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関東聖地巡礼紀行2言霊怪談会in秋葉原&人物紹介-怪談朗読師136さん~趣味からプロへ~

 聖地巡礼の旅三日目、この日はまだ秋葉原にいるけど、ショッピングではなく、「言霊怪談会」というイベントに来た!言わば「山は高きに在らず、仙有らば則ち名あり。水は深きに在らず、龍有らば則ち霊あり」なんなら、朗読の聖人がいれば聖地となると言っても過言ではないよね。いや、冗談はよしこさん。


 ※この記事は、対照として、自分のブログに中国語の記事を元に書き換えたものです。元の記事はこちらの URLをご参照ください。


開演前

 イベントは秋葉原中央通りにある「秋葉原バーフロムスクラッチ」という多用途劇場で開催される。昼と夜の二部構成で、それぞれゲストを呼び、共演することだ。イベント詳細:

↑会場に向かう途中

昼の部
 
出演:
朗読者:136(イサム)さん
怪談作家:神沼三平太先生
 
12:00-12:30OPEN/前物販
12:30-14:45朗読会(途中休憩あり)
14:45-15:30終演後物販&サイン会
 
夜の部
 
出演:
朗読者:136(イサム)さん
怪談師:夜馬裕先生
 
17:00-17:30 OPEN/前物販
17:30-19:15朗読会(途中休憩あり)
19:15-20:00終演後物販&サイン会
 
引用元:言霊堂HP

 せっかくだし、勿論、二部とも参加するのだ。ちなみに入場料は現金払いだった。
 
 午前11:20くらい、予定時間より早く到着したんだが、ドアの前に既に何人が並んでいた。
 こういうイベントに参加するのは初めてだ。っていうか、海外イベントに参加するのも初めて。とても緊張していた。
 そして、少し違和感を感じた。やはり自分が外国人であることを意識している。と同時に、自然なスピードで日本語を聞き取れる自分がいた。何年前、初めて日本に訪れた自分はたぶん想像できないだろう。そもそも、それくらい聞き取れないなら、この場にいるわけがない。それでも、どこが変な感じがする。


昼の部

 昼12時に近くなり、整理番号順に入場が始まった。入場料を払って名刺とポストカードを貰った。136さんの名刺はイベントによってそれぞれ異なる部分があるという、イベント特典のようなものだ。ポストカードは136さんのトップファンであるヤぴ先生が描かれた。サイン色紙として配布している。席は自由席なので、前の方を選んだ。
 

↑舞台の真ん中
↑今日一日が終わった後、三人の先生からサインを集めたポストカード(イラスト:ヤぴ先生)


 舞台の真正面に、すなわち観客席の後ろには物販のスペースがあった。ゲストの先生たちの書籍や136さんのグッズが販売されている。缶バッチやアクリルスタンドやアクセサリーや限定朗読CDなど。そして、そこにいるのは~Youtubeチャンネル「怖い話 怪談 朗読」の管理人「彼岸さん」だった!
 
 一部の読者さんは聞き覚えがあるはずだ。かつて「呟怖」を紹介する際に、彼岸さんの作品を何本も引用させていただいた。そして、「肉ちまきを送った」という話を投稿する時も、彼岸さんが校閲ってことで、色々勉強になった。
 
『もしかしてクレマサキさんでしょうか』
 
 身分はすぐバレちゃった。びっくりした。
 まぁ、予約制なので、入口の受付ですでに名前を明かした。ところで、このハンドルネームの由来は、過去の配信でのやり取りから生み出したもので、かっこいいし、認知度も高いので、そのまま使い続けた。
 
 少し話したら、どうやら136さんもとても喜んでいるようだ。
 「あの人が来る」って

 ところで、彼岸さんは思った以上に若く見える。優しいお兄ちゃんタイプの人だ。
 
 そして、リスナー同士からも声をかけられた。もっさんさんが初めてだと確かに記憶している。お陰様で少し落ち着いた。
 もっさんさんは配信の常連さんで、名前をよく聴いている。こうやって、スタッフの方だけでなく、普段会えないリスナー同士とも出会って、言葉を交わして楽しめる。それもまたリアルイベントの醍醐味じゃないか。
 
 つづいて、ヤぴ先生とも話ができて、とても嬉しかった。ヤぴ先生は136さんのために、素敵なイラストをたくさん描いた。先生の描かれた男はかっこよくて大好きだ。
 ところで、最初は本人かどうか確認できず、それも、こんなおしゃれな方、もし見間違えたら、恥ずかしいじゃないかと、一瞬躊躇した。怯えず話かけてよかった。

