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【身体】不安定な中での安定を探せ

コートの中で動いている時、身体の安定性は時々刻々と変化しています。

腰を落として構えているなら、それは安定状態です。図中で青を使って示した位置にあります。そこから動き出すには、エネルギーを与えてやる必要があります。そのエネルギーの源は筋力です。そして、毎回、安定状態を目指して動くのなら、その都度、大きなエネルギーを必要とします。重いタイヤを裏返すことを想像してください。疲れると思います。

安定状態の他は不安定状態と言えます。ただし、安定状態に近いものから遠いものまで、さまざまなエネルギー状態があります。そして安定状態と安定状態との間には一瞬の準安定状態(数学的に言うと「極大」、微分がゼロの位置、図中の赤位置)が存在しています。
この場所からは右でも左でもどちらに動き始めてもエネルギーを使わずに済みます。エネルギー的には安定な方向に落ちていくだけなので、とても自然な変化となります。理系の言葉で言うなら自発的変化とでもなるのでしょうね。重いタイヤを立てた状態から、平らに倒すことをイメージしていただけるとピッタリです。

僕の理想は、この準安定状態にできるだけ位置してスタンバイすることです。身体の少しの動き出しから始まり、あとは重力によって動き続けます。そして用事が終わったら時間をかけてエネルギーを注ぎ、高い位置へと復帰していくのです。この不安定な中にある準安定状態が素早い動きだしのコツであります。

別の言い回しをしてみましょうか。箒(ほうき)を掌(てのひら)の上で逆さに立てた状態です。どちらにでもすぐ倒すことができます。これが理想系です。いつもゆらゆらとしつつ、いつでも動けるその姿を目指しましょう。

どっしり構える安定性というものは単なる「居付き」に過ぎないかも知れませんよ。以前にも書きました。「腰高上等」

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