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ワールドカップ-VNL間の女子日本代表の成績比較

 昨年末にワールドカップバレー(OQT: Olympic Qualification Tournament)のデータを共有できるようにしましたが、今回はその中から日本のデータを見て行きたいと思います。

 どのようにデータを見て行こうかと考えたのですが、女子日本代表のデータの分布を、少し前に開催されたネーションズリーグ(VNL)と比較してみたいと思います。

OQT-VNLの比較:スパイク

 それでは、まずは例としてスパイク決定率のデータを以下の図1-1に示します。

 左側がワールドカップ(OQT)で、右側がネーションズリーグのスパイク決定率の分布になります。
 
 データは5セット目の記録を除くセット単位の成績で、●がセットごとのスパイク決定率の値を表しています。背景のピンクの帯は分布の密度を表しており、横に広いほどその近くの成績が多いことを意味します。
 
 データを見ると、ワールドカップ(OQT)が少し高いでしょうか。
 
 次に、同様の集計をスパイク効果率で行ったものを以下の図1-2に示します。

 スパイク効果率も図1-1のスパイク決定率と似た傾向となっています。

OQT-VNLの比較:ブロック

 ブロックについては、得点(図2-1)・Error(図2-2)・タッチ(図2-3)の分布を以下に示します。

 多少ピンクの帯に違いはあるものの、図2-1の得点と図2-3のタッチではそれほど違いは見られません。図2-2のErrorはワールドカップ(OQT)のほうが少し低いでしょうか。

OQT-VNLの比較:サーブ

 続いて、サーブの得点率を図3-1に、Error率を図3-2に示します。

 図3-1の得点率はワールドカップ(OQT)のほうが少し高く、図3-2のError率も少しだけ高くなっているでしょうか。

OQT-VNLの比較:レセプション

 レセプションは、成功率を図4-1に、Error率を図4-2に示します。
 

 図4-1の成功率はワールドカップ(OQT)のほうが少し高く、図4-2のError率はあまり違いが内容に見えます。

OQT-VNLの比較:ディグ

 最後に、ディグについてDigsを図5-1に、Errorを図5-2に示します。

 図5-1のDigsも図5-2のErrorもワールドカップ(OQT)のほうが少し低いでしょうか。

まとめ

 以上、ワールドカップ(OQT)とネーションズリーグ(VNL)の成績を比較しました。今回の分析は、それ自体で何かを主張するというよりは、どこか気になるところが出てこないか全体を概観することが目的でした。いつも分析のための良い方針を閃くことができるわけではないので、そのためのヒントを探すための分析といったところでしょうか。

 読んでみて何か気になる点などあったでしょうか?

 分析に使用しているデータは以下で共有できるようになっているので興味のある方はどうぞ。

 自分は、この中からレセプションとスパイクの関係を来月の学会で発表する予定です。

タイトル画像:いらすとや

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