タッチ・ミー・ノット 〜ローラと秘密のカウンセリング〜
2020年7月31日(金)シアター・イメージフォーラムで鑑賞。
ベルリン国際映画祭のグランプリ作品という点に興味を持って鑑賞したが、とても奇妙で不思議な雰囲気の映画であった。
人と触れ合うことに拒否反応を示す(脅迫性障害)を持つ主人公・ローラが、身体障がい者のカウンセリングチームに出会い、無毛症・脊髄性筋萎縮症などの人物がどのように人を愛し、セックスをするのかを物語として描くのと同時に、監督自身がインタビュアーとして登場し、それぞれの登場人物に質問をするというフィクションとノンフィクションが交差する本作。
インタビューのシーンで監督(質問者)がカメラのモニターに写る自分に向かって話す描写もあるが、この作品は「性」という領域で、マイノリティの人々がどのように考えているか、を今一度自分自身で捉え直すことがテーマであるように思える。
監督であるアディナ・ピンティリエ氏もインタビューにて「鑑賞者が人間についての知識を深め、それぞれの親密な関係に関する経験と考えをあらためて評価する」ことがこの映画で作ろうとしていたことであるそうだ。
自分自身と体の形が違う人をどう思っているのか?何が自分と違うのか?
その問いと同時に、自分自身を肯定することの重要性を説いた非常に意義のある作品だと思う。
決して娯楽作品ではないが、18歳以上(R18のため)の様々な世代に見て欲しい。
( Y.K )
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