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オーストラリアと日本の勉強の違い

こんにちは。Studish代表のカトウヒロアキです。

私はふだんSkypeを利用したオンライン指導をしているのですが、生徒の中には海外に住んでいる方もいます。今回は、オーストラリア在住のKくんから聞いたオーストラリアの話を書こうと思います。


小6のときに引っ越したKくん

Kくんはお父さんがイギリス人、お母さんが日本人なんですが、小6のときにオーストラリア中央北部のダーウィンに移住しました。かの有名なチャールズ・ダーウィンにちなんでこの名前がつけられたらしいです。

ダーウィンは日本の東京とほとんど時差がなく、向こうが30分くらい進んでるだけなので、オンラインでも十分指導ができます。以前、ペルー在住の子に教えていたことがありましたが、時差が14時間くらいあってツラタン・イブラヒモビッチでした(笑)。

ダーウィンはあまり日本人がいないところらしく、昨年度までは同級生に一人だけ日本人がいたようですが、その人も最近帰国してしまったみたいです。

Kくんは将来、日本に来るのかそれともお父さんの故郷であるイギリスに行くのか、まだ決定していないみたいです。仮に日本に来るとしてもいつ戻るのかもまだ未定で、お母さんとしてはとりあえず日本での同学年(現在中2)の勉強はしておきたいということで指導をしています。


Kくんと話しているとオーストラリアと日本の勉強ではいくぶん趣が異なるようで、そのあたりもお母さんは心配しているようです。

オーストラリアと日本の違いと言ってもKくんが住んでいるのはダーウィンなのでオーストラリア全体がそうなのかは不明です。ただ、ダーウィンは割と大きな街のようなのでそのつもりで読んでいただければと思います。


4学期制

オーストラリアは基本的に4学期制のようです(タスマニア州は3学期?)。Kくんの通っている学校も4学期制で、学期と学期の間に1ヶ月〜1ヶ月半のバケーションがあります。

1学期:1月下旬〜3月下旬、2学期:4月下旬〜6月下旬、3学期:7月下旬〜9月下旬、4学期10月下旬〜12月下旬

ですので今ちょうど夏休み(向こうでは冬休み?)ですね。

各バケーションは1ヶ月ちょいあるので休日等も入れると年間の半分以上は休みのようです。

日本のどこかの小学校では夏休みを10日にしようという話があるようですが、オーストラリアではどうなんでしょうね。そもそも仕事の量が少なそうなのでそんな話は出ないのかもしれません。


長期休暇中の宿題はゼロ

日本では夏休みになると大量の宿題が出されてまったくリラックスできない休みになっていますがオーストラリアは少し違うようです。

Kくんの話によれば、オーストラリアでは長期休暇中の宿題はないとのことです。休みなんだから宿題出してどうすんの、という考え方みたいですね。

Kくんはこのあいだの長期休暇のときにオーストラリアのメルボルンに行き色々見てきたようです。ユーレカタワーのザ・エッジやトラムに乗ったこと、住みやすい町であることなど、現地に行って聞いたり見たりしたことを楽しそうに話してくれました。

Kくんは日本の同学年の生徒と比べると話がうまく、ちゃんと整理して説明することができています。このあたりも教育や文化の差が出てるような気がします。

休み中は思いっきり遊んで、勉強以外のことを色々経験しましょう、というのがオーストラリアの教育方針なのかもしれませんね。


友達はユーチューバー

Kくんの同級生にはユーチューバーがいます。私もつい最近、その友人の動画を見させてもらいました。彼はパルクールが大好きで、自分がパルクールをやっている様子を撮影してYouTubeにアップしています。

動画を見ていると結構危ないシーンがあるんですが、それでも楽しそうにやっているんのでちょっとうらやましくなります。

日本ではYouTubeにアップしようとなればまずストップがかかりそうですよね。学校でもむやみにネット配信しないようにしましょう的なことを言われることもあるのではないでしょうか。

彼が特殊なだけで他の人はそうでもないかというとそうでもなさそうです。けっこうそういう人は多くて、高校生くらいになるとそれでかなりの額を稼いでる人もいるようです。


国語(英語)の授業でエッセイを書く

勉強に関して明らかに日本と違うなと感じたのは国語(英語)です。

Kくんの指導をしているときに、英語のアサインメント(宿題)としてエッセイを出されたという話になったことがあります。

このくらいなら日本でもやってるぞと思いましたが、ちょこちょこ違う点があります。

エッセイの内容は、その物語のテーマとしてふさわしいキーワードを提示し、そう考えた根拠を物語の中の文を引用して説明させる、というものでした。


さらに、事前にエッセイの書き方についてのレクチャーもされていて、Kくんは学校で、キーワードの提示、そのキーワードを選んだ根拠1、そのキーワードを選んだ根拠2、そのキーワードを選んだ根拠3、まとめ、の順に書くようにと教わっていましたし、引用の仕方も教わっていました。

これは明らかに日本ではやってないことだと思います。日本では、読解中心で文章を書くトレーニングはほとんどやってないので、こういうことをちゃんと教えた方がいいと思うんですが、みなさんはどう思うでしょうか?


