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UK in a Nutshell 1 -Its History and Culture-  イギリスあれこれ ー歴史と文化ー

皆さんはイギリスと聞くと何を想像しますか?
「料理が不味い」、「建物が綺麗」、「エリザベス女王」などありますよね?今回はその中でもイギリスの地理、歴史、そして観光で行く際に是非チェックしておきたい文化の違いをざっくりとご説明します♪

1.地理

イギリスと聞くと日本と同じ「国」だと思っていらっしゃる方もいますが、正確にはイギリスは4つの「国」で構成された「連邦」です。その他にも実はコモンウェルスという共同体があります。イギリスの元植民地が自治権を得るに伴い発生した共同体のことで、その加盟国のいくつかの国では、政府はイングランド(ここではイギリスに「国」が4つと考えて、あえて「イングランド政府」とします)とは別にその国の政府が存在するものの、その国の君主に元エリザベス2世が君臨しているという、何とも日本人には理解しにくい政治体制があります。ですので、例えばコモンウェルスにはオーストラリアやカナダ、ニュージーランドその他多数の国が加盟していますが、エリザベス女王はその加盟国の全てではありませんが、多数の女王として王位を兼任しています。他方で、政府は別々に存在するという状態です。

話をイギリスに戻しますが、その中でも北アイルランド(別の国として存在するアイルランドではなく、アイルランドの北にあるイギリスの地方としての北アイルランド)とイングランドは仲が特に悪く、北アイルランドの過激派組織はイングランドからの独立のためテロ行為などを未だに行っています。観光で見るイギリスからは想像もできませんね。この辺りの歴史背景は英ドラマ「ダウントン・アビー」でも、前半の主人公の一人である三女が、お屋敷の運転手となったアイルランド人と恋仲になる辺りから、色々皮肉や疑惑を彼が受けるシーンで描かれています。そういう経緯を知ると歴史ドラマもよく理解できるようになれますね。

2.歴史

退屈な記事にしたくはないので、イギリスの歴史を長々とここでお話はしませんが、日本でも人気の英歴史系ドラマや映画を観るにあたり、最低でも知っておくとより理解が深まる部分だけご紹介します。

ヘンリー8世とイングランド国教会の成り立ちについてです。

イギリスの歴史ものドラマや映画の舞台となる時代の一つに、このヘンリー8世、及び彼の子供であるエリザベス1世、そのエリザベス1世とイングランドの王位継承権を巡って争ったメアリー1世をヒロインにした映画「エリザベス」や、「ブーリン家の姉妹」、ドラマ「REIGN/クイーン・メアリー」なども日本でも放映、放送されたため、観たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?その辺りの時代背景を理解する事で、より映画やドラマを深く理解できればいいですね。

さて、日本語ではイギリス国教会などとも呼ばれていますが、正確にはイングランド国教会、英語では"Church of England"と呼ばれています。また、その国教に属する教会の事を"Anglican Church"と言いますが、この
"Anglican"はフランス語でイングランドという意味のanglaisに似ていますね。かつて西暦1000年くらいからノルマン系の王子が即位したためその後300年程度イングランドではフランス語が公用語になっていたとのことなので、それも関係しているのかもしれません。

このイングランド国教会はヘンリー8世が創設したのですが、その理由が何と愛人と再婚するため!当時イギリスはローマ・カトリック教に属しており、離婚は出来なかったのですが、すでにキャサリン・オブ・アラゴンという正妻がいたヘンリー8世。しかし正妻が産んだ男子は早逝してしまい、後継者問題に悩んでいたヘンリー8世は、「正妻にしてくれるなら男子を産みます」というキャサリンの侍女、アン・ブーリンの言いなりになり、ローマ・カトリック教を離脱、離婚も可能なイングランド国教会を設立したのです。何ともまあ身勝手な理由ですが、後継者の欲しかったヘンリー8世はもう藁をもすがる思い、desperateだったのかもしれませんね。

でも結局2番目の后となったアン・ブーリンも女子を産み、その後自暴自棄になったのか、元々好色だったのか、ヘンリー8世は離婚(時には妻殺害)を繰り返しては新たな后に男子を産ませようと必死になりますが、結局男子は誕生しないままこの世を去ります。そして奇しくも、出産後ヘンリー8世に処刑されてしまったアン・ブーリンの産んだ女子、エリザベスが女王として君臨するのです。ドロドロしてますよね、それが映画やドラマのストーリーにもってこい、という所なのでしょう。


3.イギリスでのマナー

さて、今度はイギリスでのマナーをチェックしましょう。観光で行く分には物凄い羽目を外したりしなければ大丈夫、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はちょっとしたポイントを抑えることで、旅行をより良い快適なものにする事が出来るのです!

