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ベンチャーで働く前に絶対に知っておいて欲しいマインドセット

最近では、スタートアップ、ベンチャーが至るところに誕生して、言い方は良くないですが、やる気さえあって選り好みしなければどこかしらのスタートアップ、ベンチャーでインターンor社員として働くことができると思います。

ただそんな中で会社にとっても個人にとってもwin-winな関係になることが一番大切だと考えています。今回はそういった観点からスタートアップで働く前に知っておいてほしいことを書いてみました。

(0)スタートアップに大切な3つのこと

僕が重要だと思ったのは、運と経験と創業者の熱量の対象がマッチするかです。いくら創業者の熱意が高くても、思いつきでスタートしタイミングが合わず失敗するケースはどうしても存在するでしょう。

逆に、時代に合わせてサービスを設計したものの、創業者の気持ちが高まらず失敗するケースも多くあると思います。確率的に、スタートアップが成長を続けるためには、様々な試行錯誤の中で自分が高い情熱を注げるサービスや製品を探し当て、それが時代にピッタリと合ったとき、そのビジネスは圧倒的な成長を成し遂げるのではないかと考えています。

つまり、スタートアップの成長には運と創業者の熱量とマーケットの対象が揃い、それを実現するためのメンバーが必要不可欠ということと考えていいのではないかと思います。

今回のnoteは起業家向けではなく創業メンバー〜シリーズAに向かう中でジョインするメンバーを対象に書いています。

(1)その問題を問題と捉えるのかの基準やチェック項目を自分で作らないといけない

スタートアップには大手と違う点が、①人員不足により大量のタスクや課題が存在すること②そして数ある問題の中から「問題を問題と認識するのか、しないのか」つまり、やるべきこととやらないことを分けることがとても大切になってきます。

ここで、大手企業など組織やサービスが出来上がっている会社であれば、撤退基準やルール、予算、危険数値なども長年の自社のデータによりある程度基準やルールがありますよね。

ただ、スタートアップであれば自分たちでチェックリストやルールを作り、「その問題を問題と認識するのか、しないのか」ということを決めていく必要があります。

(1.5)仕事内容や優先順位は全て自分が決めること。「何をやったら良いですか?」と尋ねる人は必要ない。

社員数が少ないからこそ毎日火事が発生しています。つまり全メンバーが自発的に仕事をして、消火しなければ会社はすぐに倒産します。

もし火災なんか発生していないと感じているならば、それはあなたが見過ごしているのか、あなたがスタートアップのつもりでいても、スモールビジネスの形になっているのかもしれません。

スタートアップでは、毎日「あなたがやらなければ誰もやらない」という状態です。あなたがやらなければ周りの人たちの人生が崩れ、企業が死にます。

そのため、仕事内容はザックリ決まっていながらも、その日に何をするのか、「どのような優先順位にすれば良いのか」は全て自分で決める必要があります。自発的、主体的に動けない人はスタートアップにジョインしないほうが良いです。

さらにストレッチが必要です。ストレッチ。ストレッチについては縦のストレッチ、横のストレッチがあるので、以下のnoteをご覧ください。

(2)何より最優先はPMFとユーザー獲得


スタートアップの95%は1年以内に吹き飛んでしまうとも言われています。

今回のnoteも以下の本の内容から大きく影響を受けておりますので、もし良ければぜひご覧ください。

だからこそ、スタートアップの人間は日々必死に仕事をしています(この危機感があるメンバーがどれだけいるかが重要)。売上の基盤がまだ不安定な状況ですので、何においてもまずは顧客(ユーザー)の獲得とPMFが最優先です。この点を最優先できていないスタートアップは一瞬で姿を消します。描きたいビジョンがあることはわかっています。もちろんビジョンは大切です。メンバーを大事にしたい気持ちはある。もちろんメンバーも大切です。

ただまず第一に会社の存続のほうが優先順位が高いのです。つまり売上(利益)を作る必要がある。そこをまず強く理解しなくてはなりません。そして行動に移して実現する力が必要。(ただし、キャッシュにまだ余裕がある場合もしくは相当な初期段階にはしっかりとPMFに向けて足場を固めていく必要があります。)

(3)スタートアップの休みは存在する?

スタートアップにおいての休みは、「休むことはできない」のではなく、「休むのであれば顧客と別メンバーへの迷惑は最小限にしなくてはならない」ということです。大手のスピード感の10倍、100倍で成長することが求められる世界です。そうなると必然的に大手の通常勤務の100倍は働く必要があるでしょう。

ただ一切休むなとは言いません。CEO以外は少しくらい休んでもいいでしょう(周りをよく見て、どうすれば一番迷惑がかからずに休めるのか自分で探してみてください)。ただここで全員が全員フルコミットできる組織はとても強いですし、必ずいつか大きな花火を打ち上げる組織へと成長するでしょう。

