セレブロをもっと評価されるべき
「セレブロ」をご存知だろうか?
ウルトラマンZに登場したいわゆるメイン悪役で、様々な生命体に取り憑く寄生生物である。
先日ウルトラマンブレーザーの最終回を見終えて感想を書いた。
ニュージェネにとって切っても切れない縁になったヴィラン枠について触れると必ずと言っていいほどセレブロを取り上げたくなるので、じゃあせっかくだから改めて自分の考えまとめとこうか、と思った次第。モチベ消えませんように…
⚠️ニュージェネの作品群を扱う都合上、他作品と比較した上で意図的に他作品下げをします。
言うまでもなくあくまで個人の感想であり、演じた俳優さん方の否定ではなく制作スタッフに対しての苦言なので、苦手な方は賢くお引き取りくださいまし…⚠️
作中の動向のおさらい
まず何と言っても作中での立ち回り。
序盤ではカブラギシンヤに寄生して光の国から強奪したゼットライザーを使い、独自に作り出した怪獣メダルを使って暗躍する。
テレスドンにジラースメダルを飲ませてエリマキテレスドンにパワーアップさせたり、ベリアル因子を持つウルトラマンジード=朝倉リクを拉致してベリアルメダルを製造することでベリアル融合獣に変身するなど。
後半戦の2クール目に入ってもブルトンを召喚し最悪の怪獣グリーザを呼び寄せてしまう、借りパク野郎ー!と叫んでメツボロスに強化させる等、相変わらず場を引っ掻き回した…と思ったらそのまま行方をくらましてしまった。
かつてウルトラマンオーブでそれこそヴィラン役、後のニュージェネにてジャグジャグ枠と称される程爪痕を残したジャグラスジャグラーがゼットで再登場し、セレブロ同様に立ち回っていただけに
「セレブロいらなくね?」
「ジャグジャグがメイン悪役ww」
と、当時放送中のSNSではセレブロの存在に対して否定的な声がかなり多かった。いや本当に。
当時視聴していた自分はその時真っ先に察した。「これ絶対ジョジョの吉良吉影みたいに暗躍するやつだ…!」と。
厳密には暗躍、というよりかは「日常生活に殺人鬼が混じっている恐怖」。
それまでいろんな作品の悪役・ボスと呼ばれるキャラクターを見てきた自分にとって堂々と敵対するのではなく、あの背筋をツーっとなぞられたかのような、常に拳銃を突きつけられるかのような気味悪さが斬新で堪らなく好きだった。何処となく洋画のホラー?のような。
実際に再登場したセレブロも宿主を転々としては防衛隊:ストレイジにとって権力を持つクリヤマ長官にいきつきストレイジを解散。
終盤で明確にラスボスになった時にはSNS上で否定していたのに手のひらくるっっっくるした人らに対してそれ見たことかーーー!と胸ぐら掴んで1人1人聞き出したい衝動に駆られるぐらいには昂っていた。虚しいマウントとりである。
好きな部分
①:特異性と脚本
そんなセレブロというキャラを好きであり続けているのはやはりニュージェネでも珍しい先に挙げた立ち回りと同時に、あのジャグジャグを隠れ蓑にした構成の上手さ。
ただでさえ過去作の人気キャラクターが防衛隊の隊長という信じられない役割に収まっているので必ず意識はジャグジャグに向けられている。
意識を逸らした上で死角からの不意打ち。
まるで手品みたいな構成が心地よくてずっと浸かっていたい。
ちなみに似たような存在がゼットからたった2年前のウルトラマンR/Bに登場してはいる。
愛染マコトに憑依していた憑依生命体のチェレーザである。
愛染のオーブ由来のウルトラマン厄介オタクのキャラは嫌いではないが、後半のジャグジャグ枠である美剣サキと入れ替わるように退場。
本体のチェレーザはガス状の生命体なんだし、その内再登場して美剣に復讐する回だったり逆に美剣に憑依しようとする回があるんだろうなーと予想していたのに換気扇に吸われてそれっきりの退場だった。
観ていて「は??」と思ったのを覚えている。
チェレーザ自体かなり珍しい特殊なキャラなだけに活かすことなくそんな雑な退場するんだ…と当時不思議に思った。換気扇で分解されたの??施設外にただ追い出された訳じゃなく??
