんどいのが、甥の世話です。

義姉夫婦の子である甥っ子は基本的に義両親、つまり甥っ子から見ればおじいちゃんおばあちゃんの元で育てられています。以前にも書きましたが、今もわがままと甘やかされがますます加速していて、目に余るような暴れっぷりを見せるようになっています。

・日中は金切り声を上げ続ける

・欲しいものはなんでも買い与えられているのか、似たような無駄に光る乗り物系のおもちゃが何台も(トップ画像参照)

・ご飯を食べる時に座らない。ずっとウロチョロしているので、全然食べ終わらない

・椅子を持ち上げて床にぶつけ、ガンガンと大きな音を立てる

・夕方ごろに長時間寝て、夜10時ごろに起き出してまた金切り声

などなど。義両親はそれでも何も言わず延々と世話を焼いています。よく疲れないな、と思って見ています。

少し前まではそんな甥っ子を叱る僕に「子どもなんてそんなもんだから、あんまり強く言わないで。親戚の印象も悪いし」と言っていた嫁も、今回ばかりはかなり参っているようで、絡みつく甥にうんざりしながら「煩死了」(めんどくさい、しんどいの最上級のような表現)ということまで飛び出す始末です。

「なんでも好きなようにさせて……こんなの教育じゃないでしょ。それに、私たち自分の子どもにはなんにもさせてくれなかったくせに」と、愚痴のようなことも言い始めました。

先日、「子どもを親に預けるのは抵抗がある」と語っていた中国人エリート君の懸念の意味が、わかったような気がします。

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しかし、そうやって暴れている甥っ子を見て、ふと思ってしまったことがあります。

「もし自分に子どもができた時も、こうやって子どもに「やっちゃいけないこと」「するべきではないこと」を探して、注意するばっかりなのか?」と。

思えば、僕は彼のいいところや、褒めるべきところを見つけられていません。目に余る暴れっぷりで、ついつい注意したくなることばかり目についてしまいますが、彼にも成長したところや、得意なことがあるはずです。

「やっぱり中国の年寄りの教育方針は……」と大きな話を嘆いてみせるより、まずはこの子自体をもうちょっとよく見てあげるべきなんじゃないのか? なにより、自分に子どもができた時にあれはダメ、そっちは危ない、これは不適切、とマイナスを抑えるだけでいいのか? プラスになることを見つけて褒めたり伸ばしたりしてあげるべきなんじゃないのか? そんなことを考え始めました。

まだ滞在時間はあるので、今回はこの子のいいところを一つだけでも見つけてから帰るようにしよう。それが、自分に子どもができた時に褒めてやる練習になるはずだ。

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などと考えていたら、今度は甥っ子が僕がパソコンを置いて作業しているテーブルにバスケットボールをガンガンぶつけ始めました。

……やっぱ、褒めてやるのやめとこうかな。

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