吹奏楽 小編成の高音楽器について 後編

みなさんこんにちは!今回は吹奏楽の小編成バンドにおける高音楽器のサウンドづくりについて書いていきます。是非最後まで読んで下さい!

なお今回は小編成向けという事でオーボエを省いて書いていきます。
理由は小編成バンドでは編成にいるケースが非常に少ないからです。
(オーボエの方はゴメンナサイ)
なので今回はフルート クラリネット アルトサックス トランペットでのサウンドづくりについて私が思う事を書いていきます。

まず人数が少ない場合は中音楽器編でも吹き替えがオススメです。
吹き替えについては以前に記事を書いているのでこちらを参照下さい。

https://note.com/studio_jitaku/n/nd35ab9112119

ただ高音楽器は中音楽器と違い音色も音域も様々です。吹き替えをする場合でも中音楽器よりも少し工夫が必要です。

サウンドのグループ分け

難しく考えず私はいつも2つのグループに分けて考えています。

フルート クラリネット アルトサックスのグループ(A)とトランペットアルトサックス(B)の2グループです。アルトサックスがどちらのグループにも入れている理由は後述します。

A    木管楽器特有の柔らかい音色でバンドの高音域を担当します。
B 明るく突き抜けてくる音 音量の幅も広くバンド全体の強弱を左右する重要なポジション。フルートやクラリネットより少し下の音域を主に担当します。
アルトサックスは木管楽器の柔らかい音色も出せますし、金管楽器のような力強い大きな音もだせますのでAとBグループの橋渡し的な存在になります。

曲によってはフルートやクラリネットが力強いサウンドを作ることもありますし、トランペットが柔らかい高音を奏でる事もあるのでこの限りではありませんが上記の考え方を基本にサウンドづくりについて書いていきます。

Aグループのサウンドづくり

 基本的には足りないパートを3種類の楽器で吹き替えを駆使して補っていく形になります。場面によってはトランペットで吹き替えをしてもOKです。
注意いただきたいのはフルートとアルトサックスを同じグループに入れていますが、この2種類の楽器だけですと音が溶けにくい場合があります。

フルートの音が少ない時にクラリネットで吹き替えをするのはあまり問題ありませんがフルート&アルトサックスの組み合わせは音色、音域的にも系統が違うのでうまくいかない場合があります。
ただフルート クラリネット アルトサックスの3種類の組み合わせの場合はクラリネットがいいつなぎ役として3種類の音が溶けやすくなります。なのでクラリネットは非常に重要です。

メロディー ハーモニーともに上記の考えに当てはめて音を振り分ければ木管高音のサウンドはある程度完成すると考えます。
ハーモニーはフルートが足りない場合はクラリネットからサポートへ
クラリネット アルトサックスのハーモニーはクラリネットとアルトサックスを1つのグループで考えていくと組み立てやすいと思います。場合によってはテナーサックスも加えるのも手だと思います。
(クラリネットの楽譜を1オクターブ上げてテナーサックスで吹くと移調せず音域も合わせられます)クラリネットが1本しかいなくてアルトサックスやテナーサックスが休みであったり、吹き替えしても支障がでない場合は吹き替えをしてサウンドをどんどん厚くしていきましょう。
あーだこーだ言いながら工夫してサウンドをつくる事ができるのも小編成バンドの楽しいところです!

また楽器や人数に少し余裕がある団体は 
クラリネット  → エスクラリネット
アルトサックス → ソプラノサックス
を使うとよりサウンドが良くなりますので余裕があればぜひ試して下さい!
エスクラリネットはフルートと。ソプラノサックスはクラリネット、トランペットとの相性がとても良くなります。

Bグループのサウンドづくり

 音域と楽器の特性上観客の耳に音が届きやすく特に小編成バンドでは常にソロを吹いているような立ち位置です。そのためミスをしてメロディーがなくなったり担当する音がなくなってしまうと、他の楽器に比べてダメージがでかいです。奏者の精神的な負担も大きいパートです。
 トランペットに関しては特に替えが効かないパートとなっています。
Bグループはトランペットを中心に考えてメロディーとハーモニーについて書いていきます。

メロディー
 トランペットが主体の場合はその他の楽器がサポートしていくような形になります。トランペットのユニゾンで人数が足りずソロになってしまう場合はそのままソロでいくか他の楽器でサポートする形になります。

ソロよりも2本以上で吹くメリットは
 ・事故をふせぐため
 ・ガイドメロディとしての役目
と考えます。
ミスをしてメロディーがなくなってしまうと聞き手側からすると、それまでどれだけいい演奏をしていても一気に印象が悪くなってしまいます。2人でメロディーを吹いていればたとえ1人が失敗して落ちてしまってもメロディーが流れたままとなります。
もう一つのガイドメロディとは、他で自分と同じ音を吹いている人がいる時に得られる安心感です。みなさんカラオケでこんな経験はないでしょうか?歌のメロディーが小さい音でも流れていると音程がとりやすく歌いやすいといったアレです。奏者がお互いの音を聞き流がらメロディーを吹くことでソロの時よりも安心して吹くことができます。

 そしてサポートは基本的にはアルトサックス 次点でクラリネットが向いていると考えます。
アルトサックスは最初の方で書いたように音抜けがよく音域も近くトランペットとの相性が非常にいいです。最高音はトランペットのハイB♭のひとつ手前のAまで鳴ります(フラジオ 特殊奏法をのぞく)ただ現実的に曲で使えるのは奏者のレベルにもよりますが上のGぐらいまででしょうか。それ以上の音が頻繁に出るようなメロディーはオクターブ下げるかソプラノサックスを使うかになります。
クラリネットで吹き替えをする場合は音域も気にせず移調をしなくていいので比較的準備は楽です。音量がアルトサックスに比べて劣るのと音色の系統が違うのでどちらかというとガイドメロディ的な形になります。

ハーモニー
 トランペットの金管系の高音のハーモニーが足りない場合は
  アルトサックス クラリネット 3rdの低い音域はホルンでカバーできます。
 アルトサックスの木管系のハーモニーが足りない場合は
  クラリネット テナーサックス トランペットである程度カバーできます。
ハーモニーは周りのバランスや奏者の体力を考えながら吹き替えを駆使してつくっていきましょう。

かなり長々と書いてしましましたが言いたい事は
 人数が少ない場合は足りないパートを特性の近い楽器で吹き替えを駆使していいサウンドを作り上げいく という事です。
たくさん書いた中ですべてが正解でみなさんの考えに共感できる内容とは思っていません。ただみなさんの悩みや知らなかった事を一つでも解決 知る事が出来たり参考になる知識が私の中にあると信じて世の中に発信しようと記事を書きました。
小編成に関する記事は他にも書いていますので興味のある方は是非読んで下さい!それでは!!





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