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ユニットよもやま話2

『HIGH-MACS Tactics 2』(以下HMT2)が無事発売の運びとなりましたので、前回の「ユニよも」ではあまり触れられなかったAFTA軍ユニットについて、今回もAWGSを中心に書いていこうと思います。



VW-1(米版HIGH-MACS)

 前回12式を解説しているので説明不要かもしれませんが、アメリカ版HIGH-MACS『VW-1』。基本は12式と同じものです。

VW-1(アメリカ)

 装備の面で多少の違いはあるようですが、当ゲームでは性能的に同等として扱っています。
 ただしアメリカは後参戦ということもあり、HMT2のシナリオに於いては12式の回避能力を上げているケースが多いです。生き残りの日本外人部隊は皆歴戦の勇士ということで。
 またVW-1小隊は一定以上の損耗で撤退するルールが加わることもあり、この辺りは両軍の状況(惨状)やドクトリンの違いを表しています。


米独高機動対決

M16-A1(米)VS ストゥームパンター(独)

 前回も紹介したM16二脚歩行戦闘車とパンター歩行戦闘車の高機動型です。通常タイプは似たもの同士として扱いましたが、こちらもそれは同じ。ただ前回同枠で紹介した日本の9式装甲歩行戦闘車だけ高機動型がありません。
 小松製作所なにやっとるかと言いたくなりますが、高機動型がより攻撃的な印象を与えるということであれば、国内で何かしらの邪魔が入ったのではないかと邪推したくなります。


M19A1ブルータルクラブⅡ

M19A1ブルータルクラブⅡ(アメリカ)

 ガングリ世界では最も実用的と言われる四脚の高機動AWGSです。原作でもそのすばしっこさと車高の低さで多くのプレイヤーを悩ませました。
 当ゲームに於いてもそれは同じですが、同じ四脚型のティーガーとは対照的に分厚い装甲はありません。KEMすらも弾きまくるティーガーとは違い、命中さえすれば意外と脆いです。
 しかし主武装の140㎜滑腔砲とKEM装備は強力。25㎜ガトリング装備によりソフトターゲットにも対応。上陸作戦にヘリボーンにと、奇襲効果を最大限に発揮するのに適したAWGSと言えるでしょう。
 ちなみに140㎜滑腔砲はその反動故なのか、多脚型AWGSにしか装備されていません。そう考えると(前回も触れましたが)ドイツのレオパルト3の凄さが分かるし、それと対峙した90式改は決してブリキ缶などではなかったのです。


ランドクラブ&ブルータルクラブ

M15ランドクラブとM19ブルータルクラブ(アメリカ)

 米軍はこのタイプのバリエーションが多く、歩行タイプは高機動型ほどの制圧力はないものの、AWGSとしては小型であることと、前述の攻撃力はやはり馬鹿にできません。
 足が遅いので戦術的な立ち位置は違うかもしれませんが、PEU側にティーガーやエレファントといった化物級AWGSがいる状況を踏まえると、WW2におけるファイアフライ的なものを連想させます。或いはドイツのラングか・・・
 ちなみにHMT2では、PEUとAFTAの対決を描いた連結シナリオも用意されています。

 さらに余談ですが、M19との差別化を図るためM15の防御力を低く設定していますが、ちょっとやりすぎだったかもしれません。システム上、微妙な性能差を出しづらいのが難しいところです。


10式装甲歩行戦闘車

10式装甲歩行戦闘車(日本)

 原作のガングリフォン1、2には登場しない機体(ブレイズで登場)ですが、テストプレイ中にAPC側のAWGSの弱さにほとほと困り果て、急遽採用の運びとなりました。(とはいえTVゲームに登場していないだけで、攻略本では初期から存在が確認できます)
 ドイツのティーガー歩行戦闘車のライセンス生産品で、HMT2では唯一装甲値4を誇り、APC陣営で140㎜砲装備はこれのみ。リアルだと補給面で苦労しそうですが、ゲーム内では非常に頼もしい存在となるはず。名前も良きです。


LOSAT

MGM-166 LOSAT(アメリカ)

 AWGSではありませんが、ガングリフォンを象徴する車両としてLOSATがあります。これはいわゆる運動エネルギーミサイルを積んだ車体(原作ではM12 LOSAT)ということになりますが、このミサイル自体大型で取り回しが悪く、史実では2004年に開発中止となっています。しかし大型装備もなんのその、AWGSが存在するガングリフォン世界では共通規格並の扱いで西側を中心に普及しており、中国を始めとしたAPC陣営ではコピー品も出回っています。


M1A2エイブラムス

M1A2エイブラムス(アメリカ)

 こちらもAWGSではありませんが、他の戦車にはない特徴があるので触れておきます。ご存知アメリカの主力戦車です。
 当ゲームでは戦車ごとの性能差を出せるほどのシステム上の幅がないため、中国戦車やレオパルト3を除いてパラメーターは共通になっています。それはこのM1も同じなのですが、原作のベトロニクス再現ということで、小隊のリンク条件をAWGSと同等にしています。つまり戦車同士が離れた位置にいても、歩調を合わせた攻撃ができるというわけです。
 当ゲームではAWGSを活躍させるため敢えて戦車にはワリを食って貰っていますが、M1A2はそのリミッターを付けていないというわけです。


補給ヘリ(CH-47J)

CH-47J

 やはりこれも触れておかなければいけないだろうということで、今作から標準ルールとして導入することになった補給ヘリ、チヌークです。
 前作でも検討はしたのですが、わりと初期の段階で外すことが決定していました。当ゲームのルールでは、補給ヘリが制空エリアに入ったところで撃墜される確率が非常に高かったからです。
 それでもやはりガングリと言えば補給ヘリだろうということで、シナリオの調整その他で実現しました。
 以前ウェブ上で発表したバリアントルールともだいぶ変わっていて、ややチート級の補給能力だけではなく、イニシアチブにも若干影響します。また着陸後に攻撃ヘリから狙われないよう、森にも着陸できるよう変更しています。
 補給ヘリの投入は任意なので、勝利条件と相談しながら投入の是非を判断してみて下さい。


C-17グローブマスターⅢ

C-17グローブマスターⅢ

 最後にこちらにも触れておきます。C-17輸送機です。
 AFTA軍のシナリオを作るにあたって非常に困ったのは、原作にある4つのミッション中、2つが(陣営の違いこそあれ)C-17の護衛ミッションだったことです。
 そしてこれも補給ヘリの時と同様――いや、それ以上に狙われればほぼアウトなので、1つはなかなか狙えないようにし、もう1つは登場する3機中、最後の3機目登場時に狙える余裕を確保できるか――というバランスを目指してシナリオを構築しました。
 今作の苦労の産物を感じ取って頂けたらと思います。


 さて、いかがだったでしょうか。
 今作は実質AFTA陣営がアメリカ軍ということもあり、前作のように多種多様なAWGSが登場するということはありません。それでもユニット数が少ないというわけではないので、逆に物量感のようなものは出ていると思います。
 またここでは紹介していませんが、連結シナリオで使用するPEUユニットが一部入っており、変わったところでチャレンジャー2戦車はAFTAとPEUどちらのバージョンも用意されています。(英国は戦争途中でPEUから脱退するため)
 とはいえ当ゲームはあくまでAWGSが主役なので、前回同様ユニットの紹介もこのような形となりました。
 以上、ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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