midjourneyでフィルムの再現はできるのか-富士フィルム編- #G02
はじめに
別のことを書こうとしたのですが、前回挙げたmidjourneyの話をしている時に画像生成をしていたら、見つけてしまったものがあり、興奮冷めやらぬまま、キーボードをぽちぽちしています。
前回の記事はこちら。
それはmidjourneyがフィルムを認識している事に気づいたことです。
よく、「フィルムカメラ風」「ビンテージフィルム風」などと入れたらいいですよ。と、言うものを見かけますが、それは「●●風」であってフィルムではないと思い、
「では、実際にフィルムの名前を入れてみたらどうなるんだろう…」と、思ったのがきっかけです。
個人的所感によるカメラフィルムとは
もはや趣味でやるには手が届かなくなった、至高で優雅な、被写体を通じて自己との対話をする芸術活動。
と言うのが私の思うカメラフィルムです。
フィルムの色も楽しむのもそうですが何よりも、何を撮るのかを吟味する行為、シャッターを押したときの「やってやったぞ感」と「うまく撮れたか期待と不安」が何よりも心地よいのがカメラフィルムです。
ここにオールドレンズの話が本当なら必須でついてくるのですが収集がつかなくなるのでここではしません…(したい)
デジタルカメラの進歩とコモディティ化により、カメラフィルムの廃盤、価格改定、生産調整など幾度となく、目の当たりにしては買いためて、アルミホイルに巻いて冷暗所に保管したフィルムが今でも我が家には眠っています。
**写真好きの皆様へ**
ここからの検証による感想は個人の観点しかないです。
フィルムガチ勢の方は異論があればご自身で検証してください。
midjourneyで検証してみた
「え、ちょっと待って。」
が出力された第一声。
実験的にphotoやfilmを入れず、モノクロフィルムと言えばILFORDの感覚で入れてみたのです。
これの何がすごいかと言うと、photoやfilmなど直接的なキーワードを入れなくてもフィルムの名前でモノクロ写真だと認識した事です。
次の期待を胸に別のフィルムの名前を入れてみよう。とやってみました。
「は、まじで?」
が出力された第一声。
この色味、完全ではないにせよ、けっこう近い色合いで再現できているんじゃないでしょうか。
また、ektachrome64(エクタクローム)が良く使われている60年代~70年代みのある女性が出てきています。
往年の銘フィルムは蘇るのか
これはやるしかない!
日本最速!もしかしたら世界最速?!
往年のフィルムは蘇るのか!
いくつかのフィルムでやってみました。
ちなみにプロンプトの中にある撮影条件は入れなくていいです。
私が楽しくて勝手に入れただけです。
多分こんな撮影条件かな的な、脳内の測光精度を上げる練習のようなものなので完全に自己満足です。
Fujifilm フジフィルム
はじめはやっぱり日本から。
REALA ACE100
REALA ACE 100は1989年に発売され、2012年に販売が終了したフジフィルムのフィルムカメラ用ネガフィルムです。
とても好きなフィルムです。
キャッチコピーは「第4の感色層技術」
これは…!!
緑を表現したく敢えてenglish gardenを場所指定。
と言うのもREALA ACE100は緑がとてもキレイな印象。
ローキー気味(暗め)なら生成された感じになるし、ハイキー気味(明るめ)だと緑がもっと鮮やかに出る。
また、粒状感(ノイズ)がもっと出ていいので、フィルム風な色再現にとどまっている印象。
デジタルカメラの色調補正で緑をずらした感じの補正に近い。
余談だけど、レンズと撮影条件を入れると意図したイメージに近くなっている気がする。
ちなみに初めがREALA ACE100かよ!!と思ったあなたは立派な写真オタクです。
色は近いものを感じます!!
けっこういい感じだと思いますよ。
特に中央部分の明るくなっている緑良いですね!
正直これはprotraの色に近い気がします。
とは言え、フィルムの色の良さが出ているのでこれはこれで好きです。
Velvia 50 ベルビア50
1990年に登場したVelvia 50は、驚異的な粒子の細かさ、世界トップクラスの色彩飽和度と鮮やかさを備えるポジフィルムです。
風景写真や自然写真の標準とされていたほど。
下と同じプロンプトでもスクエアだと服の傾向が違うのが面白いです。
色がvelviaではないですね。
あくまでフィルム風であるだけと言った感じです。
あえてfilmの文字を入れず、カメラの品番とフィルムの名称だけで出力してみました。
すると、Velviaの鮮やかさはないにせよ、デジタルカメラでは表現がすぐにはできない淡い描写になりました。
赤いバラをプロンプトに入れました。
すると、色飽和しない鮮やかで深みのある赤が出ました。
少しはVelviaに近いづいた気がします。
Astia 100 アスティア100
1997年に発売されたポジフィルムです。
2003年に廃盤になり、2012年までAstia 100Fが後継で出ていました。
色彩としては軟調で、標準的な色表現です。
クロスプロセスで現像されている写真が多い気がするのは気のせいかな?
色彩は落ち着いた描写です。
これは…!
なかなか良い感じだと思いますよ。
標準的な色表現がマッチしている感じだと考えてられます。
その点においては、proviaは多分いい感じに出るだろうと言う見込みからproviaは今回除外しました。
Sensia 100 センシア100
1994年に発売されたポジフィルムです。
sensiaⅡ、sensiaⅢと後継が出るも2011年に廃盤しました。
医療用のフィルムとしても使われていたため、sensiaの方は色がより忠実で、作品においてはポートレートでは渋めな色。
とは言え、Astiaにかなり似た色です。
ちょっと発色が良すぎる気がします。
もっと彩度は低い気がします。
シャドウ部ももっと潰れていいはず。
そういう意味では2枚目は少し近いです。
とは言え、たまたまかもしれませんが、この深みのある青は正直すごく好きです。
Neopan 100 across2 ネオパン100 アクロス2
2019年に発売されたモノクロネガフィルムです。
フィルムユーザーにとってはこの時代に新たに発売されるフィルムがあるのは喜ばしい事です。
世界最高峰の細かい粒度の写真、ハイライトの表現が良いのが特徴です。
微妙ですね。
そもそも4枚中1枚しかモノクロでしか出ない歩留まりの悪さでした。
neopanのキーワードには反応してますが、フィルムの再現には程遠い感じがします。
しかも若干、本当に少し彩度が載っている気がします。
これではダメですね。
やってみた感想
本当はコダックにILFORDの結果も共有したいのですがとても長くなるので、これで一旦切り上げます。
こんなになるとは思わなかったです。
フィルムの色調が再現できるのはいいですね。
デジタルカメラの硬調な描写では無く、心情にそのまま刺してくるあの軟調な色彩表現は懐かしさと芸術性を感じさせるものがあります。
とは言え、フィルムの名前をそれなりに認識している気配があったのは良い発見です。
プロンプトの調整でより近いものは出せるのでしょうけど、それは果たしてフィルムの再現になるのか。
その答えは難しいのでここでは出せませんが、試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
midjourneyで写真を出すときにエモい感じ、ノスタルジックな感じを出したかったらぜひ、フィルムの名前を入れてみてください。
次回はKodakを特集します。
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