一番大切な物のためには自分にとって二番目の物を犠牲にする必要があると思うので、休みではなく二番目以降のものには切り捨てるような考え方、つまりは没頭ですね。

(4)現実逃避が癖になってしまっている人は続けられない可能性が高いです。

あなたは火事が起きている現実を目の前にして、見過ごすことができるでしょうか??今日全ての顧客から解約依頼がくるかもしれません。そうなると最悪の場合キャッシュアウト、フィニッシュです。

そこでは、どれだけタフにGRITを持ち続けられるかが勝負です。そこには、給料や名声を目標にしていたら、いつかモチベが切れる可能性があるために自分なりにビジョンであれ、価値観であれ、覚悟であれこれなら5年、10年頑張れるというものを持っておくことが大切です。

ただ逆に言えば、才能は関係なく現実に立ち向かいGRITを持ち続ければいつかきっと道が開く世界で、プロ野球の世界などと比べると努力でなんとかなるという魅力に溢れた世界だという捉え方もできると思います。

(5)スタートアップに転職、就職してよくある失敗

・環境にあわなかった
・ステージが変わってもっと優秀な方が入ってきた
・給料が全然あがらない!
・事業が失敗、会社が清算

スタートアップは一瞬で吹き飛ぶような規模です。slackのtimes_channelでもよし、どんどん主体的に行動してみてください!世の中に進化を起こしましょう!!そして自分で担当すべきですし、それを経営陣は望んでいるのです(ただ、そういった方は本当に少ないです)。

(6)「ここまでやれば良いや」とは死んでも思わない。そして、睡魔、体調の管理も自分の能力。

これはスタートアップだから、というわけではありません。もはやアルバイトでもおなじです。自分が何か仕事を受ける時、新しいことに取り組む時に「ここまでやればもう良いか」と決して思わないで欲しいです。

自分の限界のラインを決めてしまうと、それ以上のクオリティにはならないし、何よりスタンダードを極めない限りスタンダードは超えられません。自分が限界値を決めれば会社はそれ以上に成長しないけれども、自分が伸び続ければ人数が少ない分会社も伸びると捉えても良いと思います。

 それが市場からの評価になるので、限界値を決めずにとにかくより良いものを目指してほしいのです。

 クリエイティブさ、精密さ、丁寧さ、貪欲さなどなど全てにおいて全力を尽くし続けてください。その連続がいつか必ず結果を結びます。

(7)「受け身」の姿勢の人は基本的にどれだけスキルと実力があっても無理。

とにかくスピード感。これに尽きます。どんな形でもいいから、とにかくにスピード、スピード、スピード、スピード、この限りです。スピード感もって事業を進める上で受動的な態度は一切必要ありません。そのことをしっかりと自覚しておいてください。

またチャンスは自分で見つけ、自分で取りに行くものです。そのことを忘れずに全力で毎日を必死に励むようにしましょう。頑張って褒められる世界ではありません。

結果がでてからようやく褒められる世界です。「私、こんなに頑張っているからそれなりに評価してよ!」なんて言っている間は個人としても組織としても一向に成長しないでしょう。いくらプロセスエコノミーになったとはいえ小さな成功も起こしていない会社に誰も見向きしないでしょう。

結果、結果、結果を意識して、仮説の解像度を上げにいったり、どんどん前に前に進んで、マッハで成長していくことが必要です。

(8)おいで!おいで!でどんどん人を集めない。


スタートアップの初期では、おいで!おいで!で人を集めてしまって、半年経ったころには完全に最初のメンバーがいなくなっていたり、音信不通になったりなどの話はよく聞きます。

【以下はジェネシア田島さんの引用となります】

スキルフィット以上にカルチャーフィットを重視して採用することが大切。よく発生する組織トラブルの一つに、カルチャーフィットを慎重に測ることなく採用してしまったことで、組織の雰囲気が悪化し、その対応に経営チームのリソースが取られてしまい、事業の推進スピードが大きく失速してしまいます。
これに加えてメンバークラスの採用ではなくマネジメントクラスの採用に注力して行うことの大切さが挙げられます。

整理すると、

①スキルフィット以上にカルチャーフィットが重要なのだけど、マネジメント人材には両方を求めてかつ、共に働きたいと思えるようなワクワクするような人材が必要
②CI(Corporate Identity)、つまりVision・Mission・Valueといった企業としての存在意義や目指すべき方向性、大切にしている価値観などをできる限り早く言語化しておくことで、組織としてのバリューなどを大切にする文化を創業時からある程度作っておく。これがないと何度も組織崩壊してしまいます。

なぜこのスライドを入れたかというとシリーズAに向かうまでにどういうトラブルがこの先起きてくるのかを先に知っておくとより理解が深まるからです。

(9)自分の過去を基本的には一切持ち込まないこと


自分は昔こうやったからこうしようなどなどをよく聞きます。ただスタートアップでは1週間休めば違う世界が待っているといわれるほど世界は日々激変します。
だからこそ、前の会社で良かった点や「普通」と定義している状況が良いと判断しているのであれば、会社をその状況に近づけていけば良いだけの話であって、その文句を言っても何も生まないのです。