↑サインもらって嬉しい

 昼の朗読は始まり、やっと136さんは登場した。ちなみにネット配信の場合は顔出さないタイプだ。
 短い挨拶後、怪談朗読が始まった。朗読するのは今回のゲストの先生が書かれた話だ。一話目が終了したあと、先生を呼んで解説や裏話などを語るフリートーク時間に入る。つづいて他の話の朗読が始まりという繰り返しだ。

  (当時)8月に発売予定の新刊に載る話も先に聴いた。今回は『四人集落』、『佐伯橋』という題名の話だった。どっちも不思議な話だよね。

  話を聴けば聴くほど満足できなくなる。話についてみんなの感想や考察を聴くことが出来るし、リアルタイム視聴の場合、直々参加することも出来る。それに、原作の方から裏話などを聴くことが出来て珍しいと思う。だから、僕は生配信が好きでたまらない。

  神沼三平太先生、日本各地で怪談を聞き取って不思議な体験や実話怪談を書いているプロの作家さんである。第8回ビーケーワン怪談大賞最優秀賞受賞。甲州怪談や鎌倉怪談など色んな作品がある。他の作家さんとの共同著作もたくさん。
 親しみやすい方で。いくつか不思議な体験談を聴いてた。とても面白かった。 


 ところで、イサムさんの声を聞くと、何故かリラックスしてて、まだ自宅にいるような錯覚している。普段はイラストやデザインの作業中や、眠る前に136さんの朗読を聴いているから。一度、思わず目を閉じて美声を楽しめることに集中しようと思ったが、せっかくのリアルイベントなのに、もったいないじゃないか。そこで思い直した。聴きながら、136さんが朗読している様子をじっと見つめていたw いやいや、ただプロの技が気になるだけだ。やってみたから気づく、朗読って結構難しいなぁ。(日本語でも中国語でも)

 昼の部の朗読が終わり、サイン&交流会の時間に入った。みんな席を離れ、列に並んだ。そこで驚いたのは、ほぼ全員がお土産を持っていることだ。つーか、僕もその一員なんだけどW136さん、持って帰れるのかな、と思った。ちなみに、開業のお祝いとして自分は地元の伝統模様で染めた生地に包まれた金銭剣(説明付き)を用意した。簡単にいうと、古銭を繋ぐ剣型の御守りみたいな縁起物だった。長年怪談と付き合う136さんとふさわしいと思う。そして、136さんの驚いた声を聴いて、「計画通り」って言う文字が頭に浮かんでニヤリと笑った。

 やはり一番嬉しかったのは、やっと136さんと会えた。暫くの間、緊張しながら言葉を交わした。そして一緒に記念撮影を撮らせていただいた。生配信に参加し始めたのは、ここ二年からだが、縁を結ぶのは6、7年前かな。聞き読みはあまり出来なかった頃だ。月日が経つのははやいと思った。


きっかけ

 きっかけは大学生の頃、Youtubeが普及され、Ibや怪異症候群や朝に溶ける魔女などの日本のRPGホラーゲームが流行っていた。ゲーム実況をするユーチューバーさんも増えた。ついでに怪談を語るチャンネルもたくさんだった。そこで、日本のネット怪談が大人気だった。八尺様やきさらぎ駅などの都市伝説も、この時期から台湾で広く知られている。そして、シリーズものもあった。師匠シリーズとか、なつのさんシリーズとか、夜行堂奇譚シリーズとか。

  こういう流れのなかで、当時自分は「なつのさんシリーズ」が一番気に入りだった。でも、翻訳された話は少なかった。当然、中国語で朗読する方も数えるほど。そこで、どうしても朗読が聴きたかった僕は検索してみた。その結果、「怖い話 怪談 朗読」というYoutubeチャンネルに訪れた。文字通り、怪談や怖い話の朗読を主に投稿するチャンネルだ。そして、なんと、なつのさんシリーズの全話があった。そして、僕は朗読を聞いたあと、ツイッター(今はXだけれど、便利上ツイッターと呼ぶ)で感想を書いた。まさか、朗読者である136(IsAM)さんから返信をもらった。これはやがて最初のきかっけとなった。

  時は2021年に移り変わった。コロナ禍の影響で、在宅時間が増えていた。Podcastが流行っていた。自分も136さんの超長編朗読を聴き始めた。作業BGMにして流した。そのまま、ある日、試しに生配信のアーカイブを聴くと、なんと、自然にわかるようになってきた。これを機に、度々生配信に来たり、ツイッターで感想を書いたりするようになった。リスナー同士のやり取りもけっこう楽しめる。


