映画『ハンナ・アーレント』を見て感じたこと

 みなさん、こんにちは😊T.O.M.O.(とある哲学の研究生)です。夏休みも終わってしまいましたが、みなさんはどのように今年の夏休暇を過ごしましたか?今年も新型コロナの影響で自宅で過ごす方が多かったと思います。私は映画を借りてきて見たり、primeやNETFLIXのオリジナルドラマ・ドキュメンタリーを見て過ごしました!そこで今回は、映画『ハンナ・アーレント』を紹介したいと思います。※ネタバレが含まれていますので、ご注意ください。

 まず、主人公であるハンナ・アーレントについて簡単に解説していきたいと思います。ハンナ・アーレントはユダヤ系ドイツ人の哲学者で、女性の哲学者でした。彼女は、誰でも聞いたことがあるであろう有名な哲学者マルティン・ハイデガーの弟子でした!ハイデガーとアーレントは師弟関係であったんですよねぇ。公共哲学・政治理論家で有名なアーレントですが、彼女はもともとアウグスティヌスの研究をしていました。しかし、彼女はドイツでナチスに追われる身となってしまいました。しかしなんとかアメリカへ亡命することができました。戦後、ナチスなどの全体主義を分析した『全体主義の起源』やアイヒマンの裁判を傍聴して記録した『イェルサレムのアイヒマンー悪の陳腐さについての報告』、『人間の条件』などの道徳哲学や公共哲学・政治理論に関する著作を出版しました。映画ではおそらくアーレントのいわゆる「アイヒマン論争」の前後の時期が描かれていると考えられます。※但し、これはあくまでも私の推測であることを承知ください。

 それでは次にこの映画を全体の流れを簡単に説明したいと思います。冒頭部分では、アイヒマンが逃亡先のブエノスアイレスでイスラエルの諜報機関・モサドによって捕らえられるシーンから始まります。アーレントと夫のハインリッヒがアイヒマンの逮捕のニュースを見て、そしてアーレントはアーレント自身がアイヒマン裁判の記者として派遣することを雑誌『ザ・ニューヨーカー』に申し出ます。アーレントと夫は友人を招き、アーレントのイスラエル行きを祝うパーティーを開きました。無事にパーティが終わり、いよいよアーレントはイスラエルへ向かいました。イスラエルでアイヒマンの裁判を傍聴し、帰国し、そしてその裁判の傍聴記録の執筆にとりかかりました。そして原稿が完成し、『ザ・ニューヨーカー』の編集部で編集作業が行われた。アーレントの原稿の一部に『ザ・ニューヨーカー』の編集者が難色を示した。その部分は後に騒動を引き起こすことになる。しかし、その原稿の部分をアーレントは事実だと言い張り、そのまま出版されることになった。すると編集者の予想通り、多くの読者から雑誌『ザ・ニューヨーカー』に根拠のない批判が殺到した。アーレントの傍聴記録が世間を騒がせているとき、アーレントは別荘(?)にいて、かつての師匠であるハイデガーと面会し、友人メアリーとも会うなどアーレント自身は穏やかに過ごしていた。アーレントが別荘から戻ると、例の出版物が原因で大学から呼び出される。そして講師をやめるようアーレントは言われるが、自身の考えを知らせるために、広めるために、大講義室で講演しました(スピーチ形式)。アーレントはこの騒動で多くの友人を失っていく。しかし、「こうなる(私の推測ですが騒動で友人を失う)と分かっていたとしても、この記事を書いていたか」という夫ハインリッヒの問いにアーレントが「書いていた」と答える場面でこの映画は終了します。以上がストーリー全体の概略でした。余談ですがアーレントとハインリッヒはいつでもたばこを吸っていて、すごいなと思いました(笑)

 今度はこの映画の見どころがいくつかあるので、それらを紹介していきましょう!1点目は、アーレントと夫が友人を招いてパーティーを開いているシーンですね。アーレントが友人をパーティーに招くといつも、ハンスという人と夫・ハインリッヒが議論しているんですね(ちなみにハンスはハイデガーを好ましく思っていない)。2点目は、アーレントがイスラエルに滞在している場面ですね。アーレントはイスラエルでクルドという人とも再開するのですが、このクルドという人ともアーレントは議論しているんですよ(笑)そして3点目は、大学での講義の場面です。アーレントが全体主義について学生たちに教えている場面。アーレントは学生たちから人気が高かったのですね。なので、映画の最後のスピーチでも多くの学生がアーレントの話を聞いていました。次にあげる4点目は、この映画の最も感動する場面だと私が思う場面なんですが、アーレントが大勢の人々の前でスピーチする場面です!アーレントは自身の著作に対する批判に対し再反論するという形で、大勢の学生や大学関係者、友人、市民に演説します。このアーレントの演説の内容がまたいいんですよ!アーレントの思想をコンパクトにまとめた内容になっていましたからね。この演説は視聴者にも訴えかける力があり、生き生きとしたものなんですよねぇ~。ちなみに私はこの部分のスピーチの内容を暗記しました(笑)それくらい何回もこの演説シーンを見ていますw

 最後に映画『ハンナ・アーレント』を見た感想を書いていきましょう!この映画の場合、アイヒマン裁判の傍聴からその裁判記録に関する本の出版(おそらく『イェルサレムのアイヒマン』だと思う。たぶん。)までというアーレントの特定の時代に焦点を当てたのが良かったと思います☆特に「凡庸な悪」が焦点に当てられているので、この映画は「凡庸な悪」という概念を主題にしていて、そしてこの映画はその概念をより多くの視聴者に届けることができたんじゃないかなぁと思いました!「凡庸な悪」については私の記事「しかたなかったと言うてはいかんのですを見た感想」で簡単に解説しているので、そちらの記事をご覧下さい!また、アイヒマンの裁判シーンにおいて実際の映像が使われたのです!なぜ実際の裁判の映像であるということが分かるのは、監督がインタビューで語っていたからです。裁判シ-ンに関しては、当時の雰囲気が伝わっていいと思いました☆ただ、この映画は曖昧な終わり方なので、この映画の終わり方に関しては賛否両論あると思います。

 以上が映画『ハンナ・アーレント』の要約と感想でした!今回もうまく映画の要約ができなかったなぁ(-_-;)アーレントの人間関係はとても広いので、どうしても登場人物が多くなって、要約しにくいんですよねぇ💦それでも最後まで読んで下さったみなさん!本当にありがとうございますm(___)mもっと読みやすい要約ができるように頑張ります!みなさんは今年の夏休暇の間、本を読みましたか?本を読んだとしたら、何のジャンルの本を読みましたか?もしよければ、ぜひコメント欄やTwitterのDMとかで教えてくださいね。それではまた次の記事でお会いしましょう。さようなら!

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