中国のクリスマス、むしろ盛り上がってね?という話と、中国における「〇〇禁止」のレイヤー
今日はクリスマスですね。
中国とクリスマスといえば、例年この時期には「中国ではクリスマスは禁止!中国でますます強まる思想統制!」という論調の記事やSNSの投稿がちらほら見られます。しかし、それらは基本的にごくごく一部の例を取り上げたにすぎず、基本的には珍説の域を出るものではありません。
そんな話は、これまでに何度か書いてきました。
で、今年の中国のクリスマスについて。
あくまで個人的な印象ですが、中国のクリスマスはこれまで以上に盛り上がっているような気がしました。
昨日(24日)は嫁と一緒に外に出かけたのですが、いろんなところでクリスマスの飾り付けや、クリスマス用の商品を見かけました。
中国ではもともとクリスマスが習慣として定着しておらず、認知されるようになったのはわりと最近(ここ20年くらい?)だといいます。
僕が中国に来たのはクリスマスが輸入され始めてすでにしばらく経ってからの時期ですが、その時はいまほどクリスマスへの関心は高くなかったように記憶しています。
クリスマスの時に起きる変化といえば、近所のパン屋の壁にやたらと濃い顔のサンタクロースのステッカーが貼られて、クリスマスケーキがちょっと売られるようになるくらいでした。
しかし、気がつけばこの濃い顔のサンタはあまり見なくなり、かわりに小洒落た雰囲気のクリスマスムードが街に漂うようになっていました。嫁も「昔はこんなんじゃなかった」と言っています。
僕が住んでいるのは片田舎なので、ひょっとしたら都会のほうではとっくにこうなっていたのかもしれませんが、とにかく年々クリスマスが洗練され、多くの人にアピールするものになっている印象です。
そんなわけで、中国のクリスマスは禁止どころか、むしろ前より受容が進んでるんじゃね? ということを現場からお伝えしました。
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……というだけでは味気なく、文字数も不足気味なので、中国で「〇〇は禁止」というときの濃度というか、そのレイヤーのことについて書いてみたいと思います。
中国において「〇〇が禁止」されるというとき、その内実にはさまざまなレベルが存在しています。たとえば「クリスマス禁止」に関していうと、「町内会のめんどくさい人が騒いでいるだけ」というレベルの話です。
「〇〇禁止令」に限らず、いまの中国では「上」への忖度や成果のアピール合戦として、政策などの取り決めが行われているフシがあります。
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