まず、そのポイントを説明する前に、イギリスの階級社会について少し触れておきますね。イギリスは大まかに分けて、貴族階級と労働者階級の人達がいます。日本にも元華族などの階級はありましたが、今は廃止されていますし、所謂裕福層とそうでない一般人の違いがあるくらいではないでしょうか?(そしてぶっちゃけ一般人がなにかに成功して裕福層になるケースもありますね。)

他方で、イギリスではまず学校からして貴族の子息が行く学校と労働者階級の子供が行く学校が分けられ、いくらお金持ちでも貴族などの称号を持っていないと子供は通えない、なんて事がありました。はい、かつて。今はイギリスの物価が上がりすぎて学校も私立は経営のためにお金持ちの子息を入れるケースなども出てきているようです。一時期はそれで有名なPublic School(イギリスでは私立校をPublic Schoolと言います)は裕福層の中国人だらけなんて事もあったようですが、今はどうなんでしょうかね?

話を戻しますが、そういった階級が歴然と残る社会なので、どこで何を着るか、服のTPOとでも言いましょうか、見た目、服装は日本よりもあからさまな対応の違いを生み出すのです。

例えば一般市民の憩いの酒場であるPubで立ち呑みしたり、Pub飯を食べる程度であればジーパン、スニーカーにTシャツなんて格好でも誰も気にしません。が、日本人の観光の定番ハロッズやフォートナムメイソンでアフタヌーンティー(ちなみにイギリスではHigh Teaと言います)をする、ちょっとお洒落にロンドンのサヴォイ・ホテルでランチでもしてみようかな?なんて場合もあるかと思います。

が、市内観光もするし、博物館や美術館も周るから動きやすいカジュアルな服装で行って、高級店だけどちょっとお茶だけにしておこう、なんて場合でも、ここにTシャツ、ジーンズで行ってはいけません!上の絵のように中世のドレスを着る必要はありませんが(笑)、ちょっとしたフォーマル服で行きましょう。何なら午前中に観光して、ちょっと汗ばみもしたら一度宿に戻って、着替えてからタクシーで乗り付けましょう!何故そんな事をするのか?お店側の対応がそのちょっとで大いに違ってくるからです!

先ほど説明した通り、元々は貴族階級と労働者階級で住み分けられていたイギリス社会。高級なお店などには貴族しか来店しなかったので、その名残でしょうか、高級店の店員は客の服装でどれくらいの対応をすればいいのかを見極めている、という説も。つまり、カジュアルな服装の客は店への敬意を示すためにきちんと正装で来なかったので、しっかり接客しなくても失礼にはならないという給仕としてのマナーがある、らしいです。日本ではどんな客でもお客様は神様みたいな感覚がありますが、イギリスではマナーをわきまえない客は客ですらない、という印象です。Tシャツス、ジーンズ、スニーカーのままでいたいならPubでも行ってろ、という感じでした。

なので、例えばちょっとした高級なレストランにカジュアルな服装で行くと、観光客だらけの、席が狭い、ガヤガヤと煩く落ち着かない席に通される可能性が高くなります。そういう席では店員さんも中々来てくれないので、おかわり自由の紅茶のおかわりが欲しくて呼ぼうにも呼べません。たまにイギリスの高級なレストランで人種差別を受けた、という話を聞きますが、中には人種ではなく、こういった身だしなみ差別である場合もあるような気がします。革ジャン、ゴテゴテメタルのアクセサリー、髪がショッキングピンクなどの奇抜な格好も、顔を見れば一発で分かる超有名ハリウッドセレブでもない限り、やはり「接客に値する格好ではない」と見なされる場合もあるからです。

代わりにちょっとしたお洒落着で行くと、ゆったりとした間隔の空いた席に通され、静かな中でクラシックの音楽が流れ、「お茶や食べ物のお代わりは要りますか?」と店員さんが何度も気にかけて来てくれます。予約して、タクシーで店の前に乗り付けて、きちんとしたお洒落着で店内に足を踏み入れれば、すごく良い対応をしてくれる、それがイギリス流接客です。

如何でしたでしょうか?
まだコロナで思うように海外旅行を満喫できる状況ではあまりありませんが、近い将来のイギリス旅行に備えて、色々知識を身に着けておくものも悪くはないですね。

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