見出し画像

人間そう簡単には変わらない

ジャンル関係なく音楽が好き、バンドが好き。
そうなれたのはやってきたバンドの活動、周りにいた人たちの影響がほとんどなのは間違いない。

途中加入で2007年辺りからTHE SNEEZEでベースをしっかり始めた。それまでは音楽はやるものっていうより聴くもの。テニスに全てを注いでいた。

ただのめり込んだら止まらなくなるのはわかっていた。弾けるようになるだけでも嬉しかったけど、"ライブ"の達成感というか気持ち良さを知ってしまうと…。月10数本のライブをやり続けた。そのお陰もあったのか後半の方は少しお客さんも増えていてまた違うやり甲斐も感じていた。

20代のほぼ全てを注いだし、犠牲にしたものもたくさんあった。お金も時間も友達も好きな人も。けどそれを上回る出会いや経験、かけがえのない時間を過ごせたと思っている。2016年7月5日に解散。

ミニアルバムリリースツアーファイナル終了後に発表



この先何をやるのか何も考えていなかったから時間があればライブハウスに行って友達のライブを観て打ち上げ出て、の日々。家にも帰らずそのまま仕事行ったり行かなかったり。本当にやることが仕事しかなくて暇だった。いつもなら土日になればどこかへ行ってライブ。地方に行くなら夜中に集合、朝集合は苦手だった。そんな生活をしていたからか車で寝るのが好きになった。今でも乗り物系はすぐに眠くなる。

そんなろくでもない日々を過ごしてると「何かグッズとか追加で作らないんですか?」などのDMが来るようになった。解散したバンドのグッズを作って収益出すなんてやりたくなかったし、他のメンバーにも悪い。でもデザインして手刷りで作るあの時間、作業は好きだった。買ってくれる嬉しさも。

その頃友達が自身のブランドを始めたりしていることを知った。かっこいいグラフィック、ロゴにオリジナルタグ。ショップカードにステッカー。自分にもできるかなーと思いつつもブランドとしてやるには特にこれっていう芯も理念もないし、作るのが好き、服が好きってだけだから趣味の延長線上としてやってみようと始めたのが"POP AS FUCK"。これは直訳で"死ぬほどポップ"って意味で決して悪い言葉ではない。FUCK のイメージを壊すのは大変。多分これは今も続いている。(笑)

100回近く引っ越しをし、好きな街を転々と旅した北斎にリスペクトを込めたロゴ

しかしこういうものを続けるってのは超大変。
元々燃え尽き症候群的なとこがある僕は作ったものを買ってくれる方々がいて、わーっと一瞬売れたのはいいものの次作を考えるとか、常に新しいものを生み出さないといけないループについていけなくなる。2018年辺りはかなり頑張っていて周りと違う動きをしたいってのもあり、古着にプリントしたり、リクエストに応えてオリジナルの物を作ったり。"ブランド"との差別化を考えたりしていた。


1番左でベースを弾いている。全員顔を出さずやっていたバンド。


そしてこの時はベースでサポートを始めてみたり、YONA YONA WEEKENDERSがふわ〜っと始まったり、2017年にはTHE SENSATIONSに加入。バンドをやることができていたってこともあり正直手が回らなくなり始める。バンド2つに趣味の服作り。たまーにいただくデザインの依頼。ちゃんと考えてるつもりだったけど、魅力のない物を生み出してしまったり、なんとなくで作ってしまった物があったなと振り返ると思う。

THE SENSATIONS


同世代でやった渋谷でのポップアップ。この時はまだ色々と作ってたかな。(笑)


ポップアップなどをやっても滑り狂ったり、何も売れなかった時もあったし、一緒にやったブランドがバカ売れ、僕のはせいぜい5、6枚。何が違うのか、ダメなのか、全くわからず、どこにぶつけたらいいのかわからない悔しさ。惨めにも感じた。売れ残ってしまった服を友達にあげる申し訳なさ。多分この辺りからあまり意識がいかなくなってしまったようにも感じる。ギリあるやる気でただただ止まらないように、という感じで。


