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#週一文庫

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毎週1冊の文庫もしくは新書を読み、その本の中でじぶんが一番おもしろいと思ったところを引用しながら、「なぜおもしろいと思ったのか?」を踏み込んで解説。 いわゆる書評ともちょっと違う…
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2019年5月の記事一覧

サイバー攻撃 ネット世界の裏側で起きていること (ブルーバックス)中島 明日香

この本は、インターネット空間における攻撃行為(俗に言う「ハッキング」)が、具体的にどのような仕組みで行われているのか、またそれに対抗するセキュリティ側が世の中でどのような取り組みを行っているのかを取り上げた一冊です。 著者の方の年齢が、じぶんと1歳違いということで、親近感を得て手に取りました。 著者のtwitter▼ サイバー攻撃はすぐそばに一番おもしろかったのは、P196-203 第7章 脆弱性と社会 Exploit Kitにより下がるサイバー犯罪参入のハードル 私

牛乳とタマゴの科学 完全栄養食品の秘密 (ブルーバックス) 酒井仙吉

この本は、牛乳とタマゴが、食用に至るまでに辿ってきた歴史の考察と、それらが栄養学や生物学的に持つ性質を詳説していく一冊です。 僕らは、食べているものの育ち方をもっと気にしてもいい。一番おもしろかったのは、P139-141 第6章タマゴを産むニワトリ、肉をつくるニワトリ 毎日はタマゴを産めない 産卵数には餌が関係し、多くタマゴを生むほど、バランスのとれた栄養が必要である。タンパク質は体の維持に一日七~八グラムが必要であり、タマゴ一個のタンパク質は約七グラム、生産にこの倍が必

ラーメンの誕生 (ちくま学芸文庫)岡田 哲

この本は、ラーメンが今のかたちに至るまでの歴史を、江戸時代やさらにもっと昔、ときには中国まで文献を辿りながら、明らかにしていく一冊です。 ラーメンって和食?一番面白かったのは、P140 第五章「ラーメンの魅力を探る」 複合されたラーメンのルーツ これらの情報を総合すると、第二次世界大戦の後に、大陸からの引揚者がもたらした中国北部のめんのスタイルに、中国の各地の麺料理の特徴が混ざり合い、さらに日本人の和食化への努力の繰り返しの結果が、今日のラーメンのルーツを形成している。こ

アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本 (星海社新書) 舛本 和也

 この本は、アニメの制作進行の仕事について説明をしながら、「アニメづくりってどんな感じなの?」という疑問に答えてくれる一冊です。アニメ業界を目指す人はもちろんですが、一つの仕事論として読むのもオススメです! その仕事、何人のヒトが関わっているか知ってる?一番 おもしろかったのは、P36-40 第一章「熱意だけではだめ!狭き門をくぐるには」絵がかけないとできない仕事? アニメーション作りは集団作業です。30分のTVアニメーションに関わるスタッフは200~300人になります。