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#恋愛エッセイについて話したらドイツ現代思想で眠れなくなった。 all time D life Vol.32

youchuu※ all time D life = サトウケンタロウ +松本誠治+的場誠也 プロドラマーでありながらマルチに活動する3人が毎回テーマを掲げ、ドラマー脳で思考しトークする音声記事です。

 noteの人気タグをお題にして各々論じてみようというシリーズ「noteの#タグに挑戦」。

 第二弾は人気第一位の#エッセイ、さらにテーマは#恋愛。

 つまり恋愛エッセイです。

 妙齢の男子三名(だいぶ幅はありますが)。何となく気恥ずかしさ、というより、「へぇ〜、意外にロマンチックなんだね〜、ニヤニヤ」と思われるのが癪というか、バツが悪いという気持ちもありました。

 ただ、それでも、蓋を開けてみると、それぞれ持ち寄ったエッセイや詩(主にドイツ実存主義の方々、一種の照れ隠しかもしれませんが)を紹介しながら、「恋愛エッセイについて」かなり熱のこもったトークとなっております。

 この際、テキストでも想いを語らせていただきますと(noteは想いの広場ですので)

 そもそも恋愛はとても大切なものだと思います。

 だって世の中から恋愛がなくなったら人類は滅びますからね・・・極論ですけど。

 ただ、そのくらい人類の存続に重要なものだからこそ、誰にでも芽生える可能性があるものだと言えます。

 そしてポイントは多様性と独自性。好きになる というその”好き”の想いはひとそれぞれ、好きなところもひとそれぞれだというところ。

 音楽を聴いていて歌や演奏、歌詞やフレーズにドキッとしたり、謎が生まれたりすることがあります。

 最初はちょっとしたデコボコに感じたことが、なんとなく気になって今度はしっかり聴き入ってみる。

 何かの”感”に引っ張られるように彷徨い、”電波”をキャッチするように周波数を合わせていくと、突然ふっと隠されたメッセージを感じ取ったり、なぜそういう風に演奏するのか、理解できたような気持ちなります。

 心が揺さぶられ、自分だけがそれに気付いた !! 受け取った !! という感動が生まれる。”それ”が自分にとって特別なものになる瞬間です。

 恋愛もまさに”ドキッ”とするとか、”あれ?”とか、”おやっ”という発見、もしくは感や電波みたいなものがきっかけになることが多々ありますよね。

「この人の良さはひょっとして私しか気付いてないかも」というような入り口から恋は始まります(私はいったい何を書いているんでしょうか)。

 だから周りから否定されたり、反対されたりすると恋の炎は一層メラメラと燃え上がってしまうのです。「周りは『あんな人・・・』とか言うけれど、私には見える!泥んこだらけの人生で、きらりと光るあの人が !! 」

 ・・・ふぅ。

 冷静に戻って。

 ぶっちゃげ、勘違いなのかもしれません。でも偉大な勘違いだと思いませんか。問題は勘違いかどうかではなく、自分が自力で(ひょっとすると生まれて初めてくらい)見出した自分のオリジナルな感受性の爆発だという事。間違えてるかどうかなんて全く関係ねーんだよ!という事です。よね?(幸せにはなってほしいけど)

 まあ、このオリジナリティがないと、審美眼を含む価値観が全員共通だとしたら、恋愛対象が一挙集中しすぎて、これも人類絶滅の危機になります。

 なので未来のためにも、恋せよ乙女、恋せよ男児、オリジナリティが大事だよ、俺たちも頑張るぜっ、なのです。


 三人の持ち寄ったエッセイや詩、または格言については以下にご紹介いたします。音声記事本編では各々が解説しておりますので宜しかったらご聴取ください。

的場誠也

還暦を迎えた筆者(宇野千代さん)が「恋の土俵を降りたと思ったこと」によって、それまで悩み多かった恋愛というものについて、もつれた糸が解けるような様々な気づきを得るという内容のエッセイの一部。


〜 子供は生きているトンボをチョン切って捨てて了ひます。私はその子供のことをいつでも考へるのですけれど、生きているトンボをちぎって捨てて了ふのは残酷だ、と言ふのは、あとから人が考へてつけた、つけたりの教訓だと思ひますけど如何でせうか。
 若い人の生き生きした行為の中には、このトンボを千切る子供みたいな残酷さがあります。生きているトンボは千切らないやうに、と心を配ってゐますと、少なくともある種の行為はいぢましく、いぢけて溌溂とした感じがなくなつて了ふのではないでせうか。
 逆説をなすやうですけど、大抵の、悪いことと禁じられてゐることが、あとから考へると、なんて美しかつたことだらう、あのときこそ自分の生きてゐた瞬間だつた、としんから思ふから不思議です。〜 〜 へんてこな標準ですけど、私はこの、「生きが悪かつたか」「生きが好かつたか」の二つに分けて、若い人の生活を考へるのが好きです。
 まぁ、見ていてごらんなさい。誰の眼にも、自然な生きの好い行動は美しく映ります。たとへそれが禁じられてゐることがらでも、「生きが好い」の標準で、私なら、許せると思ふのです。

 【 女のいのち 】宇野千代 Wikipedia出典
 人生読本 / 恋愛 (河出書房新社) より 


サトウケンタロウ


世界はこんなにも美しく 空はこんなにも青い
そして風はこんなにもやわらかく こんなにもあたたかく そよいでいる
そして花は 咲きにおう緑の野に点々と
朝露にきらめきながらかがやいている
そしてほかのみんなは いたるところで歓びの声をあげている
でも それなのに わたしはお墓のなかによこたわりたい
そして死んだいとしいあのひとのかたわらに この身をよりそわせたい

 ハインリヒ・ハイネ Wikipedia出典


松本誠治

「 愛こそ、貧しい知識から豊かな知識への架け橋である 」

 マックス・シェーラー  Wikipedia出典


※ このあとの本編音声記事は有料になります。よろしかったらご聴取ください。

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