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フライの距離とHRと球場

 前回の分析では、打球の距離のデータとHRの関係を整理しました。

 今回は、このデータに球場の違いを考慮したいと思います。

パークファクターによる球場の分類

 とはいえ、MLBは30チームと数が多いので、1つ1つの球場を見るのではなく、パークファクターに応じて球場を分類し、各グループで距離とHRの関係を見ていきたいと思います。

 パークファクターはBaseball Savantを参照しました。

 このデータから、2021年にHRの出やすい球場の順に並び替え、5つのグループに分類しました。一覧を以下の表1に示します。

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 各グループをAからEの順に名前を付けています。Aが最もHRが出やすく、Eが最も出にくい球場のグループになります。

フライの距離とHRの関係

 それでは、以下の図1-1から図1-5にAからEまでのグループの、フライの距離ごとに結果を集計したものを示します。

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 横の軸が距離にあたり、右に行くほど距離が長くなります。データは距離10ごとに悔過を集計しています。

 それぞれの結果の数は棒で表しており、結果によって色を変えています。

 バレル(Barrel)はHRになりやすい打球の角度と速度の打球を意味します。

 5つの図を一度に見ながら比較するのは難しいので、各グループのバレルとなったフライについて、HRとなった確率を距離ごとに算出したものを以下の図2に示します。

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 距離400を超えたフライの場合、グループAとB、グループCとDとEではHR%にほとんど違いはありません。ここで大きな2つの球場のタイプに分かれるといえます。

 グループAとBの違いは、距離350付近でAのHRが出やすくなっています。

 グループCとDとEの違いは、グループCは距離350付近ではHR%が高く、400に近づくと低くなります。グループDは、400付近のHR%が高いのが特徴です。グループEは、その両方でHR%が低いのが特徴です。

まとめ

 以上、球場によるフライの距離とHRの関係を分析しました。概ねパークファクターを反映した結果でしたが、MLBの球場は両翼の形に特徴のある球場が多く、Coors Fieldのような高地にある球場もあります。こうした個々の球場の特徴を次回はもう少し掘り下げたいと思います。

タイトル画像:いらすとや 


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