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仏教①宗教ってなに?

「ひとり坐し、ひとり臥(ふ)し、ひとり歩み、なおざりになることなく、わが身をととのえて、林のなかでひとり楽しめ」 byブッダ


皆さんは仏教徒ですか?もしくは他の宗教の信者ですか?それとも無宗教?無宗教と仰る方が多いかもしれませんね。なんなら宗教なんて、何かを心のよりどころにしないと生きていけない弱い人間が信じるもの、と、否定的に思っているかもしれませんね。

また、宗教は平和を求めているはずなのに戦争を引き起こしているのではないか、そんな宗教なんてない方がいいと思っている方もいるかもしれません。

宗教ってなんでしょう。欧米の方から見ると日本人には信じる神がいない、宗教がない、などと思われることがあるようです。家の中に神棚と仏壇が同居し、大みそかにはお寺で除夜の鐘を聞いて、その足で神社で初詣。子供が生まれたらお宮参りをし、亡くなったらお寺で供養します。確かに唯一の神を絶対的な存在とみなす”一神教”の国々の基準には合わないかもしれません。

日本には「八百万の神」(やおよろずのかみ)がいます。”多神教”どころではありませんね。つまり、どんなものにも神が宿り、私たちはそれぞれに感謝し、丁寧に接するのです。”神仏習合”だって、公式に認められているんです。

北海道を中心としたアイヌ民族も、すべてのものにはカムイ(神)がいると言っています。服や生活必需品、家、動物、自然。さらには天災や伝染病など、人間を脅かすものにもカムイがいるのだそうです。

そもそもの宗教の始まりについて考えます。人間の生活が始まって、きっと思い通りにならないことばかりだったでしょう。なかでも自然に関することは、狩りに失敗、農作物がダメに。自分たちの力ではどうしようもなく、しかもその力を見ることもできない。

そんな力に対して畏れ(おそれ)を感じたり、ただ祈るしかないと感じたことでしょう。例えば、「太陽神」などは地球のあらゆるところで信仰があります。日本にも「天照大神」(あまてらすおおみかみ)という神様がいます。

そこから、体験生き方を示す教え、、様々なことが宗教心と結びついていったのだと思います。なので宗教心や信仰心は根本はかなり個人的なものなのです。何かを体験した後に、見えない何かに無意識に感謝していたり、願をかけたり。

また、人間の文化はどれも宗教を含んでいると言えます。建築、美術、音楽、舞踊、文学、科学。私は音楽家ですが、音楽はまさに祈りそのものから始まっています。他のジャンルも同じです。

さらに日本では、神道、武士道、華道、茶道、弓道、に代表される「道」シリーズは明らかに信仰と深い結びつきがあります。それは何も特別なことだけではなく、普段の生活、仕草、考え方など、日本人の個性となっているのです。

”いただきます、ごちそうさまでした”、”ありがとう”など、普段使われる言葉にも仏教の教えの意味が込められているものがたくさんあります。私たちは本当は私たちなりの信仰の形にどっぷりと浸かっているのです。かなり自然なことなのです。

でも、普段は全く意識していないか、すぐに忘れてしまいます。他に気になることが多すぎて”今”に集中できないからです。私は、生活全てにおいて一つ一つ丁寧に、感謝の心を持って行うことで幸福度や充実度が上がると思っています。これは仏教の教えです。

このように、「宗教」の言葉の意味が広すぎて、なかなか説明することが難しいですが、なるべくざっくばらんにお話ししたいと思っています。次回以降、仏教について皆さんと学んでいきます。


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