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続・投球コースとHRの角度と速度

 前回の分析では、投球コースを低・中・高と3つに分け、それぞれでHRとなった打球の角度と速度の分布を図で表しました。

 今回は前回のHRとなった打球にそれ以外の打球を加え、打球の角度と速度によるHRになり易さを求めたいと思います。

HRになりやすさの推定

 というわけで、まずは2017年から2019年までの打球の0°以上の打球の角度と速度からHRとなる確率(HR%)を求めたものを以下の図1に示します。

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 この図は、いつも出しているいらすとやの打者の挿絵付きの図と同じものです。打球の角度と原点からの距離が打球の速度(m/h)を表しています。

 図中の赤が濃いところほどHR%の高い角度と速度であることを表します。また、等高線はHR%が10%、30%、50%、70%のところを示しています。

 図としては、角度が30°を中心として100m/hを超えるとHR%が高くなってきます。120m/hを超えるとHR%が低くなってきますが、これはそもそも120m/hを超える打球が少ないためです。

 度々引用している以下のNHKの番組のバレルゾーンと概ね一致した結果といえるでしょう。

 図1は全てのボールからHR%を推定したものですが、本題はここから、前回と同じく以下の図2に示すように、投球コースを低・中・高と3つに分類し、それぞれでHR%を求めてみたいと思います。

左投手 対 左打者

 まずは左投手対左打者の対戦での分析結果を以下の図3に示します。

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 左から、全投球コース、低・中・高と分析結果が並んでいます。投球コースが高くなるにつれ、打球の角度が30°より小さいHR、つまりはライナーによるHRになり難くなってきていることを見ることができます。

左投手 対 右打者

 続いて、投手対右打者の対戦での分析結果を以下の図4に示します。

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 図の配置は左対左の時と同じです。1つ妙な図があって、投球コースが中(Middle)の図ですが、原点付近と角度が90°で100m/hを超えたあたりのHR%が非常に高くなっています。しかし、以下の図4-2でHRになった打球の角度と速度を確認しましたが、この辺りにHRとなった打球は当然ながらありません。

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 分析方法による仕様なのか、今のところ原因はよくわかりませんが、紛らわしい角度と速度ではないので、ここでは気にしないこととします。

右投手 対 左右打者

 右投手については、まとめて以下の図5と図6に結果を示します。

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 図4の投球コースが中(Middle)と同じような濃い赤の部分が見られますが、以下の図5-2と図6-2で確認できるように、ここでもHRがあるわけではありません。

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 全体的な傾向としては、左対左で確認したように、投球コースが高くなるにつれて、30°より小さいHRが出にくくなるということがわかります。

まとめ

 以上、HRになりやすさを投球コースで比較しました。ライナー性のHRは低めのボールのほうが多いということがわかりました。これは全体的な傾向ですが、個人のHRを見ていく際の比較用として役に立つのではないかと思います。

タイトル画像:いらすとや

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