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ゲーム中のリリースポイントの高さの変化 ―2020年のJonathan Hernández投手のデータを例に―

 投手のリリースポイントは投球数が増えるに伴い下がってくるというデータから始まり、前回の分析では、2020年の前田健太投手のリリースポイントを見ました。

 分析の結果としては、投球数が増えることで緩やかにリリースポイントが下がることを確認できましたが、個人のデータは誤差が大きく、試合ごとにリリースポイントがこの位置を下回った場合は投手の替え時という判断に使えるようなデータとはいえません。

 とはいえ、前田投手1人のデータを見ただけですので、これから他の投手のデータを見たり、別のデータと併せて見ることで使い道はないか模索していく予定です。

 今回は、2020年のJonathan Hernández投手のデータを見ていこうかと思います。前回の前田投手は先発だったので、今回はリリーフ投手からピックアップしてみました。リリーフ投手の中から Jonathan Hernández投手を選んだのは、登板した試合数より投球回が多かったためです。これは回を跨いでの登板があったことを示すデータで、1イニングのみの登板と、回跨ぎの登板の比較なども見てみたいと思います。

Jonathan Hernández投手の投球数とリリースポイントの高さ

 それでは、Jonathan Hernández投手の投球数とリリースポイントの高さを以下の図1-1に示します。

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 これは、先ほどあげた回跨ぎ、球種の違いを反映せず、全ての投球のデータになります。横の軸が投球数、縦の軸がリリースポイントの高さ(feet)を表しています。

 リリースポイントの他k差が、投球数が増えることで緩やかに下がってきているか……微妙なラインです。

 続いて、回跨ぎの影響を見るため、登板1イニング目と回を跨いだ登板の色を変えたものを以下の図1-2に示します。

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 オレンジが1イニング目、赤が回跨ぎのデータになります。赤い回跨ぎのデータのリリースポイントが低そうですが、重なって見えにくいところもあるので、別々に作図したものを以下の図1-3に示します。

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 やはり、赤い回跨ぎのリリースポイントが低いといえそうです。さらに、回跨ぎであれば10球未満の投球数であっても(前のイニングの2アウトから登板したようなケースではこのようなデータになりやすいと思います)、リリースポイントが低くなっているというのは注目すべきデータだと思います。

球種別に比較する

 ここまでは全投球データを見てきましたが、次に球種別のデータを見たいと思います。 Jonathan Hernández投手の球種の内訳は以下のリンクから見ることができます。

 このデータによれば、シンカー(Sinker)が約半分で、スライダー(Slider)が4割ほどなので、この2球種のデータを見たいと思います。データを以下の図2-1と図2-2に示します。

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 図1-2と比較してもそれほど変わらない傾向かと思います。シンカー(Sinker)とスライダー(Slider)ともに、回跨ぎでリリースポイントが低くなっていることを確認できます。

まとめ

 以上、Jonathan Hernández投手のデータでした。1人目のリリーフ投手のデータなので、現段階で何か言えるわけではありません。次回以降、先発投手とリリーフ投手を分けながら、もう少しサンプルを増やしていこうと思います。

 興味ある投手などいましたら、リクエストいただけると作業が捗りますのでお願いします。


タイトル画像:いらすとや

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