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セリエA(バレーボール)の年齢と出場機会の関係

 前回の分析で、セリエA(バレーボール)の選手の年齢構成を確認しました。

 今回からは年齢とパフォーマンスの関係を分析していきたいと思います。今回取り上げるのは、「出場機会」です。まずは試合に出場しないことには、パフォーマンスの良いも悪いもないわけで、最初に見るのは出場機会が妥当と考えました。

バレーボールの出場機会とは?

 ところで、バレーボールの出場機会は何を見れば良いものでしょうか?サッカーやバスケットのように試合時間が決まっていれば、コート上にいた時間が出場機会になります。また、野球のように試合時間が決まっていない場合、打席に立った回数や投球回などをカウントとすることができます。

 では、バレーボールでは?という話です。サーブの打数がローテーションが回ってきた回数を反映するので、野球でいう打席数に近い感じもしますが、これではリベロの出場機会がカウントできません。

 出場機会といっても、そう単純に決まるわけではないという話です。今回は、使えるデータの制約も考慮して、セットごとにスタートから出場した回数をカウントしたものとしました。

 セットの途中から出場した回数もカウント可能ですが、スタートから出場した場合とのカウントをどのように調整するか難しかったのと、そもそもバレーボールのメンバーチェンジはピンポイントでの起用が多いように思ったためです。

 この辺りは、今回はできる範囲でやって。出場機会の集計法を改善させることも可能ではあると思っていただけると助かります。では、データを見ていきましょう。

男子1部(A1)

 最初に男子1部のデータを見ていきます。データの期間は2010/2011シーズンから2018/2019シーズンのレギュラーラウンドの成績になります。

 ポジション(Spiker・Middleblocker・Setter・Libero)ごとに、年齢とスタメン出場したセット数の関係を集計しました。まずは、Spikerのデータを以下の図1-1に示します。

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 横の軸は年齢で、右に行くほど年齢が高くなります。縦の軸は出場セット数で、上に行くほど出場したセットが多くなります。

 選手ごとの成績をプロットし、年齢ごとに平均値(mean)と中央値(Median)を求め、折れ線で表しています。

 データを見ると、左から右に行くほど、つまり年齢が高くなっていくにしたがって出場機会も増えていきます。この上昇は30歳の手前で止まって、下降が始まります。ここまでが一般的な選手(Spiker)の年齢と出場機会の関係と見ることができます。

 次に、30歳を超えると出場機会が低下し、35歳手前でまた上昇します。これは、年を重ねるごとで出場機会が増えてくるのではなく、30歳を超えた選手が淘汰され、生き残った特別な選手の出場機会が多いことを表していると考えられます。30歳を超えるとプロットの数が多き減ってしまうこともこれを示唆していると思います。

 この30歳前後が最初の年齢の壁で、次に35歳前にまた壁が来て、最後に40歳あたりで最後の壁が来るというデータとなっていると思います。

 続いて、Middleblockerのデータを以下の図1-2に示します。

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 こちらは30歳手前がピークの山型の関係になっています。野球ではこの手の分析が以前から報告されており、このような山形の成績になることが知られており、このようなデータの形を年齢曲線と呼んだりします。バレーボールでもそれが見られたと考えます。

 続いて、SetterとLiberoのデータを以下の図1-3と図1-4に示します。

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 図1-3のSetterのピークは30代前半あたりでしょうか、図1-4のLiberoはどこがピークなのかはっきりしません。

 この2つのポジションは、SpikerやMiddleblockerとは事情が異なるようです。

男子2部(A2)

 続いて、男子2部(A2)で同様のデータを以下の図2-1から図2-4に示します。

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 図2-1のSpikerは男子の1部(A1)と同じような傾向と見ることができます。30歳を超えると、選手自体の数が減り、生き残った選手の平均値は高くなるという傾向です。

 図2-2のMiddleblockerは、ピークの読み辛いデータです。30歳以上のMiddleblockerが結構いるというデータですが、1部(A1)から流れてきている可能性も考えられます。この辺りはもっと検証が必要です。

 SetterとLiberoについては、男子1部(A1)と似た傾向です。

女子1部(A1)

 次は、女子1部(A1)のデータを、以下の図3-1から図3-4に示します。

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 図3-1のSpikerは、ピークの読み辛いデータです。一方、図3-2のMiddleblockerは男子のSpikerと似た傾向で、最初のピークが20代前半にあるような傾向です。

 SetterとLiberoは男子と似ていますが、35歳以上の選手が少ないのが女子の特徴です。

女子2部(A2)

 最後に、女子2部(A2)のデータを、以下の図4-1から図4-4に示します。

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 図4-1のSpikerは、30歳を超えると選手の数は減りますが、出場機会は横ばいです。生き残った選手は出場機会を維持し続けているというデータです。

 図4-2のMiddleblockerはークの読み辛いデータですが、30歳の手前がピークかなという所です。

 SetterとLiberoは女子1部(A1)と同じような傾向です。

まとめ

 以上、年齢と出場機会の関係を集計しました。まぁこんなものかなという結果です。次回からは、同じようにして具体的な成績を見ていこうと思います。

 今回やった集計の方法は一番シンプルというか、何も手を加えていない集計方法です。他にデータが見当たらなかったのもあり、最初だしこれで良いかなと思っての方法になります。

 年齢曲線の算出にもいくつか方法があり、今回のデータから大きく傾向が変わることは無いとは思いますが、まだまだ改善可能であると思います。

そのあたりは、またの機会、もしくは別の人にお任せしたいところ。

おわりに

 今回の分析で使用したデータは以下のGithubにアップしています。ご自分で分析してみたい方はデータをダウンロードして利用してください。

 今回使用したのはこの中の以下のファイルになります。

 ・Legavolley_playerlist.csv
 ・Legavolley_femminile_playerlist.csv

タイトル画像:いらすとや

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