2016年からふわ〜っと始まったYONA YONA WEEKENDERSのスタジオ。ギター初心者のため何をやればいいのか、アンプの電源の入れ方もわからなかった。スタンバイってなんだよ。とりあえず言われたフレーズをただただ弾き続けた。が、うまくいっていないことはわかってた。演奏もライブも完全にハマってない。スタンスだったり心持ち、不安。どうにかたどり着いた"誰もいないsea EP"。

2018.09.14に下北沢ERAでオールナイトイベントを開催。飲み放題で500杯以上酒が出る。がCDは全然売れなかった。

軌道に乗るかと思いきやあまりライブもやらず…。たまーにホームページにライブの誘いが来るものの、なんか違うよね?の連続で断ったり…誘われるイベントは友達や先輩のメロディックやパンク、ハードコアのライブばかり。大丈夫なのか?というか僕らはそれでも良かった。好きだし楽しいから。それしかなかった。

THE SNEEZEの時からお世話になってるイベントDANCE MY DUNCEに出る機会があった。
YYWの他のメンバーも前身バンドで出ていた所縁あるイベント。この日に某流通会社の方が観に来ていて「今度ゆっくりお話しませんか」と。ついに来たか?と磯野と2人で事務所にお邪魔した。その時に話に出たのが"サブスクリプション"。僕らは何も配信していなかったし、誰もやっていなかったからそんなに興味がなかった。
ライブをたくさんやってるわけでも似たようなジャンルでかたまるわけでもない僕らにはたくさんの人に聴いてもらう手段はそれしかなかった。何もわからなかったのであらゆる手配を全てお願いした。

数日後Spotifyで見てみると1万人くらい聴いてくれてて何が起きたんだ状態。ラジオでも流れてたよって話も聞く。著名人が流してくれていたり、プレイリストに入ったのが大きかったとのこと。めちゃくちゃ嬉しかったけどライブには人が来ない。(笑) でもようやくできた音源が嬉しかったし、いわゆる"シティポップ"と呼ばれるバンドが出るイベントにも呼ばれるようになった。

THE SENSATIONSではメンバーになって初の音源も作った。こちらも悪戦苦闘。観てた聴いてたとは内側に入ってやるのとでは全く違う。ここが後から加入することの難しさ。グルーヴの違いと上手く弾けない状態で続く活動に納得がいかず…。練習どうのこうのの話じゃない部分だからとにかくやるしかない。意地でもついていく、その中で自分の色をどう出していくかって日々。センセーションズでの経験はかなり大きい。
その中でもとてつもない経験がフロリダツアー。

フロリダでLPリリース
FEST17にて

初めての海外がバンドでのツアー。
間違いなく人生において大きな経験だった。
あんまり海外のバンド知らない僕でも知ってるバンドが出ていたり、身の回りのバンドからしても憧れのフェスに出ることができた。日本との違いもたくさんあってライブ、音楽に対する考え方、楽しみ方、色々見て触れることができた。

バンド2つのライブ、間に解散したTHE SNEEZEのライブを挟み、ポップアップなどのイベントでも動き、バタバタしていた最中、YYWのYouTubeを見たと、ある事務所から連絡をいただく。次のライブに来るらしい。どんな奴かな、とか話してたけどそこまで大きな期待はしていなかったと思う。その日は北浦和KYARA。ライブ終了後に連絡をくれた方と話した。僕らが想像していた大人とは違い、だいぶフランク。嫌な話もない。しっかり聞いてみるかと後日改めて恵比寿で会う。1軒目のYONA YONA BEER WORKSからのド洒落たNOSというお店へ。洒落た人しかいない異空間にYYW一同は縮み上がる。

カーテンのかけられた個室でほっそいグラスのジャスミンハイをいただく。高ぇ。マジかよ、ご馳走になっていいのか?とか思ってたけど気づいたらめちゃくちゃ飲んでて結局いつも通り。その日にマネージメント契約が決まる。僕はいきなり事務所に泊まる。人間そう簡単には変わらない。