幕間

 話を元に戻す。

 昼の部が終わり、夜の部までまだ時間があるから、下の階にあるネコ喫茶に行かないかと、他のリスナーさんから誘われたが、残念ながら、現金がほぼ尽きてしまった僕は断った。急いで両替行っちゃった。ところで、ここから数日後、スマホ決済のやり方をわかったあと、現金不足の問題が初めて解消された。

 そして、夕方会場に戻ると、既に大盛況だった。ほぼ満席じゃないか!?年齢層の幅は更に広い気がする。あとで、イベント大成功記念配信で分かったことだが、vTuberをしている方も含めてたくさんの有名人がいらっしゃったということ。


 夜の部

 夜の部は大体同じ流れだが、少し違いがある。フリートークの後、今回ゲストの先生からもう一つの話を語る。そしてまたフリートーク→朗読という繰り返しだ。
 語りとは、要するにトークだ。台本を読まず、まるで対話するように物語を語ることだ。言葉に拘らず、手足を使っても良いんだ。でも、さすがプロの作家さんというか、豊かな語彙力に圧倒された。生き生きとした描写で、まるで自分の目で見たような気分だった。面白かったなぁ。現場で聴くから、臨場感が凄かった。雑談の内容も面白かった。何度も会場に笑いが起きた。

  夜馬裕先生、実話怪談作家。竹書房2020怪談最恐戦優勝受賞。他にもテレビやユーチューブチャンネルなど、いろんな番組によく出演している。ちょうどこのところ、先生が原作の漫画『厭談夜話』が発売された。先生と出版社の方はわざわざサイン入りの試し読み本まで用意した。


  ボディーランゲージの話というと、136さんが朗読している時、口の形や顔まで明らかな変化が起こる。例えば、お爺さんの番は、口の開き方はなんと、しっかりお爺さんっぽくなってきた。ああ、136さんの迫真の演技力の秘密はそこにあったか、と思ってしまった。
  その後、朗読が終わり。人の数があまりも多くて、暫くの間席に待機しながら、先生たちとリスナーたちのやり取りを眺めていた。こういうのも結構面白かった。つーか、何でもサインが出来るよね。
 彼岸さんが忙しいので、写真はヤぴ先生が撮られた。その後、また二人と少し話が出来て、会場を去った。さよならを告げず、ただ『また会いましょう』と言ってた。

  僕はアキバというメイドたちの激戦場を通り抜けて夜食を持ってホテルに戻った。こうして、充実の一日は幕を下ろした。

↑本日の戦利品

人物紹介:怪談朗読師136(イサム)さん~趣味からプロへ~ 

 前回の紹介記事からはもう二年、色々変ったので、この機にアップデートしようと思う。

136(イサム)さん

  • 神奈川県に在住の元サラリーマン、趣味はゲーム、怪談朗読。

  • 大学時代(およそ2005年11月)からFC2 ねとらじにて活動開始。元々ゲーム実況をやったり、怪談朗読をやったりするというのだったが、朗読目当てのリスナーさんが増えてきて、いつか朗読配信がメインとなった。その後、Niconicoやツイキャスなどいくつのサイトで配信をし続けた。そして、2015年、リスナーの彼岸さんにより、現在のYoutubeチャンネル「怖い話 怪談 朗読」が開設、ここに移籍した。

  • この記事を書いている時点で、朗読話数は既に6500話を超えた。きちんと数えていないので、実際にはもっと多いかもしれない。

  • 2021年、Youtubeチャンネル登録者数100,000人突破〔銀盾〕。

  • 2021竹書房怪談最恐戦朗読部門大賞受賞.2023竹書房呟怖朗読王受賞。

  • 2023年1月「株式会社言霊堂」が成立、社長に就任して、本格的な朗読専門家として転職してきた。 


136朗読の魅力


  • 大分昔は早口でアナウンサーのような喋り方だった。そして、月日は移る。今現在は語調も演技力も物凄く上げてきた。

  • 余白、声の大きさ、呼吸感などを念入りに調整することで、自然な心地良いテンポで喋れるようになる。文字からキャラクターの性別や年齢などを早く正しく理解し、喋り方を調整することで、身に付けた技をかけて原作の雰囲気を再現する。

  • 声優さんみたいに声質まで変えるわけがないのだが、こういう繊細な変化で、今喋っているキャラクターを区別することができる。

  •  「注意したところは、朗読時常に心がけてますが『聴いてるいる方がその情景をイメージ出来るように』テンポや間、呼吸感を意識して、耳に変なストレスをかけないように読むようにしています」-136さん(「怪談最恐戦2021」朗読部門の受賞作発表特別番組より)

