映画「マイ インターン」感想

Netflixで公開されていたので、見ました。

ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイというビッグキャスト。

あらすじ

ブルックリンに住む元電話帳制作会社勤務のベン(70)は妻に先立たれやもめ暮らし。退屈な毎日を変えようとある日街の掲示板で見つけたシニア・インターンに応募する。見事合格した彼は新興アパレル企業、社長のジュールズ直属の部下になる。しかし、ジュールズは老人嫌いの敏腕女社長で…。果たしてベンは無事インターンを終えることができるか?

ネタバレありの感想です。注意。

良かった点

・プラダを着た悪魔のようなバリキャリのアン・ハサウェイがカッコ良かったー!今回は新興企業の若手敏腕女社長、そして一児の母という役どころでしたがめちゃくちゃイケてました。

・ハートフル系王道一直線。

夫婦関係、仕事のこと、親子関係に悩むジュールズ。彼女の心を開いてくれたのは夫でも同僚でも子供でもなく、人生経験豊富なベンだった。二人の父と娘でもなく、恋人でもなく、上司と部下でもなく「友人」という関係がとても心温まりました。おじいちゃん×若い子は見てて尖りがなくていいですね。
それに、ベンとジュールズは「年寄りだから話を聞いてあげよう」とか「若いから諭してあげよう」という年齢の壁が無いんです。そういうのではなく、お互いが「人対人」として真摯に話を聞きアドバイスしているのがとても素敵な関係だと思いました。

・映像美

ブルックリンの都会と木々が混ざり合った街並み、工場を改装したフラットで白く明るい風通しの良い会社、ジュールズが大好きな自宅などなど綺麗な街並みを綺麗に撮っていました。6年前の映画なのでカメラも綺麗で見やすいです。

・過去の自分を全否定する成長ではなく、譲れないものを見つめ直すジュールズの姿勢が良かった

こういう成長系にありがちなのは、過去の自分を見つめ直してこのままじゃダメだ、変わらなきゃ!と思い成長します。ジュールズも途中まではそのパターンでした。忙しい自分、部下と向き合えずに家族とも向き合えないダメダメな私。変わるには私が変わらなきゃいけない、と思ってCEOを受け入れるし、ベンとの付き合いを考えます。しかし、最終的にベンは「初めて会った日から君は素晴らしかったよ」と言ってくれます。ジュールズのそれまでを否定することなく、いつだって頑張ってきたじゃないか!と認めてくれます。そして、ジュールズは今まで必死に掴み取ってきたもの、これまでの私は全部私が作り上げたもの、と思い、全てを諦めないという選択肢を取ります。仕事も家族も全部を手にしよう、と決意し母親とも上手くいこうなんて思いません。変わることだけが正解じゃないんだ、という見つめ直しは個人的に好きでした。

惜しかった点

・ベンがあまりにも優秀すぎて見応えがない

70歳で現役引退をとっくのとうにしたベン。勤めていた会社も電話帳制作会社と古臭い仕事です。しかし、インターンに入ったベンはすぐにみんなから慕われ、仕事ができ、認められ、恋人とも出会う。紳士的で古臭い考えも持っていない。何だか物凄くできすぎだと思いません?最初の方にパソコンの使い方が分からなくて隣の席の人に訊くという「おじいちゃん」描写はあるのですが、そこからは一気に使いこなしています。周りの人とも世代間ギャップを感じさせずに大した衝突もありません。この物語、ベン視点で描かれていますが、実際の主役はジュールズ。なので、主役のはずなのに山あり谷あり描写が無い。この物語は「マイ・インターン」つまり「私(ベン)のインターン」であるはずなのに、主題は「敏腕女社長の私の元に魔法使いのようなおじいさんが現れて問題を救ってくれた」なんです。ベンが主人公だと言うのなら、ベンの苦悩や波瀾万丈な面を書いて欲しかったです。あまりにも主人公として出来すぎてる。しかし、気付きました。作中でも言われていた通り、この「マイ・インターン」はベンだけのインターンではなく、それまでの自分を見直すジュールズにとっての「マイ・インターン」でもあった訳です。互いに学び合っていたんですね。

・伏線回収できてない?

なんか物語の中編でベンの顔色が悪く、みんなが心配するみたいな描写があったのですが、あれは結局どういう意図だったのでしょうか?私はベンが死ぬフラグかな?と思ってしまいました(オタク、すぐに登場人物殺したがり)。持病持ちであそこで倒れたり死んだりしてジュールズが成長するお涙頂戴かな?と思いきや、そこに関して伏線回収されず…。私の理解力が足りないだけでしょうか。

マイ・インターン、おすすめです。派手な描写はないですが、見た後なんとなくスッキリします。

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