ブロック得点と採点の関係
前回の分析では、サーブの得失点と採点の関係を分析しました。
スパイク→サーブと来て、今回は最後のスコアリング・スコアであるブロック得点と採点の関係を集計してみようと思います。
残念なことに、セリエAにおいてブロックに関して利用可能なスタッツはブロックによる得点のみです。ブロックに関する他のプレーは『数字に出ないプレー』になります。
『数字に出ないプレー』の重要度は、『数字に出るプレー』の重要度によって決まります。『数字に出るプレー』で勝敗がほとんど決まってしまうのであれば、『数字に出ないプレー』の重要度は低くなります。
というわけで、『数字に出ないプレー』が多くあったとしても、まずは『数字に出るプレー』の性質を知っておくのは大切なわけです。そんな感じで今回のデータを見てもらえればともいます。
ブロック得点と採点
ブロック得点と採点の関係を見る前に、まずは1試合でのブロック得点と、1セット当たりでのブロック得点の分布を確認しておきます。イタリアセリエAの男子1部(A1)の2010/11シーズンから2018/19シーズンのレギュラーラウンドの試合結果より、分布を以下の表1に示します。
左側は1試合でのブロック得点、右側は1セット当たりのブロック得点の分布になります。Nは該当する選手の人数、%はその内訳、累積%は内訳を累積していったものです。
例えば、ブロック得点が2の選手は、採点が着いた選手全体の18.9%で、ブロック得点が2点以下の選手が78.9%という意味になります。当然、得点が高くなるほど該当する選手は少なくなりますが、この後ブロック得点を見た場合に、このくらいの得点だと上位何%くらいの成績なのか、という判断ができるようになります。
それでは、男子A1のブロック得点と採点の関係を以下の図に示します。
この図は、横の軸にブロック得点(1試合分)と縦の軸に1セット当たりのブロック得点の値を取っています。選手の採点はプロットの色で表しており、図の右にある凡例を参照してください。
全体的に黄色い印象ですが、これはプロットが被ってしまっているためでもあるので、上の図で示した採点ごとにプロットした図を以下に示します。
左から2つの低得点の採点の図(採点5.0 - 5.5・5.0未満)は、他と比較するとブロック得点が低い傾向にあります。
右から3番目の緑の図(採点5.5 - 6.0)と4番目の黄色の図(採点6.0 - 6.5)では、黄色の図では1試合で5点以上のブロック得点のある選手が多いことから、高得点の目安といえそうですが、表1を見ると該当するのは全体の5%程度なので、ごく限られた選手の結果といえます。
ブロック得点が5点以下の選手を見ると、右から3番目の緑の図(採点5.5 - 6.0)より右にはどこでもいるといって良いです。
他のカテゴリのデータも見てみましょう。男子2部(A2)の分布を以下の表2に示します。
これを基準にブロック得点と採点の関係を見ていきましょう。
データの傾向としては男子1部(A1)とそれほど変わりません。
続いて、女子1部(A1)の分布を以下の表3に示します。女子のデータは2010/11シーズンから2016/17シーズンのレギュラーラウンドの試合結果になります。
ブロック得点と採点の関係を以下の図に示します。
女子のデータも男子と大きな違いはありません。
最後に、女子2部(A2)のデータを見ていきます。ブロック得点の分布を以下の表4に示します。
ブロック得点と採点の関係を以下の図に示します。
これまでのデータとそれほど違いの無い結果といって良さそうです。
まとめ
以上、ブロック得点と採点の関係でした。どこカテゴリにおいても、トップの5％程度に該当するブロック得点を挙げると、採点の高いグループ(採点6.0 - 6.5)に入りやすくなりますが、これは特殊な例といえます。通常のブロック得点の場合は、他のプレーによって採点が左右されやすいというデータでした。
次回は、レセプションについて分析しようと思います。
おわりに
今回の分析で使用したデータは以下のGithubにアップしています。ご自分で分析してみたい方はデータをダウンロードして利用してください。
使用したのはこの中の以下のファイルになります。
・legavolley_personal_gamelog.csv
・legavolley_gamelog.csv
・Legavolley_femminile_personal_gamelog.csv
・Legavolley_femminile_gamelog.csv
・Legavolley_playerlist.csv
・Legavolley_femminile_playerlist.csv
タイトル画像：いらすとや
データ元
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