  • ところで、どうやら136さんは声に独特な「ゆらぎ」を持つ人だという。「睡眠導入剤の代わりに聴いている」とか、「作業中に136さんの朗読を聞くとリラックスする、効率が上がる」とか、漫画家やイラストを描く方からはよく聞いている。

  • 初見一発読み」:速読を通じて初見一発読みを実現した。リスナーさんたちと共に物語を楽しめる。それで長年怪談朗読をし続けるんだ。カミカミはあるかもしれないけれど、傷は玉を覆うことができないと思う。ここ数年はかなり安定している。


現在活動

録音作品

  • 生配信から切り抜いたもの。

  • 生配信ではなく録音で朗読したもの。

  • 「特選怖い話」より「録音ファイル136Hz」という136さんの音源置き場がある。チャンネルが作る前の作品や一部の録音作品はこちらにもアップされる。

 リアルイベント 

 「株式会社言霊堂」が成立して以来、日本各地によく開催されるようになっていた。毎回、怪談作家などのゲストを呼び、朗読→フリートーク→朗読という流れで進んいく。

生配信 

 今は毎週土曜になると、生配信が行われる。リアルイベントがあれば、通常、月曜にイベント成功配信が行われる。まあ、やることは同じだが、雑談にイベント関連の話題が多いだけだ。
 毎回、タイトルに○○記念と書かれるだが、やることは同じだ。ただ格好つけて、ついでに136さんとチャンネルの成長を記録するため。
  過去と違う点は

  1. 開場と幕間の雑談は減り、今週の朗読をすべて終えたあとに移る。

  2. 通常、リクエストの話を読んだ後、怪談輪廻システムからの話を読む。

  3. 怪談輪廻システムとは、去年4月くらいから始まったシステムである。スパチャやメンバーシップやpixivfanboxなどからもらった収入の一部を、出版社から文庫本に載る話の朗読権利を買って配信で読む。そして、出版社はまた原作者さんに還元するというシステムである。基本的に竹書房さんの話。 

メンバーシップ限定配信

 今は毎週水曜に行われる。内容は基本的に決まっていないだが、今は撮影家のAyatoさんと連携し、毎週「今週イちばんサムい呟怖」という呟怖朗読コーナーが行われる。
 毎週、AyatoさんはTwitter(今はx)で写真をシェアする。それをテーマにして、引用リツート(今は引用リポスト)で呟怖を書くんだ。
 そして、お二人は幾つの話を選んで、次の配信で朗読と解説をするというシステムである。
 呟怖とは、Twitterでタグの「#呟怖」を含めて140文字以内で書く怖い話だ。詳しくは過去の紹介記事に参照してください(台湾の場合)

 アップグレードなら、リアルイベントのアーカイブ動画が見れる。現場の状況次第、声のみの生中継も聞くことが可能。


136朗読オススメ(台湾人向け)

 台湾で一番利用者数が多い掲示板PTTに存在するmarvel版(オカルト版)に載っている日本の怪談は、大体136さんのところで聞ける。
 台湾でも有名なシリーズものもだ。例えば、「夜行堂奇譚」や「師匠シリーズ」や「巣くうものシリーズ」や「篠宮神社シリーズ」や「営業のKさんシリーズ(およそ石川県の怖くない話!)」などなど。
 136さんは色んな作家さんたちとも仲がいい。136さんの朗読がきっかけで自分の作品を初めて知った読者さんも数少なくないからだ。136さんをイメージにして書いた話もいくつかある。
 次の章、ネット上に翻訳された長編やシリーズものをおすすめしようと思う。ちょうど聴き読みの練習としてこれ以上ふさわしい教材はない。


巣くうものシリーズ
PTT翻訳(全編):

136朗読(全篇):

なつのさんシリーズ
PTT翻訳:

136朗読(全篇):

師匠シリーズ
PTT翻訳(一部):

136朗読(ほぼ全部):

夜行堂奇譚
PTT翻訳(一部):

原文:

136朗読(ほぼ全部+文庫本から2話):

篠宮神社シリーズ 
翻訳(翻訳者UnlinのHP):

原文:

第一部:首くくりの町136朗読

 第二部:山に入れなくなった話
136朗読

営業のKさんシリーズ(およそ石川県の怖くない話!)
PTT翻訳(一部):

136朗読:

G県廚 
PTT翻訳:

 原文:

 136朗読:

夢鬼
PTT翻訳

原文:

 136朗読:

以上 


 ここにはまだアップしていないようで、さいごに去年配信17周年への祝いイラストをシェアしよう

#136ふぁんあーと

清輝@霜月書斎
(クレマサキ@霜月書斎)
HP Facebook Twitter(X) Plurk Dcard Pixiv バハムート
2023/11/14(yyyy/mm/dd)

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