勝敗と採点の関係
今回は採点についての最後の分析ということで、勝敗と採点の関係を分析したいと思います。とはいっても、以前の分析で勝った試合と負けた試合での採点は比較しています。
当たり前ですが、勝ったチームの選手のほうが負けたチームの選手よりも採点は高くなります。しかし、時には負けた側のチームであっても勝ったチームより高い採点となるようなケースはないでしょうか?
これを調べるためには、勝ったチームと負けたチームの採点をペアで比較する必要があります。以前の分析ではこれが検証できていないので、今回やってみようと思います。
採点の比較
というわけで、今回は試合ごとに勝ったチームと負けたチームのペアを作って、その採点を比較していきたいと思います。その際に行った処理を書いておきます。
まず、採点はSpiker・Middleblocker・Setterポジションごとに比較しました。この時問題になるのが、チームによって採点が着いた選手の人数が異なることです。今回は、ポジションごとに採点の平均値を求め比較することにしました。
それでは、男子1部のデータを以下の図1-1に示します。
左からSpiker・Middleblocker・Setterの採点の平均値の図になります。横の軸に負けたチームの採点を、縦の軸に勝ったチームの採点の値を示しています。
図中の破線は、勝ったチームと負けたチームの採点が等しいラインを表しています。このラインより上側のプロットは勝ったチームの採点が高いことを表しています。一方、ラインより下側のプロットは、負けたチームの採点が高いことを表します。
データを見ると、基本的にはラインより上のプロットが多いですが、図1-1-2のMiddleblockerはラインの下にもプロットが多く見えます。
他のカテゴリでもデータを確認してみます。以下の図1-2から図1-4に同様の集計を示します。
基本的には男子1部のデータと同じ傾向と見てよいでしょう。視覚的な印象だけでは不十分なので、各カテゴリで負けたチームのほうが採点が高かった試合の割合を求めました。このデータを以下の表1に示します。
Spikerで約20%程度、Middleblockerは30%程度の割合で負けたチームの採点が高いということがわかりました。それほど頻度としては多いものではありません。
セットカウントごとに集計する
図1での集計は、全試合を集計しましたが、次は試合の結果ごと、セットカウント3-0・3-1・3-2でそれぞれ採点を比較してみました。
まずは、セットカウント3-0のデータを以下の図2に示します。
図の見方は図1と同じです。図1と比較するとラインの下側のプロット、つまり負けたチームの採点が高いケースが非常に少なくなっていることが確認できます。
続いて、セットカウント3-1のデータを以下の図3に示します。
ラインの下側のプロットが増えたことを確認できると思います。
最後に、セットカウント3-2のデータを以下の図4に示します。
プロットの位置が全体的にかなり下がったことが確認できます。
これらのデータを表1と同じように、各カテゴリで負けたチームのほうが採点が高かった試合の割合を求めたものを以下の表2-1から表2-3に示します。
表2-1のSpikerでは、セットカウント3-1で男女に違いがあります。女子のほうが負けたチームの採点が高い割合が高くなっています。
一方、表2-2のMiddleblockerセットカウント3-0で男女に違いがあります。男子のほうが負けたチームの採点が高い割合が高くなっています。
表2-3のセッターの場合、男女ともに2部のほうが負けたチームの採点が高い割合が高くなっています。
まとめ
以上、勝敗と採点の比較をしました。負けたけど孤軍奮闘したようなケースがどれくらいあるのかという確認をしたかったわけですが、当然セットカウントにも依ることがわかりました。
これで採点の特徴を探る分析はひと段落にして、次回は一連の分析をしてみた講評と批判、選手の評価をどうすれば良いのかという考えをまとめて見ようかと思います。
おわりに
今回の分析で使用したデータは以下のGithubにアップしています。ご自分で分析してみたい方はデータをダウンロードして利用してください。
今回使用したのはこの中の以下のファイルになります。
・Legavolley_playerlist.csv
・Legavolley_femminile_playerlist.csv
タイトル画像:いらすとや
データ元
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