なのでセレブロの活躍はチェレーザで見たかった描写を見せてくれた、というのも込みでより満足している節もある。
②:塩梅と同時期の悪役と比較
加えてセレブロが介入する塩梅。
もろにジャグジャグに影響されたであろう翌年の伏井出ケイにそもそも制作陣が扱いに悩むR/Bのジャグジャグ枠2人、後付けが盛られすぎで自身の中での好きと嫌いが過度に対立しているトレギアとジャグジャグに依存しているように思えた。
おまけにウルトラだけでなく仮面ライダー。
エグゼイドではゲンムにクロノス、ビルドではエボルトとやたら引っ張る悪役が集中していてとにかく鬱陶しかった。
同時期の悪役の本筋に絡む塩梅が不満だったのも後押ししているように思える。
少し余談でウルトラにおいての悪役。
ニュージェネで一貫して登場する悪役以前にも勿論存在はしている訳で。
一貫した初の悪役といえばやはりウルトラマンAの異次元人ヤプールだろう。
地球に存在する生物と宇宙怪獣、異次元生物を合成した怪獣より強い「超獣」を地球へ幾度となく送り込む侵略者。
たまに怪獣や宇宙人が登場するものの基本的には超獣を相手にするのだが、全てがヤプールの配下という訳でもない。
何ならヤプール自体は中盤にて一度消滅するがその後も超獣自体は毎週出現するし、その辺の宇宙人が使役していたりする。
「野良超獣」だなんて一部では言われたりもする。
他に一貫した悪役で印象的なのはウルトラマンコスモスのカオスヘッダー。
怪獣だけでなく不法投棄されたゴミだとか生物問わず憑依、コピーすることで怪獣を凶暴化させるなど物語を通して人類の脅威となる光のウイルス。
カオスヘッダーもヤプール同様に本編全話に出ずっぱりな訳ではなく、全く関係ない怪獣だとか地球侵略を企てる宇宙人だけの回も割とある。
別に過去のウルトラシリーズにいたからという訳でもジャグジャグ枠を否定する訳でもなく、適度な登場数を見定めて本編に盛り込んでほしいという願望が強い。
総合的にバランスの良い上質な作品が観たいのであって他の設定やキャラの掘り下げ、描写に費やせる尺を食い潰してまでやることなの?という問題提起。
2クールに短縮されたニュージェネでは難しいかもしれないが、だからこそ冗長的にせずメリハリを魅せてほしい。
③:俳優さんの熱演
最初にセレブロが寄生したカブラギ役の野田さんは役作りにもこだわった。
宇宙生物に寄生された人間の役であることから動物園に赴いて身体の動かし方や目の動かし方を研究した。
確か作中では瞬きをしなかったり、外面は人間でありながら文字通り不気味な身体使いをパッと見ただけでも伝わるのは素晴らしかった。
基本的にダボっとした作業服を着ているので分からなかったが減量もしたそうな。
カブラギは人間性を把握する前に最序盤から寄生されたので カブラギ=セレブロ の印象が強いが、逆に以前から登場していた長官の小倉さんやヨウコの松田さんは本来の立ち振る舞いを知っているだけに寄生後の演じ分けがより際立つのも良かった。
特にヨウコの松田さん。
若いのに演じ分けが強烈で、計画の最終段階に至った時のセレブロだったのもあり狂喜する演技が本当に怖くて感服した。俳優さんってすごい。
セレブロはもっと評価されるべき
最近だとアメコミから影響を受けたのかウルトラマンでも「ヴィラン」という言葉が浸透してきたり、ダークネスヒールズなるものも年々勢力を増しているウルトラマン。
他作品の悪役に比べたら登場頻度は少ないものの、だからこそ1人?1体?のキャラクターとして印象に残るセレブロの良さを風化されないでほしい…というお気持ち表明が以上の長文でした。
何ならゼットで防衛隊が復活したのに翌年からまた悪役に無駄に尺を割いた結果おざなりな部分が続いていたので余計に…ね。ギャーギャー騒ぐファルコンちゃん女、とにかくやかましくてやかましくて…結局何だったの??
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