全員働いているということもあり、センセーションズもYYWもそこまでライブは多くはない。極端に増えることもあまりない。地方に行くことも少なかったから都内近郊でのダブルヘッダーも余裕。どちらも同じ日に呼ばれたこともあったしそこからのオールナイトもあったりで1日3本ライブしたこともある。今年の7月にはYYW仙台終了後に下北沢でセンセーションズのライブをした。どちらもやりたいし、やろうと思えばどうにかなる。メンバーやイベンターの方には多少迷惑がかかるかもしれないけど(笑)

そこからYYWはリリースが続き…2019年11月に1stEP"夜とアルバム"、約半年後の2020年6月に2nd EP"街を泳いで"、さらに約半年後の2021年1月に3rd EP"唄が歩く時"をリリースした。その合間に7インチカットされたシングルも出せたりと充実。だけどものすごく大変だった。ずっと新曲作り、毎週のスタジオ、追いつかない技量、足りない機材。不安や不満が溜まりよくない方向にいったり…。マネージメントしてもらうことの凄さ、必要さも感じたけど、そこに応えられる時間だったりマイペースじゃいられないことが嫌になったことも。

1st EPから4枚の7インチ

ここで気づいたのがセンセーションズをやっていることによって出る心の余裕、持ち方。ベースは長くやってきたから不安要素はなく、むしろベースラインも少し替えたり、機材も新しくして楽しみが増えたり。メンバーで飲む時間だったりふとした瞬間が全てを忘れさせてくれる。センセーションズの周りのバンドは年下もいるけど圧倒的に上が多い。かっこいい大好きな先輩でもあるし、勝手に兄貴のような感じを抱いている。くだらない話を聞くのが楽しい。

この辺りで2バンド並行してやることは大変だということより、必要だ、と考え方が変わり、YYWの3rd EP辺りのレコーディングからは少し気が楽になった。まぁ1つ山を越えたら2つ目が出てくるのであるけれども。(笑)

POP AS FUCKとしてもある種どこか振り切ったスタンスに変えて、より好きなことを掘り下げたデザインのラインナップに変わった。以前はどこか乗っかろうとして所謂"ロゴモノ"を作ろうとしていたけど出ないもんは出ない、無理に作ることはないと。世田谷区に引っ越してきて隣駅の経堂でやったポップアップはまさかの家みたいなところでホームパーティーみたいになっちゃったり。けどたくさんの人が来て、話して、飲んで、服買ってくれて、ルーツの説明したり。そんな時間が最高だからやってるんじゃーんと原点回帰。やっぱりなんでもそうだけど続けてたらいいことあるし、良い方向に進む。問題なし、下がった分だけあとは上がるだけ。シンプルなこと◎
やりたくない時はやらなくていい。好きなものを嫌いになるようなことしてどうすんのってこと。

ポップアップにて。マジで家。土足厳禁。
その日のラインナップ。可愛い。
窓際にセンセーションズのLPとYYWのEPたち。

コロナ禍ってものに突入して大好きなライブを奪われて配信ライブなんかもやったけどやっぱり味気なかった。本当はやりたくなかったけど割り切ってやってた。観てくれてる人は少なからずいるわけだし、こういう手段もあるんだ、と飲み込み自分を納得させながら。

YYWとしてはここからいくぜー!な雰囲気の時、センセーションズはライブが接近戦なため、コロナ禍で止まってしまった数年は悔しかった。けどこの期間で新たな作曲方法だったり、スタジオワークで曲がスムーズにできたり、ゆっくり考える時間ができた。いい方向に考えるしかないってことだったかな。

このコロナ禍突入数ヶ月前に30歳になり結婚もした。結婚生活速攻引きこもり、超退屈だったなー(笑)新婚旅行的な感じで北関東食い倒れツアー行こうとしてたのに行けなくなり、趣味の散歩もできず。近所歩くのも不安だったな。なんだったんだろあの時間は。昼間に人がいない街はちょっと怖かったね、今思うと。