数学は超カンタン

数学は明らかに日本の方がレベルが高いです。問題の難易度だけではなく、そこまで深く突っ込まないようです。

Kくんの学校のテストを見せてもらったことがありますが、日本の教科書の基本・標準レベルのものしかなく、日本の公立中学校に通っている人であれば高得点が取れそうです。

このあたりも考え方の違いがありそうです。というのも向こうではみんなが高得点を取っても問題ない、という感覚でテストを実施しているようです。

日本では100点がたくさん出ると成績をつけにくくなるので、問題を難しくして100点を出さないようにすることが多いです。絶対評価と言いつつ相対評価を維持したいという空気があるからです。

オーストラリアではそういうことはなく、みんなが高得点であっても何も問題ないみたいです。全員満点となると少々問題があるのかもしれませんが、まぁどんなクラスであれ勉強しないやつはいるのでそうなることはないでしょう。


理科は生物多め

オーストラリアといえば羊!オージービーフ!

と短絡的に考えがちですが、わりと合ってるかもしれません。

Kくんによれば、理科の授業では日本で言うところの化学や物理の授業自体が少なく、また、それに関する実験もやったことがないそうです。おそらく、学年が上がるとやるのではないかと思います。物理、化学は難しいですからね。

逆に、生物に関する授業は多く、最近では解剖や生物のエコシステムに関する授業をやったと言っていました。

この辺はやはりお国柄なんでしょうね。科学技術というよりは牧畜や観光で成り立っているというイメージがあるオーストラリアですが、それは教育にも反映されているようです。


社会でもエッセイ

最近、社会でもエッセイを書くアサインメントが出されたようです。エッセイの中身はアボリジニと植民地に関することを自分で調べて書くというものでした。

これも国語と同様に書き方にある程度の指定があり、それ通りに書けば良い感じに仕上がるように設計されていました。

オーストラリアの先住民といえばアボリジニですが、彼らがどうやってイギリス人に植民地化されたかという、言ってみれば現在のオーストラリアのルーツを調べさせて理解させようという、良いアサインメントだと思います。

日本は植民地になったことは(一応)ないので、同様の宿題は出しにくいところですが、例えば第二次大戦について調べるようなものはありだと思います。


余談ですが、私はこれに関連して、「銃、病原菌、鉄」という本をKくんと一緒に読むことにしました。どのようにしての世界に存在する様々な格差は生まれたのかを、時代を遡りながら深く考察している本です。面白いので興味がある方は是非読んでみてください。


発表はパワポ

理科や社会の宿題をみんなの前で発表することがよくあるそうです。そのときはパワポを使って発表するらしいですが、これに関しては特に使い方を教わることはなく、適当に自分でいじってやれというスタイルみたいです。

レポートを書くのもワードですが、それも自分で使ってみて習得しろ、という感じみたいです。

たしかにそのあたりのツールは習うより慣れろって方が早いかもしれませんね。親が仕事で使っていることが多く、親に教えてもらう人がほとんどのようです。


さいごに

けっこうたくさん書きましたね。他の国の教育事情を聞くのはとても面白いですね。この国ではこんなことやってるよって知ってる方がいたらぜひ教えてください!

これも余談ですが、Kくんはすでに英語ペラペラでたまに英語で話すんですが、全然何言ってるかわからないときがあります。

例えば最近わからなかったのは「パーコー」です。何のことか聞き直したら「パルクール(parkour)」のことでした(笑)。

ほかにも「エット・シェアン」と言われて誰のことかわかりませんでした。そう「エド・シーラン(Ed Sheeran)」です。

身をもって日本の英語教育の悪いところを実感しました。

初めましてヒロです。勉強プロデューサー/コーチ:Lv50。無人島:Lv2。サバイバル:Lv2。YouTuber:Lv1。ブログ:Lv3。Twitter:Lv5。Note:Lv2。Lvは全て自称です。