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いまさら言えない、僕のテキトーな中国語(と、そんな僕でも気をつけていること)

中国に暮らしてもうそろそろ10年。中国語も覚え、日常生活や仕事では困らない程度の中国を使いこなせるようになりました。

……と、よくnoteに書いたり、人に言ったりしているのですが。

それだけ長く中国語を学び、運用してきたにも関わらず、実はいい加減に済ませている部分や、よくわからないまま流してきた部分が、主に発音の面でたくさんあります。本日はそんな、僕が適当にごまかしてきてしまった中国語の要素について白状するつもりで書きます。

「これらの要素は無視しても中国語はできる」と暴論をぶちあげたいわけではありません。ただ、巷でよく言われる「中国語は発音がダメだと通じないよ!」ということに強迫観念を持っている中国語学習者の方に、「なんだ、こんなに適当でもそれなりに中国語を使って生活できてるのかー」と、肩の力を抜いてもらうためのものにできたら幸いです。

では始めます。

適当な要素①:無気音と有気音

たとえば「ji」「qi」「bo」「po」など、無気音(呼気を伴わない、息を吐かない)と有気音(呼気をともなう、大きく息を吐く)で区別されるピンインの発音がありますが、僕はこの区別に自信がありません。どちらも無気音のように、一緒くたに発音してしまっているフシがあります。

これは、実際に中国人の中国語を聞いているうちにそうなってしまいました。教科書や教材動画などでは有気音のとき、わざと強く息を吐いているものが多いように思うのですが、実際の運用ではかなり区別が曖昧で、そこまで強い発音にはなっていません。

なので真似しているうちに、この区別をほとんど気にしなくなってしまいました。それでも通じてしまうので、中国人のみなさんに甘えている形です。

ただ弊害として、パソコンやスマホで中国語を入力する時にピンインがわからず、手間取ってしまうということがあります。たとえば「蒸」「cheng」だっけ、それとも「zheng」だっけ、ということがしょっちゅう起こります(正解は「zhēng」)。みなさんはこうなってはいけませんよ。

適当な要素②:「-n」と「-ng」

日本人は意識せずに使っているため(「案内」と「案外」とか)に、逆に習得が難しいとされる鼻母音、すなわち「n」と「ng」の区別も、正直ほとんどできてません。正確には、ゆっくりであれば一応使い分けはできるし聞き取ることもできるのですが、どの字がどっちだっけ、ということがいつまで経っても覚えられないので、もう諦めて曖昧にしているという感じです。

たとえば、中国語の「振」の発音は「zhen」なのか「zheng」なのか、僕はいま調べるまでわかりませんでした(「zhèn」でした)。これも中国人が普通に話しているのを聞いてるとほとんど違いがわからないので、もういいやとなってしまった感じです。

悪いことにスマホの入力なんかだと「n」と「ng」の区別が多少できていなくても予測変換でなんとかしてくれたりするので、いよいよ覚える気になりません。テクノロジーにも甘えています。

あ、でも母音の「-an」「-ang」は聞いた感じが結構違うので、さすがに使い分けてるかなあ。たとえば「烟」(yān)と「央」(yāng)はちゃんと使い分けています。もしかしたら、そもそも何が違うのかちゃんとわかっていないかもしれません。

適当な要素③:軽声

白状しますが、これまで中国語人生で軽声というものの存在を意識したことがほとんどありません。具体的には、「この単語のこの部分は軽声で、つまり弱く短く発音するんだな」という気持ちになったことがほぼありません。

たとえば「名前」を表す「名字」(míngzi)は、正確には後ろの「字」が軽声になっていますが、僕は「字」のもともとの読みである「zì」と思いっきり声調をつけて読んでいます。これも「どの単語の場合、どの字が軽声に変化するのか」というのをどうしても覚えられないため、思い切ってガン無視することにしています。

これも言い訳すると、中国人でも軽声を意識してる人ってほとんどいないように僕には見えています。たとえば「东西」という単語は「dōng」と声調をつけて読むか、「dōngxi」と軽声にするかで意味が異なるそうですが(前者は方角の「東西」、後者は「もの」)、こんなこと中国人だって知りません(嫁は知りませんでした)。

そんなことを外国人が気にしてもしょうがねえ、と振り切ったままここまで来てしまいました。学習者として正しい姿勢ではないのでしょうが、もういまさら矯正もできないし、たぶん一生このままだと思います。

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と、「こまけぇことはいいんだよ」とばかりにいろんなことを無視して中国語を運用しているのですが、幸か不幸かそれでも生活はできてしまうので、こんないい加減な人間になってしまいました。手本にすべきではないですが、気楽に構えるための事例として知ってもらえればと思います。

さて、以下はそんないい加減な僕でも中国語を話す際にこれだけは気をつけている、あるいはおろそかにしていない自信があることを書いていきます。逆にこれさえ押さえておけば、僕のように「とりあえず使える、生きていける」中国語を話せるようになるかもしれません。

大切にしている要素①:声調

さっき「軽声をガン無視している」と書いたばかりの人間が胸を張っていえることではないのですが、一声・二声・三声・四声、つまり音の高低としての声調はかなり意識して守っています。

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