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コロナにかかった猫のくしゃみが人へと感染。最初の報告はタイから。

猫がくしゃみをしていたら要注意だ。
普段は寝ていたり、毛づくろいなど、人間にとって癒しの姿を見せてくれる猫が、コロナに感染して人へと感染したとタイから報告があった。

タイの獣医師によると、感染した患者が所有する猫にくしゃみをされた後、コロナと診断され、猫から人へと感染したと示唆されました。遺伝学的研究からも、飼い主から猫へ、そして猫から獣医師へのコロナ感染の仮説を支持するものでした。

パンデミック初期から、猫が感染性コロナウイルスを放出し、他の猫に感染する可能性があるとされていました。そして、パンデミックの過程で、各国は数十匹のペット猫にコロナ感染を報告がありました。しかし、猫から人へ、または人から猫へとウイルス拡散経路を確立するのは難しいとされていました。
今回の出来事で、パンデミックの規模、動物種間を超えるウイルスの能力、および猫と人間の密接な接触を含めて考えると、感染が起こり得ることは十二分に予測されていましたが、立証までに長い時間がかかってしまいました。

Emerging Infectious Diseasesに2022年6月6日付けで掲載された内容では、偶然に起こった出来事だったと、タイ南部のハットヤイにあるプリンス・オブ・ソンクラ大学の感染症研究者で医師のSarunyou Chusri氏は記している。
2021年の8月に、コロナの検査で陽性反応を示した父と息子が、同大学病院の隔離病棟に移送されてきました。彼らのともについてきた飼い猫の鼻からも粘膜を綿棒にて採取し、RT-PCR検査を行った結果、陽性反応を示しました。拭き取られている間、マスクと手袋を着用していたが、フェイスシールドやゴーグル等の保護具を着用していない女性獣医の顔にくしゃみがかかってしまっていました。
その出来事から3日後、女性獣医は発熱、嗅覚、咳を発症し、その後コロナの陽性反応を示しましたが、彼女の濃厚接触者は誰もコロナを発症しておらず、彼女は猫から感染したのではないかと疑問を抱きました。
さらに、女性獣医が働く動物病院で30人全員の接触者追跡調査では、大型動物部門で働いている獣医師がコロナとの接触が1件追加で特定されました。この男性獣医は猫が到着する1日前に発熱し、COVID-19の陽性反応を示していました。
彼は、女性獣医または猫、その飼い主の二人との直接的または間接的な接触を報告ありませんでした。
そこで、ペアワイズ式遺伝子解析をすると、猫とその飼い主、そして猫から感染したとされていた女性獣医から得られたウイルスゲノム配列は同一であったが、男性獣医から得られたウイルスゲノム配列とは異なっていたことが判明しました。

今回、獣医の対応はフェイスシールドやゴーグルの保護具なしの簡易的なN95マスクを着用だったため、露出した眼の表面に猫から排出された飛沫がついてしまい、コロナ感染してしまう、感染対策に対して脆弱だったため起きてしまった出来事でした。この感染から、眼の伝染の可能性と、人間や動物との近距離ではマスクに加えて保護ゴーグルやフェイスシールドを着用することの必要性を意味している。
しかし、このような猫からヒトへの感染のケースはおそらくまれであるとも言われており、他の研究によると、感染した猫はウイルスをあまり流さず、数日間しか流さないことが示されている。

Chusri氏は、感染の疑いのある猫を扱う際には特別な予防措置を講じる必要がある、だからと言って飼い主である人々は猫を捨てるのではなく、もっと世話をするべきですともは言っている。

猫以外の動物を挙げると、ヨーロッパと北米の養殖ミンクが、最近の報告では、コロナに感染したミンクからオランダの農業従事者へ、動物からヒトへ感染したとの報告があった。実験では、牛や豚、ウサギなども含まれている。
自然感染としては、犬や大型のネコ科もリストに入っており、猫が追加することで、コロナウイルスは人獣共通感染症の可能性についての理解が広がっていくだろう。
 
猫からヒトへの感染のケースはおそらくまれな出来事であり、動物はまだウイルスの拡散に重要な役割を果たしておらず、明らかに、依然として人間がウイルス感染の主な原因と締めくくっている。

参考文献

新型コロナウイルス感染症について(動物を飼っているみなさまへ):農林水産省 (maff.go.jp)

動物における SARS-COV-2 感染
summary-6.pdf (maff.go.jp)


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