CEUL-セル-さん(ボカロP)に聞いてみた。/インタビュー067

ーーCEUL-セル-さんはどのような方なのか初めて見る読者に向けて自己紹介をよろしくお願いいたします。

UTAUを使ったDTM作曲をしています！とはいえ制作ペースがゆっくり過ぎて、未だにYouTubeもニコニコ動画も始められていない、Xに住み着きし音楽好きです((


ーーCEUL-セル-さんの代表曲もしくはお気に入り曲は？

未来の代表曲の話をしますね(まだ曲を出せていないので…)
今年の夏に、｢Summatrix｣というオリジナル曲を投稿します。断言しておきます笑

曲自体は昨年の夏に出来上がっていたのですが、動画がないことに気付き投稿ならず。１年かけて作れるようになってやろうと勉強しています。ただいま絶賛動画制作中です！


ーーなぜその曲をあげたのか、訳を伺えますか？

初めての曲で、僕の始まりの曲になると思います。作曲を始めたのが１年半ほど前、つまり一昨年の夏でした。この曲の大元はその頃に作りました。僕は夏の曲を抱えたまま、２回も夏を越えてしまったんですね笑

本当に爽やかで明るい曲です。僕にとって、まさに初心に帰れるという感じ。まだない曲を語りましたが、楽しみにしていてください！


ーー楽曲の製作はどのようになさったのでしょうか？

僕が作曲をする時はいつもそうなのですが、まずはスマホの作曲アプリでラフを作ります。それをDAWソフトに打ち込みながら音作りをし、ボーカルパートをUTAUで作り、合わせて編曲してMixして…という感じです。

あまりにも初心者で、一番最初の段階ではコードを初めて知って、コード進行やってみた！のレベルでした。不協和音ったらない。ある程度勉強した上で直しました笑 なんだかんだ時間をかけてしっかりと形になりました。


ーー作曲作りをスマホのラフというのは、音符でなんでしょうか？それとも鼻歌で音感のような感じでしょうか？

僕が利用しているのはmusicLineというアプリで、簡易的なDAWのように使っています。メロディから考えるのですが、自分で歌ったフレーズをチューナーで測って、それをアプリ上の楽器で打ち込むところから行います。音感はないのでいちいち測定しています…笑 メロディを軸にスケールを割り出し、コードの流れを決め、ざっくりと形を作っていきます。そこは聴いた感じの印象に頼り、トライアンドエラーで進めます。


ーーなぜ音楽を始めようと思ったのかきっかけから現在に至るまでの経緯を伺えますでしょうか。

ほんの一瞬だけ、演劇をやっていまして、しかも監督側だったんです。偶然にも登場する楽曲をオリジナルで作ろうという話になり、必死になって作ったのを覚えています。経験もないのにウキウキで作り出し、結局歌詞とメロディだけ作って音響制作プロの方に丸投げしました。

そんなことがあってから時が経ち、昔から好きなボカロ曲を聴き漁っていたある日、なぜか自分にも作れるんじゃないかって思い立ったんです。演劇で曲を作った時に使った作曲アプリをインストールし直し、作曲の基礎を調べ倒し、とにかく行動が早かったです。

UTAUと出会ったのは作曲を始めてからで、最初は無料版ボカロソフトくらいに思っていました。しかし一度触れば沼、どこまでも突き詰められる、どこまでもこだわれる。すっかりオタクです。ボカロも使ったことはあるのですが、僕にミクさんはまだ早いなと笑 UTAUの操作感が僕と最高に相性が良いんです。

そして現在も制作しながら新しいことを学び取り入れ、やっと作曲の｢さ｣が見えてきた所です。作曲の楽しさを日々感じています！


ーー演劇をなさっていたとのことで、その当時と今の製作の相違ってございますか？

演劇をやっていた時は、自分の作るものにたくさんの人が関わってくださりました。楽曲を作る際も、アイデアの段階から複数人で話し合いながらイメージを固め、僕が形を作り、ベテランの方に仕上げていただくという協力のおかげで制作することができました。

対して今の作曲活動は完全に個人で取り組んでいます。そこに１人で行うしんどさは全くなく、自分のために自分だけが分かる世界観で自分のセンスを育てる、個人だからこその楽しみ方で制作と向き合っています。

イメージを形にする創作という面では演劇も作曲も同じなのですが、チームか個人かという点で表現の自由度やできることの幅が変わるなと感じます。僕はどちらも経験し、どちらでの創作も好きだなと感じています。


ーー趣味などでよく聴く、好きな音楽とその曲名は？

基本ボカロばっかり聴いていますね。好きな曲なんて答え切れないほどありますが、ここで数曲挙げるとするなら
・罰ゲーム (くるりんご様)
・モラトリアン (KEI様)
・Black Out (*Luna様)
・snooze (wotaku様)
です！


ーーその訳は？

｢罰ゲーム｣は僕が初めて聴いたボカロです。人間が歌った歌声じゃないという認識も果たしてあったのかというほど、自然に耳に馴染んで聴いていました。すぐに｢罰ゲーム｣が収録されているアルバム｢VOCAROCK collection 4 feat. 初音ミク｣を購入し、そこで出会ったのが｢モラトリアン｣です。ちょうど歌詞が刺さる年頃で、とても支えられていました。

｢Black Out｣と｢snooze｣は割と最近の好きな曲ですね。｢Black Out｣は初めて聴いたとき、僕を包み込んだ空間の広さに心を奪われたんです(？) この曲は聴くのも歌うのも好きです。そして｢snooze｣はとにかくあのサウンドが格好良い。言葉から音から、独特の世界観があって好きです。


ーー楽曲製作の際に、プラグインや楽器などで調整をすると思いますが、どのプラグでよく調整なさっているのか名称を伺えますか？

僕、実は楽器できないんですよ…笑
なので全てDAW内のインストゥルメントを使って音を作っています。しかもDAW備え付けのプラグインしか使っておらず… あるもので可能な限りを尽くすという環境が好きなので、全て使いこなして飽きがきたら、その都度足していこうと思っています。


ーー自分が持っている楽器や機材の種類、商品名、なぜ購入したのか簡単にお聞かせください。量が多い場合は主なので大丈夫です。

楽器や機材はないに等しいので、僕が使っているソフトを紹介します。

DAWはStudio One 5。操作感が分かりやすくて好きなのでこれをずっと使っています。
そしてUTAU。相棒です。NECTO、塩音ソル、仄歌エリー、祈音イヴをお迎え済みです。完全に声で選んでいます。まだまだUTAってもらいたい子がたくさんです！
動画制作にはAviUtl。まだ使い始めたばかりでお勉強中です。面白い…


ーー今後の活動予定。目標や夢をお聞かせください。

僕の目標は、楽曲、イラスト、動画、全て自分で手掛けたオリジナル曲を生み出すことです。クレジットの名前全部僕にしたい笑 単純に全部自分でできるって最強ですよね。なので１曲にとても時間がかかります。それが楽しい。

しかしいつまでも曲を出さないのではまずいので、今年の目標として、８月に投稿。なんならボカコレ夏、出ちゃおうかな！なんて考えています。

一歩ずつ着実に、密かにマイペースに頑張ってまいりますので、どうぞ応援よろしくお願いします！

ーーインタビューをお引き受けいただき、誠にありがとうございました。