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神崎姉妹『街角散歩』が描きあがるまで

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毎度のことなのですが、実はイメージしてません。
私の場合はパーツで描きたくなると言えばいいのか・・・

『腹筋を描きたい』

から始まった今作なのです。

腹筋をフン!と出した感じではなく、
逆に反り返った腹筋、グッと伸びた感じ。
となればポーズはだいたい決まる。
でも伸びとかにしたくなくって、百合子とセットにしたくて、
だったら少しいちゃつかせようかな・・・って構想。

アングル?構図?なんにも考えてないです。
だからダメなんだよね~(笑)
でもこれが楽しいんですよ、描きながら組み立てていく感覚。

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0.5mmのペンを何度か重ねて線を引き、強弱を出します。
と、同時にインクたまりも作っていきます。
そんな中、明暗を考えていたりもします。

線の強弱は作品により強めに出したり、全然出さなかったりもします。

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順番もクソもありません、描きたいときに描きたい部分を描きます。
自分を飽きさせないための自己防衛です。

ちなみに『描きあがるまでシリーズ』は、
時折『どうやって描いているのですか』と、
とても広い質問をいただくので、私の描いている過程と、
ちょっとした気持ちや詳細を記録しているだけですので、
『描き方講座』とか『こうしたら上手くなる』とか
そう言うものではないので、そんなのを求めておられる方は
読むのをおやめになるのをお勧めします、全部『我流』
師匠も居なけりゃ専門的な学校も出てません、好きだけで来た人
なので(笑)

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今回はリアルさも欲しいけれど、女の子を描くので
個人的にはあまりにリアルにはしたくなかったのもあるし、
神崎姉妹自体がリアル顔ではないので、漫画の時に使っている線を
敢えてイラストにも使用しました。
あ、神崎姉妹の漫画はないんですけどね、うごメモにしか。

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細かい部分は0.25mm

詳細は仕上げでどうとでもするので、
私的にはまず全体像を捉えるため、思うがままに、
成すがままにペンを進めます。
ナスがママならキュウリがパパです。

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ここまでくると自由!イッツ・ア・フリーダム。
じゆうだぁああああああああああああああああ!!!!
てなわけで、構想にはなかった影などを入れてみたりします。
入れてみるって事は修正きかないのですが、
私の中では入れてみる・・・なのです。
入れた結果次第で周囲の濃度などを変えていくのです。
よく言えば臨機応変、悪く言えばテキトー、
カッコよく言えば風の如く描き上げていくって感じです。

失敗は恐れないと言うか、
失敗すると思っていません。
失敗は無いんです・・・
失敗をごまかして成功に導くので、
失敗はないんです(笑)

明言らしく言ってますが、自分の中では格言です。

いやふざけちゃいましたけど、実際失敗をごまかす技術は、
経験上絶対必要だと自分では思っています。
だって何時間もかけて描いてさ、最後に失敗で描き直し?
締め切り間に合わねー!ってなるじゃん。
どこを失敗したとかトップシークレットだけれども、
結構やってますから私(笑)

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この辺からは仕上げなので、ラバー80が活躍します。
線の重なりにトーンをかけるってイメージで使うので、
第二段階の濃淡作業って感じです。
ラバー80は以前紹介したボールペンで、こちらで買えます。

クロスハッチに対して網をかけるイメージで使うのですが、
これも私流なので試すのは止めませんが、責任は持ちません(笑)
いや、と言うのはこれを一部分だけやると、そこだけがトーンを張ったようになるし、インクの艶なんかも紙によっては出てきますので、全体的にバランス調整が必要になるんです、つまり手数が増えるから時間と覚悟が必要になるよって事で警告はしましたからね!(笑)

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まずは完成です、お気づきの通り最初は背景がありません。描いてて方向転換がかかりました、いつものことです。
依頼されたモノじゃないから描きたいものを描けば良いんです。だから途中から背景描き足そうが自由で良いんです。

ここからはデジタルの波に乗りますよ!

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とは言ってもね、PCに取り込んで、フォトショップで加工するだけですよ、しかも折角の線画をゴリゴリ塗って殺したくないので、色を敷いてハイライトのみで単色で仕上げるんですよ。

イメージしたのはレトロなポスターだったので、思った感じになったと自画自賛。数年経過したらブラッシュアップしたいと自分で思うのかが楽しみです。え?なぜって?

劣化修正とかじゃなくて、年月が経過するとこの時見えなかった足りないモノが見えてきたりするんですよ、それは過ごした時間の中での自分の経験で変わってくるのですが、手を加えたいと感じた時は『進化している』証拠なのです。要するに引き出しが増えたって事。

逆に何も感じないときは
『この作品が自分の中で完璧』だと言う事になるんです。

都合良いって思いました?上等じゃないですか、いいんですよそれで。人に迷惑かける訳じゃなし、自分の中で自分を褒め称え、改善し、自分で肉体も精神もいい方向に持っていくんですよ、誰もやってくれませんからね、自分で管理するんです。自分で自分を操縦する、これは凄く大事だと私は考えています。もちろん出来る人出来ない人は居ると思います、批判的に受け取らないでいただきたいと思います、あくまでも『私自身の考え方』ですので。

言っても私自身まだまだできてませんけどね。

質問して下さった方、こんなんで何か煌くものがありましたでしょうか。
この程度のお話しかできない自由人なもので申し訳ない。
でもさ、知りたいって気持ちは探求心だから
ずーっと持ち続けたほうがいいと思うんだよね、私も歩いてて
『これ何の花?』とか感じたら直ぐにグーグルの写真で検索してくれるやつ、あれやって『あー!これか!』と言う発見と納得を得ています。知りたい気持ちを持って調べて答えが出ると引き出しが増えるんですよね、そして誰かに『知ってた?』と自慢げに教えたいあのアナログチックな伝統儀式的感覚、実は好きなんですよね(笑

絵画に正解なんかないってのが私の流儀ですけれど、経験と知識は必要だと思っています。疑問を持ち、考え、答えを導き出して経験を得る、この学校の勉強とはまた違う独学的な、右脳的な楽しさは絵画には色んな意味で必要だと思っています。

質問してくれた方皆様に今ここで、『頑張れ』なんて無責任に撃ち抜くライフルみたいな言葉は言いません、上からモノを言う立場でもありません、私は好きで描いているだけです、だからあなたも『楽しんで』ください。

辛ければ続きません、楽しければ続くんです。

続けられることこも才能ですから。


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