ポイントと採点の関係
今回は採点の分析です。前回の分析では、レセプションと採点の関係を集計しました。
これでセリエAの帳票にあるプレーは一通り分析したのですが、最後に3つのポイントと採点の関係を見てみたいと思います。3つのポイントとは得失点に関わる以下の3つのスタッツです。
1. Point_Tot 総得点
2. Point_BP ブレイクポイント
3. Point_VP 得失点差
1つ目は、選手が獲得した総得点になります。2つ目は、ブレイクポイントということで、サーブから始まるラリーで獲得した得点です。3つ目は、獲得した得点から失点を引いた値で、選手によってはマイナスの値を取る場合もあります。
それではデータを見ていきましょう。
総得点とブレイクポイントと採点の関係
最初にPoint_TotとPoint_BPの分布を確認するためにデータを以下の表1-1と表2-1に示します。
データは男子1部(A1)の2010/11シーズンから2018/19シーズンのレギュラーラウンドの試合結果を集計したものです。Nが人数を、%が内訳を、累積%は内訳を累積したものです。
表1-1では、左側が総得点数で、右側が1セットあたりの得点の分布になります。総得点数では15点未満、1セットあたりのそう得点が4点未満で約80%の選手が該当します。
表2-1では、左側がブレイクポイント、右側が1セットあたりのブレイクポイントになります。ブレイクポイントが5点未満は約70%で、1セットあたりでは2点未満で90%にもなります。
このデータを基準として見つつ、Point_TotとPoint_BPと採点の関係を以下の図に示します。
図は、横の軸にPoint_Totを、縦の軸にPoint_BPを取っています。採点の高さはプロットの色で表しています。この図では、1セットあたりのPoint_TotとPoint_BPに換算したデータを載せています。
図としては色とりどりに混ざっている印象です。この場合、プロットが被ってしまい採点ごとの傾向が見えないので、別々に作図したものを以下に示します。
左から3番目の緑のプロット(採点5.5-6.0)と比べると、これより採点の高いプロットではPoint_TotとPoint_BPの高い位置、つまりは図の右上にプロットが多くなっていますが、表1-1と表2-1を確認すると、これはごく少数の選手のデータといえます。
そういう意味では、大多数の選手の場合、Point_TotとPoint_BPの違いが採点の違いとしては表れておらず、結果として最初の図ではプロットが混在して見えるわけです。
続いて、男子2部(A2)の分布を表1-2と表2-2に示します。
分布の傾向としては、男子1部(A1)と大きな違いはありません。
Point_TotとPoint_BPと採点の関係を以下の図に示します。
こちらも男子1部(A1)と同様の傾向です。
次は、女子1部(A1)の分布を表1-3と表2-3に示します。
女子のデータは、2010/11シーズンから2016/17シーズンのレギュラーラウンドの試合結果になります。男子と比べて分布に大きな違いはありません。
Point_TotとPoint_BPと採点の関係を以下の図に示します。
これらのプロットも男子と大きな違いはありません。
最後に、女子2部(A2)の分布を表1-4と表2-4に示します。
こちらもこれまでと同様、分布に大きな違はありません。
Point_TotとPoint_BPと採点の関係を以下の図に示します。
プロットもこれまでの傾向と同様といえます。
総得点と得失点差と採点の関係
ここまでは、Point_TotとPoint_BPと採点の関係を見てきましたが、Point_BPのところをPoint_VPに変更して同様の集計を行っていきます。
男子1部(A1)のPoint_VPの分布を以下の表3-1に示します。
表の見方はこれまでと同じで、左側が得失点差で、右側が1セットあたりの得失点差の分布になります。得失点差がマイナスになるのは全体の33%ほどです。
このデータを基準として見つつ、Point_TotとPoint_VPと採点の関係を以下の図に示します。
この図は、グラデーションがはっきりしています。Point_VPが高い、つまりは得失点差がプラスになるほど、採点の高いプロットが多く、マイナスになると採点の低いプロットが目立ちます。
採点別のプロットも確認します。
左から3番目の緑のプロット(採点5.5-6.0)と黄色のプロット(6.0-6.5)の間でプロットの違いが顕著になるでしょうか。
続いて、男子2部(A2)の分布を表3-2に示します。
分布の傾向として、男子2部(A2)はマイナスの選手が男子1部(A1)より少なく、得点差がプラスに高い選手が多いことが確認できます。これは1つカテゴリの違いを確認できました。
Point_TotとPoint_VPと採点の関係を以下の図に示します。
プロットの傾向は、男子1部(A1)と同様です。
次は、女子1部(A1)の分布を表3-3に示します。
男子1部(A1)と比較すると、得失点差がマイナスの選手が少なく、得点差がプラスに高い選手が多いことが確認できます。これは、男女差といえる結果です。
Point_TotとPoint_VPと採点の関係を以下の図に示します。
プロットの傾向は、男子と大きな違いはありません。
最後に、女子2部(A2)の分布を表3-4に示します。
女子1部(A1)と比較すると、得失点差がマイナスの選手が少なく、得点差がプラスに高い選手が多いことが確認できます。これは、男子の1部(A1)と2部(A2)でも見られた傾向です。
Point_TotとPoint_VPと採点の関係を以下の図に示します。
プロットはこれまでの傾向と同様です。
まとめ
以上、ポイントと採点の関係の分析でした。どちらかというと得失点差を表すPoint_VPが、採点の違いを反映していたといえそうです。
とりあえずここまで単独のスタッツと採点の関係を見てきました。これらの結果全てを覚えてもらうようなものではなく、機会があれば振り返って見るためのものです。
次回からは複数のスタッツから採点がどのように構成されているかを分析していこうかと思います。
おわりに
今回の分析で使用したデータは以下のGithubにアップしています。ご自分で分析してみたい方はデータをダウンロードして利用してください。
使用したのはこの中の以下のファイルになります。
・legavolley_personal_gamelog.csv
・legavolley_gamelog.csv
・Legavolley_femminile_personal_gamelog.csv
・Legavolley_femminile_gamelog.csv
・Legavolley_playerlist.csv
・Legavolley_femminile_playerlist.csv
タイトル画像:いらすとや
データ元
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?