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スクールカースト

私にとって中学、高校時代は黒歴史だ。
特に大きなやらかしをしたとか、キャラが激変した
という訳ではないが私の21年の人生の中で最も自分に嘘をついていた。

小学生時代の私は遊ぶこと、話すことが大好きで誰とでも仲が良いタイプだった。
そんな私が中学校に進学すると、そこには幼い私の知らない制度が存在していた。

スクールカーストだ。

中学校は周辺の小学校3つが集まっていたのだが、私の小学校はその中で最も平和だった。一方、ある1校では小学校からスクールカーストが存在したのだ。

小学校時代からみんなと仲良くしていた私は中学校に入ってからも、そんな風に色んな人と接しようとしていた。しかし、小学生時代からスクールカースト1軍の人たちは真面目な私など相手にせず、私は除け者扱いされた。
私は臆病な性格なので、そこで1軍の人と距離を置くようになり「陰キャ」と呼ばれるようになっていった。

今、中学時代の友人が言うにはその時の私はスクールカーストの中で底辺だったらしい。

今でこそスクールカーストなどどうでも良いと言えるが、思春期の私は「陰キャ」と揶揄されるのがとても辛かった。
そんな「陰キャ」な私に好機が訪れる。中学2年生に上がったときに、新しいクラスで私に興味を持つ1軍男子が現れたのだ。「陰キャ」を脱出したかった私はその人に全力で仕えた。馬鹿なフリをしたり、全力でぼけたりした。その結果私は「陰キャ」を脱し、1.5軍に上がることができた。
そこからの私は再び「陰キャ」に戻らないために、自分に嘘をつきながら全力で1軍の人ために働き、そのまま1.5軍を維持しながら卒業した。

高校に入学した時、今度は「陰キャ」にならないために「最初から1軍の人とつるもう」と意気込み、それは成功した。

しかし、高校でようやく手に入れた1軍の席は私の生活を充実させるものではなかった。

私は疲れていた。
誰がどんな基準で判断しているかも分からない上下関係に縛られる。
自分より立場が上の人に嫌われないように顔色を窺う。

そんな風に自分に嘘をつきながら毎日生活することのしんどさに耐えられなくなった私は、自分に嘘をつくことをやめることにした。

昼休みに1軍が集まって昼ご飯を食べる階段に行くのをやめて、一人教室で音楽を聞きながらご飯を食べた。
授業中や10分休憩の馬鹿騒ぎには参加せずに寝ることにした。
無茶ぶりや嫌なことは全て断った。

高校生3年生になった時の私は、もはやスクールカーストの外のはみ出しものだった。
しかし、信頼できる1人の友人と音楽と睡眠は私にとって居心地が良く、自分に嘘をついていた頃よりも遙かに満足できる生活を送っていた。

今でも私は自分に嘘をつかないように生活している。
相変わらず友人は少数だが、中高生時代より信頼できて気の合う友人達だ。

人からの評価や上下関係なんてどうでも良いのだ。
一度きりの人生、自分に嘘をつかずに自分の生きたいように生きたほうが素晴らしいと思いませんか?

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