成田氏と羽生氏の対談

You Tubeで「前編【成田悠輔×羽生善治】/天才たちの深すぎるAI談義/with対談連載「成田悠輔の愛すべき非生産性の世界」」をみた。

面白かったのは、先の読めない不確実性について。
天気とか自然科学は法則性に基づいて予測が立てやすい。

難しいのは人間が絡む部門で、株価予測とかは立てにくい。

成田先生は確率やテクノロジーに秀でているけど、先がわからない不確実性に言及してくれたことに安心をした。

というのも、筆者が大学院で研究していたケインズという過去の学者も蓋然性論(確率論)の中で不確実性に言及していたからだ。ケインズは大きな政府論に単純分けされることがあるが、彼自身の思考の背景には蓋然性哲学という難しいものの見方がある。

成田先生の言及で興味深いのは、AIで完全に予測できる材料を人々が手にできたとしても、それにもとづいて様々に行動する先は分からないということだった。

確率や数字で全て予測できるか、という問を職場の数学の専門家にしたことがあったが「人間の気分というものがあるから難しい」という事であった。

両者の意見は、文系人間の自分にとって心強い。

ケインズの頃に不確実だった月の裏側や結核の治療法は今や確実な知識となった。しかしながら、戦争の可能性や将来の金利や物価など、まだ予測できない不確実性は存在する。

ただしケインズ自身は、人々の合理的自己は気まぐれや偶然によりながらも自らに最善と思えるような判断を行っている、との楽観主義には基づいているのであるが。

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