ただ唯一役立つ経験があります。それは非連続の成長をさせた経験です。

楠田:COOを据えようと考える経営者のためにお聞きしたいのですが、どのような質問やワークショップを実施すれば「COOの適性」を見極められると思いますか?
福島:基本的にはBizDevという事業開発キャリアの選考と同じワークで良いのではないでしょうか。BizDevの上位互換がCOO的な役割だと思っており、そのプロセスはあまり変わらないです。
選考では、過去にオーナーシップを持って変えたことがあれば、その過程を聞きます。「人生で一番情熱を注いで、自分で非連続を起こしたことは何ですか?」といったことを聞くのも多いです。

その変革における立ち位置や果たした役割を聞く。あとは執行にどれだけ情熱を持って、取り組めたかを聞きますね。そのハードシングスの乗り越えかたに適性を見極めるポイントがある気がします。

次にワークサンプルとして、「この事業を非連続に変えてください」というテーマを考えていただきます。その時には、「初めの10日間、あるいは100日間で何をしますか」という実行イメージを示してもらうことが多いですね。

そこで、自分で考える癖があるのか、道のりへのオーナーシップがあるのかを確認します。方向性が正しいか、正しくないかはあまり関係が無く、スタンスの強さ、徹底して実行できるか、執着心があるか……を見ているイメージです。

楠田:なるほど。コンサルやセールスといった「前職」は、あまり関係がなさそうですね。

福島:関係ないですね。例えば、セールスで営業モデルを変えた、マーケで手法を狩猟型から農耕型に変えた、そういった非連続の経験があれば前職はなんでもいいですよね。

楠田:面白いです。今、IPOしている上場企業のCOOは、7割近くがコンサル出身者といわれますが、そういう経験に基づくからこそなんでしょう。

福島:コンサルは、本来はチェンジエージェントが生業ですからね。一方で、大企業には非連続の機会が少ない。経営企画とはまったく違う役割なので、大企業出身のCOOが少ないんでしょうね。

これからはスタートアップのエコシステムも分厚くなり、BizDev経験者が増えてきたので、彼らがスタートアップ出身の次世代COOとしてどんどん活躍していくと思います

(9)売り上げをあげれば給料は上がる。

ベンチャー企業は世の中に対して前例がないことをやろうとしています。つまり何をもって成功なのかは設定しにくいです。

評価基準、給与制度をいつ設定するのか、という議論において20〜50名程度のシリーズA〜Bの規模感になったときに設定するのが一般的です。何度も何度も言いますが、スタートアップにおいてスキルもカルチャーもフィットせずにお金目当て、SO目当てで入ってきた人は絶対に成長しません。そして、ある一点ラインを超えた際には売り上げを出せているのかどうかこれに極めます。

(12)当たり前のことを話さない


ベンチャー企業、スタートアップにとって時間は有限ですし、唯一の財産でもあります。これをどれだけ効果的に使えたかどうかで勝負が決まるといっても過言ではないでしょう。

とにかく「どういう状況でどんなユーザーがどんな課題を抱えているのか」をどんなフェーズにおいても考え続けどうすれば解決できるのか、アクションを起こし続けてください。そのためにも死に物狂いでスタートアップにはコミットする必要がありますし、アクションが起こせない人はスタートアップには必要ないといってもいいでしょう。

そんな環境だからこそ、メンバーに当たり前のことを話している人がいれば、弱肉強食の世界だからこそ厳しく注意して、全体の視座を上げることも時には必要でしょう。

大切なことは、
①当たり前の会話をして、時間を無駄にしない。
②ググればでてくることをわざわざ人に聞かない
③常に視座高く、当たり前のことを話してしまったらその時の自分を反省して、もっと自分らしさや必死さが出せるように改善すること


(13)仕事は「もらうもの」ではなく「奪うもの」

ベンチャー企業で最も仕事をしているのはCEOでしょう。現在、caddiの代表取締役社長をされている加藤さんのツイートにこんな旨がありました。

上司の仕事をどんどん奪っていけば、どんどん自分自身は成長できる。

スタートアップで高いモチベーションを持って、経営陣が抱えている仕事をどんどん奪ってくれる人は、ものすごくウェルカムなのです。正直、CEOが自分から離したい仕事はたくさんあります。ただ、「任せてください」と強い直訴をされたことはほぼありません。こちらから「これお願いできる?」と聞いてやってくれることはあります。

もしもこれやります!などと活発な組織になれば、急成長することは間違いないでしょう。ただもうひとつ上にある世界はそんなことを意識しなくても自然とできる会社のカルチャーをしっかりとつくれている会社です。


(14)資金調達をしている企業はなにがなんでも死に物狂いになるべき

ここ最近の著名なベンチャー企業はほぼ100%資金調達をしています。ベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、事業会社から資金調達をしていることが多く、数億円単位で調達をする企業が多いです。

期待をしてくれてお金を貸してくださっているためもちろん、そこに応える義務、リターンを果たせるようとにかく何日目のスタートアップであろうととにかく手と足を動かし続けましょう。以上です! 

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