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石垣島日記 その1

今年の六月に、一週間程、母の実家のある石垣島へ妻と行ってきたのですが、その時の日記を小出しで公開していきたいと思います。

石垣島の家は元々、母の叔母さんの家なのだけれど、現在叔母さんは母と共に那覇に住んでいるため、石垣島の家が丸々空いているのだ。
そのため、私たち夫婦は時折遊びに行って掃除とかしたり風を通したりしているのです。

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6/某日

朝から部屋で月刊ヒーローズで掲載される『災厄乙女パン子』の原作仕事。
五話目を書く。

時折YouTubeでマキシマム ザ ホルモンの動画見たりしながらゴロゴロ。

お昼になったので、近所の八重山そばのお店、来夏世へ、八重山そばを食べに。

ちなみによく混同されがちだが、
①ソーキそば
②沖縄そば
③八重山そば
④宮古そば
これらはどれも違う種類なので覚えておくように。
どれがどのように違うかは、各自Wikipediaなどで調べて欲しい。
ちなみに我が家で好んで食べられるのは、八重山そばの丸麺です。

来夏世の八重山そば。


食べて帰宅するも、外出する度に汗がすごいので毎回シャワー。
もちろん水シャワーだ。行水の感覚である。

で、昼過ぎから石垣島の図書館まで歩いて向かう。

ギリシア神話の本を読みつつ、再び、パン子の設定を補強。

『災厄乙女パン子』は、三話目でようやく設定が明かされるのだが、登場人物はギリシア神話の神々が元ネタになっているのだ。

三話目までその設定を隠した意味は特にない。
というか、そのことを説明するつもりも最初はなかった。
本当に元ネタ、程度の扱いのつもりで、時折セリフやら設定やら、名前やらで、気付けた人だけが「さてはギリシア神話だな」とニヤニヤ出来れば良いかな、と思っていたのだ。

だけど、隠す意味が全くないことに気付き、三話目でバラすことにしたのでした。

五話目の小ネタや今後、六話目から登場するキャラクターの設定などを補強して、閉館時間が来たので、図書館を出る。

図書館前の公園。


その後、少し歩いて(恐らく)島で一番大きい古本屋さんへ行く。

ちょっと寝床とかで読むようなちょうど良い感じのミステリ本を探す。
中々、島に少しだけ滞在している自分に丁度いい按配のミステリが見つからない。

BOOKOFFなどのチェーン店ではないため、古本と言えども単価が高めに設定されている。
当たり前だ。(恐らく)島で一番大きな古本屋なのだ。
競争相手もいないのだから日に焼けまくったボロボロの文庫本に平気で400円とか付けるよね!

しかしそんなにお金もかけたくない。

うーむ、よし、これを買うとするか、と、一年程前に出版されたハードカバーの国内ミステリの本を買おうとして。
ちょっと待てと。

×××××の日に焼けたハードカバー本に650円出すなら、新刊でちょうど良い文庫買えるんじゃねえか? と思い直し、古本屋を出て町の本屋さんに向かうことに。

途中で妻に電話して合流。

待ち合わせ場所のJAで、混ぜそば用のソース『からそばのタレ』というものを発見。
これ一本あればご家庭で簡単に、からそばができるよ! というふれこみ。

更には、「新しい石垣島名物!」というかなり強気なポップまでついているではないか。
ここまで強気ということは、さぞかし美味しいに違いない!

からそばがどんな味なのかいまいちピンと来ていないけど、これを買って、本屋へ。

新刊のちょうど良い文庫が見つからず、そして『掟上今日子』シリーズの新刊も見つからなかったため、結局何も買わず。

帰り道に安めの居酒屋で外食。
ソーメンチャンプルやぐるくんの唐揚げや刺身などを食べて、オリオンビールを飲んだ。

帰り道の途中にあるスーパーで、からそば用の麺を買って帰宅。
からそばは明日以降に取っておくことに。

からそばのタレ。


お風呂場で、何故か左手だけ特に日に焼けてることに気付く。

右手に比べ、明らかに日焼けの範囲が広く、焼け方も強い。何故だ?

Tシャツも右手だけが長いというアシンメトリーなデザインのものを着ているわけではない。
常に太陽に対して左側を向いて歩いているわけでもない。

一体何が左手に起こったのだ……?

普段と違うことを何かしているはずだ。
石垣島に来て、自分では気づいていない、何か特別なことをして歩いているに違いない。

俺は風呂場で、朝起きてから、外出して太陽の下を歩く時まで、のシミューレーションを一から行うことにした。

もちろん全裸だが、今はそんなことよりも左手だけが焼けてることの方が大事だし、風呂場で全裸なのはむしろ普通だから問題なしだ!

①Tシャツを着る。
②ズボンを履く。
③帽子を被る。
④鞄を肩からかける。
⑤サンダルを履く。
⑥おんもに出る。
⑦元気いっぱいに歩く。

以上だ。
何も特におかしいこと、普段より特別なことはしていないはずだ。
だが現実問題、俺の左手はやけに焼けている(踏韻)……。

何度も考えるまでだ!
俺は太陽の下を歩くイメージで、風呂場で足踏みをする。
腕も元気良く振って、1、2、1、2、……。

ハッと気づいた。

これが原因だ!
間違いない!

俺は、鞄の帯を右肩から斜めにかけ、鞄本体は左腰の部分に垂らしている。

つまり、右手の方は何もないのだが、左手の方は、鞄本体がぶら下がっているのだ。

そして左手を振って歩くと、鞄本体に左手がバシバシぶつかってしまうため、それを避けるように、右手より大きく左手を振っている自分に気付いたのだ!

イメージ。

結果、右手はそんなに振られないので体の影に入っていることが多く、左手は大きく振られているので、太陽の下に晒されている時間が長かったのだ!

なんという目から鱗!
これは日常系ミステリで使えるネタじゃない?
ちょうど良いミステリは我が左手にあったのだ?

と、浮かれるも、鞄に手がぶつかるから、大きく手を振ってそれを避ける、という行動が、どれだけの人に「なるほどね」と納得してもらえるかは疑問だ。

多くの人は「振らなきゃいいんじゃないか」と思うのではないだろうか?

と、ごく当たり前のことに気付いたので、もうその事は一切忘れることにしてお風呂に入った(つまり、まだ湯船に浸かってなかったのである。まるで叙述トリックみたい!)

風呂から上がると、妻は長風呂に呆れたのだろうか、もう寝ていた。

一人、居間でビールを飲みながら、「左手が日焼けで痛いので寝返り打つたびに目が覚めたらどうしよう」と不安に思う。

#旅行 #写真 #石垣島

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