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Pillips Valdez投手のゲーム中のリリースポイントの変化

 前回の分析では、2020年のDinelson Lamet投手投手の試合中のリリースポイントの変化を集計しました。

  今回は、リリーフ投手のPhillips Valdez投手のデータを集計していきたいと思います。Phillips Valdez投手のBaseball Savantでのページは以下になります。

リリースポイントの高さの変化

 最初に確認するのは、これまで見てきた投球数とリリースポイントの高さの関係です。データを以下の図1-1に示します。

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 投球数が増えてくるとリリースポイントが低くなってくるか?というのが1つのポイントなのですが、数は多くありませんが、所々にリリースポイントの高いプロットがあることを確認できると思います。これは何でしょうか?

 確認のため、リリーフ投手として登板した初回と回を跨いだ投球とでプロットを色分けしたものを以下の図1-2に示します。

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 黄色が初回、赤が2イニング目、茶色が3イニング目になります。リリースポイントの高いプロットはどのイニングにもあるので関係はなさそうです。

 次に、球種別に色分けをしたプロットを以下の図1-3に示します。

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 これで理由がはっきりしました。スライダー(SL)は、他の球種、シンカー(SI)とチェンジアップ(CH)と比較してリリースポイントが高いようです。0.5フィート程なので15cmほど高いでしょうか。

水平方向の位置情報にも注目

 今回もリリースポイントの高さだけではなく、水平方向の位置情報も見ていきたいと思います。リリースポイントを以下の図2-1に示します。

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 個別の球種のリリースポイントを以下の図2-2に示します。

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 さて、本題の投球数が増えることでリリースポイントがどのように変化していくかということで、水平方向の位置情報にも注目するPhillips Valdez投手の投球を、1~10球、10~20球、20~30球の3段階に区切って、リリースポイントを集計したデータを見ていきたいと思います。

 スライダーは投球数が少ないので、今回はシンカー(SI)とチェンジアップ(CH)のデータを見ます。まずはシンカー(SI)のデータを以下に示します。

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 左の図が登板初回の投球、右の図が回跨ぎでの投球のプロットになります。gifファイルで投球数が切り替わっていきます。

 それほど大きなリリースポイントの変化はないようです。

 続いてチェンジアップ(CH)のデータを以下に示します。

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 こちらも大きな変化はありません。Phillips Valdez投手はオーバースローではないことが関係しているとも考えられますが、この辺りはもっとたくさんの投手のデータを見る必要があります。

まとめ

 以上、Phillips Valdez投手のデータでした。投球頻度は多くないものの、スライダーのリリースポイントの高さに特徴のある投手でした。

 Baseball Savantを見てみると、スライダーはほとんど(28/30)が右打者に対して投げられており、得点価値(Run Value)は±0となっていました。こうやってデータの上でリリースポイントの高さを見ることができるからといって、打者が投球モーションの中からそれを判断し必ずしも対応できるわけではないということだと思います。

 次回は、別の投手のデータを見ようかと思います。投手のリクエストなどあればどうぞ。


タイトル画像:いらすとや

使用データ



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