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会計を本質的に理解するためのQ&A

徒然なるままに調べたことをQ&A形式で記載します。
随時更新していく予定ですので、「スキ」してもらえれば嬉しいです!
いずれ項目ごとに綺麗に分けていきたいなぁと思いますが、怠けものなので整理しないと思います。
間違ってたら謝りますので絶対許してください。

▶︎仕訳は経営者の意思決定記録?
行動経済学では意思決定はレファレンスポイントに依拠。
ビジネス上運用される資産や費用(借方)への支出の意思決定を行う際、常にその資金の出所である負債や出口の配当(貸方)を意識せざるを得ない。
複式簿記によりレファレンスポイントが自動的に意識される。

▶︎堅固な会計制度がない証券市場は?
アカロフのレモン問題に代表される。
情報非対称性の元、高いものを買うと大損する可能性があるため、安いものが買われる。
すると安かろう悪かろうの商品しか市場に残らない。
脆弱な会計制度では優良企業が資金調達困難となりうる。
https://www.axion.zone/adverse-selection-and-moral-hazard/

▶︎資本循環とは?
①企業は、株主からの出資等によって、事業を行うために必要な貨幣を調達 ( 資本調達 )
②利益獲得のために、各種の生産手段や労働力の購入に充当( 資本投下 )
③生産された生産物を外部に販売し、投下資本に利益が加わった額の貨幣あるい債権等を回収する ( 資本回収 )

▶︎負債のパラドックスの正体は?
倒産リスクが高まったときに、負債の時価評価をすると利益発生。負債減=純資産増。
実際にリーマンブラザーズは過去に多額の時価評価益を計上。
逆に信用リスクが回復すれば評価損を計上しなければならず、単なる利益の先食いでしかない。
https://u-account.hatenablog.com/entry/2017/10/13/063000


▶︎貸倒引当金と減価償却累計額の違いは?
貸倒引当金は、財貨又は用役の価値費消原因事実の発生により計上され、将来の支出に対するもの。
一方、減価償却累計額は、財貨又は用役の価値費消事実の発生により計上し、過去の支出によるもの。
要は、貸倒引当金は貸倒れの「原因」に起因する。

▶︎減価償却の自己金融効果とは?
非現金支出である減価償却は、償却分の現金が企業内に留保されるように見える。
償却した分現金が留保され新たに固定資産を購入する資金を自分で調達しているように見える。
しかし、固定資産購入時に現金支出をしているため、ネット0。
https://cpa-noborikawa.net/dep-jiko-kinyu-koka/

▶︎棚卸資産の洗替法と切放法の違いは?
市場の需給変化による収益性低下は、棚卸資産自体に欠陥はなく、正味売却価額の回復を反映できるため、洗替法。
物理的劣化、経済的劣化による収益性の低下は、棚卸資産自体に欠陥があることを意味し、売価が反騰しにくいため、切放法。

▶︎資本的支出と修繕費の違いは?
資本的支出とは、固定資産の使用可能期間を延長または価値を増加させる支出で、取得原価に含まれる。
修繕費(収益的支出)とは、有形固定資産の通常の維持管理又は原状回復のための支出をいい、期間費用として処理。

▶︎修繕引当金は資本負債中心観における負債に該当するか?
負債は経済的資源を放棄もしくは引き渡す義務と定義される。
修繕引当金は操業停止や廃棄等により将来の負担を回避することができるため、負債に該当しない。
修繕引当金は収益との対応を図るためにやむを得ず貸方に計上。

▶︎非債務性引当金とは?
法律上の債務ではなく会計学的な要請によって負債の部に計上される擬制負債としての引当金。
期日・相手方・金額の法的要件の何れも満たしていない負債項目として、適正な期間損益計算の観点から計上される。
具体的には、修繕引当金、特別修繕引当金等

▶︎研究開発費はなぜ資産ではなく費用計上?
発生時点では将来の収益獲得が不透明であり、研究開発が進んでも収益獲得が確実とはいえないから。
仮に資産計上するとした場合、客観的な要件を規定できず、企業間の比較優位性を損なう。
但し、製造原価(仕掛品)として資産計上が認められている。

▶︎資本準備金と資本剰余金の違いは?
資本剰余金とは株式会社の資本取引で余剰したお金。自己株式償却や組織再編時に発生しうる。
資本準備金は払込資本が原資であるが、資本剰余金は払込資本を原資としない。
株主総会決議により資本準備金から資本剰余金へ振替え、配当原資とすることが可能。
https://www.netbk.co.jp/contents/business/users_voice/20211119_2_i/

▶︎その他包括利益をリサイクリングする理由は?
その他包括利益は、投資のリスクから解放されるまでの間の純損益に対する経過的・繰延的な性格を持っており、リサイクリングすることで投資の成果を純損益で明確に表すため。
要は「仮の利益」が確定したことを表すためにリサイクリングを行う。
https://cpa-noborikawa.net/oci-recycling/
https://note.com/bokiron2005/n/n7686358e2d7d

【会計】転換社債発行前に利益調整が行われるか?
直近の利益が大きいと、転換社債を有利に発行できるため、利益調整インセンティブが働く。
この利益マネジメントには、減価償却年数の変更等の「会計裁量的行動」と広告費削減等の「行動裁量的行動」が存在する。
https://www.tohoku-gakuin.ac.jp/research/journal/bk2019/pdf/business14_04.pdf

▶︎持分法投資でPPAは必要か?
日基準では無形資産とのれんが同じ年数で償却する場合、PLBS科目が同じ。無形資産認識の必要性が低い。
一方、IFRSではのれんを償却しないため、無形資産認識しなければ費用は発生しない。そのためIFRS上PPAの重要性が高い。
https://roadtoartisan.com/ppa-equity-method/

▶︎減損の戻入れとは?
IFRS適用会社にて減損処理後、経営環境の好転に伴って減損を行なった原因が解消され、回収可能価額が回復されたと見込まれる場合に当初の減損価格を修正すること。
但し、減損がなかったとした場合の帳簿価額を超えることはできない。
http://www.kwansei-ac.jp/iba/assets/pdf/journal/studies_in_BandA_2008_p21-27.pdf

【会計】のれんを償却する理由は?
①企業結合の成果たる収益と費用の対応が可能
②のれんは投資原価の一部であるとすると投資原価を超えて回収された超過額を利益と考えられる
③のれんは時間の経過とともに自己創設のれんに入れ替わる可能性あり。償却により自己創設のれんの実質的な資産計上を防止

【会計】のれんの償却vs減損
償却派:のれんは時間と共に減価し、償却しなければ自己創設のれんの計上と同義。研究開発費と類似。
減損派:数年後の価値など算定不可。耐用年数算定不可。精緻な企業分析にて償却費を除外する必要性有り。
https://t.co/sHLonfO1BC

【会計】自己創設のれんと購入のれんのちがいは?
自己創設のれんは、資産計上および同額の利益計上が会計利益の基本的考え方である実現利益の概念に整合しない。
企業結合時に認識する購入のれんは、投資に対する成果の期待が確かめられる時点で利益が認識されることから、実現利益の考え方に整合。

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