そんな中どうにかこうにか少しずつ動き出し、YYWは2021年4月7日、ヨナの日にメジャーデビューする。

結成時に写真を撮った場所、BURGER VOWSにて新アー写。

この4人でのメジャーデビューは正直めちゃくちゃおもしろい。こんなに陽の目を浴びることになるとは…誰も予想していなかったことでしょう。
メジャーデビュー1発目のライブ4/8吉祥寺にて飲みすぎてマネージャーと喧嘩、2名ほど脱◯と何もかも結局いつも通り。人間そう簡単には変わらない。

この頃センセーションズも動き出し、ライブを再開。その間にできていた曲もレコーディング。
ドラムも代わり、曲調にも少し変化が出てきていた。Less than jakeとのスプリット7インチリリースや海外コンピへの参加。海外での3rd Wave Skaの盛り上がりの中に少し巻き込まれた感じ。
いい経験ができている。

Less than jakeとのスプリット7インチ。
RAZORS EDGE主催STORMY DUDES FESTAにて。

ここ数ヶ月、ライブも増えたり新しい出会いもあり。この4人での新たな作品を作れることもとても楽しみ。東海、関西で賑わいを見せる若いシーンの中に入ってやってみたさもある。ちょっとずつ関係を作れているバンドもいるけどもっと新しい出会いを求めていきたい。現場でしか感じることができないあの感じ。行きたいライブハウスもたくさんある。

コロナ禍でのスタジオワークでYYWは必死に曲を作り込み、初となるアルバムを完成させた。

2021.11.03 1st Album "YONA YONA WEEKENDERS"

YONA YONA WEEKENDERSとして初めてのリリースツアーを行う。福岡、大阪、東京。全箇所ソールドアウト。初めて行く福岡、全然行ってなかった大阪にたくさんの人がいることが不思議で仕方なかった。あと各地マジでお酒奢ってくれる。本当にありがとうございます。何より嬉しい。東京はさらに追加公演でWWW Xも。こちらもソールドアウト。だがライブに対して"ライブ感"をより求める僕はここでもマネージャーと揉める。こればっかりは仕方ない。(笑)

本当にここ数年はいろんなことがありすぎて一瞬で過ぎていく。YYWのアルバムが出たと思ったら今年の4月には1周年を記念してLP化。色々こだわってクリアオレンジヴァイナル仕様に。音源のマスターを作る現場にもお邪魔した。貴重な経験をさせてもらってる。

POP AS FUCKではポップアップツアーを高円寺と名古屋で開催。

友達のブランドと共催。
POP AS FUCKの新作を持っていかないという暴挙。散歩ライン"Strolls"を急遽展開。

ひたすらに楽しんだ3日間。
しれーとチャレンジをしてみて自分的には納得。これでいいよねーの感覚を得られた日。
あとはひたすら遊びに来てくれる友達からの差し入れの酒を飲み続けた。それに尽きる。

こうして3つのことを動かし、仕事をし、妻との日課の散歩を週末にかます。ようやくできあがった自分なりのライフワーク。もちろんキツイ部分も出てくるけどそこはこの数年で学んだ"ダメならやらない、素直に折れること"精神で乗り切る。楽しいことだけを追求するってことに振り切ってからはかなり楽。35歳までにやりたいことの目標があってとりあえず薄ら動いてみる。どうなるかわからない世の中だし時には流れに身を任せて〜。

なんとなくここ数年のまとめみたいな週末を過ごせたような気がしたので振り返りつつ書いてみました。あと少しでSkreamで書いてるコラムが終了するのでこのノートにたまに記録します。ツイッターはなんか告知ばかりだし、インスタも長文って感じじゃなかったので!

時の流れを感じるいいイベントだった。"あの時"の"あの感じ"でした。
ここまで来たぜYYW。もしかして売れちゃう?
人間そう簡単には変わらない。

少しでも僕に興味を持ってくれている人がいるなら期待に応えたい、そう思いました。捻くれる必要ないよね、もっと素直に純粋に◎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?