見出し画像

3Dモデルから原型制作、蝋型、金型、成形、彩色マスク作成、彩色まで

制作工程として、自分のデザインから3Dモデル製作、原型製作、蝋型、金型、成形、彩色マスク、彩色となるのですが、それぞれの工程でのやりとりや、その時の雑感など。

3Dモデル製作



原型制作はSHスタジオ様にやっていただきました。2次元の嘘を上手く3次元に整合性があるように落とし込んで頂き、
こちらの細かい要望や後出しの修正指示などに対応していただいて本当にありがとうございました。

初期のイラストより、ディフォルメ感を強くするため手足を大きくしたり、メリハリの利いたボディが隠れ、造形も手間のかかる腰ベルトを太ももホルスターに変更するなどの大きめの変更や顔のラインや目の造形など、細かな修正などをやりとりして、最終的なデザインを決定しました。

原型制作


3Dモデルをもとに原型制作をしていただきましたが、ソフビの原型は、最終的なソフビにする過程で原型より一回り小さくなってしまうので、欲しいサイズより一回り大きい原型を作らなければなりません。なのでただでさえ大きく、体積もあるソフビなのに原型もそれにまして大きくて大変だったと思います。
原型ができた段階で、知り合いのアニメスタジオのプロデューサーや制作さん何人かに見せたところ、ちょっとドギツイんじゃないか、攻めすぎじゃないかという指摘を結構いただいたので、エロに頼ったニッチで確実な層を狙うのではなく、デザイン自体をいいと言ってくれるどれくらいいるか不確実でも、なるべくマスに届く可能性のある作品にしたいと思い、乳首表現をオミットしたりと、女性にもカワイイと思って手に取ってもらえるラインをイメージして、細かく修正したのち次の工程へ。

いろいろと後出しの修正指示に対応していただいたSHスタジオ様には感謝しかありません。

蝋型、金型製作


蝋型、金型に関しては、特にこちらからできることはないので、書くこともないのですが、やはりでかく、さらにパーツ分割も多かったので、金型の数が結構いってしまいました。5枚で費用もスタンダードなソフビのだいたいの1.5倍くらいでしょうか

成形完成


そこから成形してサンプルを頂いてチェックです。実はここまでの作業で、
心の中で一番危惧していたのがちゃんと自立するかでした。
頭が大きく後ろ髪のボリュームがあり、そのバランスを取るためにも巨乳にし、足も大きくして安定感をアップさせたのですが、
原型の時は大丈夫でも成形されるまで中空状態の重心はわからないので、
心配していましたが問題なくしっかりと立ってくれました。
現物も手にできて、ソフビ製作の現実感がとても高まってきました。
そして届いたものを見たときデカっと思ったのですが、のちに発売した際、軒並み同じような感想を頂いていたので、でかいものが欲しいという自分の意図が実現できて良かったです。

塗装マスク、塗装

塗装に進みますがその際、現物の色とデジタルイラストのモニター上での色味では違いがでてしまうので、
パントーンという色味表を買って、実際の色を確認して指定をださなければなりません。(あとは実際に自分でテストの色を塗って送るという手もあります。)

このパントーンが2万円もするのです…ただ一つ買っておけば後々役に立つと思うので自分への投資と思えばそれほどでもないかと。
なんどか色味の修正をしていただき、塗装に入っていただきます。
そして、色分け自体はなるべく少なくなるようデザインしたつもりなのですが、パーツ分割を多くしたせいで塗装マスクもその分増えてしまい、18枚と費用に跳ね返ってきました。
つくづくスタンダートのフォーマットから外れたものを作ろうとすると
費用がかかるものだと実感しました。
何度か彩色テストを送っていただき最終決定し、量産を開始していただき、いよいよ彩色済みソフビの完成です!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?