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世界文化遺産・三内丸山遺跡を中心にめぐる青森旅【夏の日の2024 #3】

(前回の記事)

北海道&東日本パスの旅3日目になりました。青森駅から超近い4畳半の旅館に宿泊し、今日は青森市内観光です。一昨日と昨日は350kmずつくらい移動しましたが、今日はそこまでではないので、幾分かはお気楽です。

まずは三内丸山遺跡へ。青森に来るのは3度目ですが三内丸山遺跡は初です。
青森駅のひとつお隣、新青森駅からはバス「ねぶたん号」が1時間ヘッドで出ていて、一律300円、三内丸山遺跡までは15分ほどです。大休パス期間などの多客期は30分ヘッドで出ているようです。途中青森県立美術館を経由しますが、気温が幾分か落ち着いているうちに遺跡から行くことにしました。最高気温30℃らしいですからね。
あ、青森市営バスだと同じ区間で310円取られますので、節約志向の方は徒歩 or ねぶたん号です。

結論からいうと、特別展も入れるチケット450円はコスパばっちりで見応え十分でした。これぞ大学生の特権というやつです。50分のガイドツアーに無料で参加できますし、常設展だけなら200円しかかかりません。

三内丸山遺跡の公式ガイドツアーや一般のツアー客もいますので、しれっと勝手についていくのもありだと思います。
で、外に野ざらしになっているのは復元されたものばかりで、明らかに入っちゃまずそうな、いかつい研究施設感を醸している建物こそモノホンです。こっちがメイン。

管理棟かと思わせる風貌。

風雨や乾燥から守るために屋根で覆っているそうで、中は気温や湿度が一定に保たれています。涼しい。
これは上の写真の掘立柱の足元の本物です。穴の中には水が溜まっていて、おそらく地下水だと思われます。

こちらには大量の土器の破片がそのまま保存されています。

ここに入らずしてどこ入るねんという感じです。掘立柱建物だけみるのはあまりにもったいないです。

ところどころで発掘作業を行っていて、縄文遺跡で有名だが実は平安時代の遺跡もあるらしい。ギャラリー向けの解説では「昨日見つかって」とか言っていて面白かったです。
下の写真はお墓の発掘作業。日本は土壌が酸性ゆえに骨は出ませんが、水中など酸素が行き届かない場所や、貝塚などカルシウム成分が豊富な場所の下などではまれに見つかることもあるそうです。
また、ひすいなどの装飾品が見つかることがあるが、底から出てきたわけではないゆえに遺体と一緒に埋葬されたかはわからないとのこと。たまたま紛れ込んだということも十分に考えられるからです。

発掘作業真っ最中。

発掘作業では、目的のものがどこにあるかわからないので、小さなスコップで土をちょっとずつ取り除いていくんだそうです。墓は石があるとわかりやすいのですが、土の色の変化も頼りになるんだと解説されました。

中に入れる竪穴式住居も多くありました。

入り口は狭いですが、中に入ると身長180cmの私でも立てるくらいの広さはありました。

「縄文家づくり体験」

注意点としては、日陰が皆無ですので、真夏に来ると大変な思いをすると思います。それと、休憩所はほんとにトイレだけで見るものはゼロです。昔は展示室があったようですが、入口の時遊館に集約したと書いてありました。

お次は青森県立美術館へ。歩いて400mくらいでしょうかね。

館内は棟方志功の作品などを中心に数多く展示されていて、棟方の作品はご遺族の意向により撮影が自由となっています。

で、有名なのがこちら「あおもり犬」。
見に行く方にアドバイスです。ここまで行くのに階段を上って降りてを数度繰り返さなければなりません。なんでこんな場所にあるんかね!!!と言いたくなる場所にあります。館内からもガラス越しに見れますので、それでいいやという方はあえて外に出る必要はないように思われます。この像以外に特に何もないですし。

美術館の入り口といい、館内といい、現代アートってどうして階段がこんなにも好きなんでしょうねと素人目には思ってしまいます。主語がでかいでしょうか。

ここまではチケットを購入することなく無料で見ることもできます。

美術館は特別展示も含めたセット券で1,200円でした。三内丸山遺跡と合わせて1,650円と考えればまあいいでしょう(美術館の方高くね、とは言わないでおきます)。

青森駅まで戻って遅めの昼食。青森駅の駅ビルが最近新しくなりましたね。サイゼリヤのドリンクバーは列車の発車を待つのにちょうどいい、ありがたい存在です。ランチだとスープバーつき。

二日酔いのため今日は休肝日。水分を多めに摂取してアルコールを流していく作戦。

津軽線の普通列車と代行バスを乗り継いで北海道新幹線の奥津軽いまべつ駅まで往復し、いよいよ今夜は北海道に向けて出発します。といっても利用するのは新幹線ではなく、夜行の津軽海峡フェリー。
かつては青森駅の目の前から津軽海峡船が発着していましたが、廃止されてしまった今は客船ターミナルまで移動しなければなりません。距離にして最寄駅から3.2kmと大変な距離です。

フェリーターミナルを中心に青森駅、新青森駅、そして油川駅の3点を通る円が書けてしまいそうな絶妙な距離感ですが、わずかに近い油川駅から歩くことにしました。青森駅から歩くより100mほど近いですよ。

小さな無人駅・油川駅で列車を降り、車がじゃんじゃんスピードを出す、歩行者としては恐怖でしかない道を3kmあまり。重いリュックを背負って背中が痛くなり始めたところでようやくフェリーターミナルに到着!

異常な明るさを放つターミナルに安心します。

しかし時刻はまだ21時。私は2時30分の便に乗りますので、暇で暇で仕方ありません。ターミナルの待合所で過ごすことにします。

これはネット上にあまり出回っていない情報ですが、津軽海峡フェリーの青森フェリーターミナルの待合所の2階にはテーブルとコンセントのある席が5~6席ほど用意されていて、これは函館フェリーターミナルも同様です。これには非常に助けられ、スマホやモバイルバッテリーを充電しながらパソコンをひろげてnoteの記事を書いていました。

ちなみにこの津軽海峡フェリーには半年ほど前、真冬というとんでもない季節に友人Tが同じく夜行便に乗船しています。こちらもぜひ。

青森2時30分発の第3便は、フェリーターミナルのすぐ横ではなく、4番乗り場という場所に止まっていますのでそこまで歩かなければなりません。そして出港30分ほど前よりボーディングブリッジではなく直接乗り込む形をとります。自動車やオートバイが出入りするようなところから乗船していきます。この日は40分前の乗船開始でした。

そしてこの通り。今夜の寝床にようやく到着です。
防犯対策として貴重品をリュックサックに入れ、ワイヤーロックをかけて頭のすぐわきに置いたうえで就寝。アイマスクと耳栓があれば船の揺れや音なんて気になりません。
床の硬さは寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号のノビノビ座席くらいです。おそらく伝わる方には伝わるちょうどいいたとえだと思います。要は一晩で体が痛くなるくらい硬いということです。

この区画にはコンセントが数個ありますので、多客期でもタコ足の分岐を持ち込めば大きな問題にはならないものと思われます。もっとも今日は私ひとりの貸し切りですが。

貸し切りの雑魚寝。

夜も遅いのでシャワーも浴びず船内散策もせずに、さっさと寝ます。おやすみなさい。。。

(次回へ続く)


長い長い1日がようやく終わりました。明朝起きたらもうそこは北海道函館と思うと寝られないかとも思いましたが、時刻は午前2時。さすがに眠いのですぐに寝てしまいました。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは。

〈執筆:R〉

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