【リレー小説】第一弾 #3(飯田)
急いでるって言ってるのに。嫌な予感しかしない。
「アヤの学校に、佐藤君って人いるよね。ほら、2年の野球部の!」
「アヤ、野球部のマネージャーやってるんでしょ?」
サキが食い気味に話してくる。相変わらず変わってないな、と思った。
佐藤君は野球部のピッチャーで、2年生ながら大事な試合を任せられる、うちのエースピッチャー。イケメンでスポーツ万能、男女ともに人気があり、学校内のみならず他校にもファンがいるほどだ。私は、佐藤君とはそこそこ仲が良く、周りから羨ましがられることもしばしば。そして、実は佐藤君のことが気になってたりもする。
「佐藤君?知ってるけど、どうしたの?」
あのサキの口から佐藤君の名前が出たことに、少し動揺していた。
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